岸本寛史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ心理学の本を色々読んでいたらたどり着いた本。私は医療従事者でもなく、またその経験もないが、リアリティ溢れる診療の様子が事例として沢山紹介されていて、まるで追体験しているような錯覚を覚え、単純に読み物として面白い。
ナラティブ・アプローチは緩和ケアの分野のみならず、全てのコミュニケーションにおいて活用できる考え方だと思う。
「痛み」の定義に関する記載は非常に興味深かった。
冒頭の「緩和ケアに行かせてください。安楽死させてくれる緩和ケアで死なせてください。」と言う患者に対して、緩和ケアはそういうものではないです.と説教することは、医療的には”正しい”が、ナラティブ・アプローチ的には正しくない。深 -
Posted by ブクログ
・「描かれたものをそのまま言葉に置き換えてごらん。そうしたら、もうほとんど半分以上解釈になっているよ」
・ある独特の身体症状を持っている方が、ある言葉で表現していることが、実は、内界で起こっている身体症状の表現そのものであることがあるわけです。一つだけ例を挙げれば、ある方が、肺がんの脳への転移を、「雁が大陸移動する」という夢を語る、という形で表現された。
・私は、小学校の一年生から中学校三年生まで、同一例(三クラスだったので120例なのですが)のバウムを9年間とっているのです。毎年行って、9年間描いてもらったわけです。そのときに、木が天に抜けるという形で紙の上端を抜け出る、風景構成法でいえ