高橋正男のレビュー一覧
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物語 イスラエルの歴史
アブラハムから中東戦争まで
著:高橋 正男
紙版
中公新書 1931
おもしろかった、ダビデの時代から現代へ、聖書を追う長大な物語です
イスラエルというか、ユダヤ・パレスチナを中心とした膨大な歴史
そして、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地である、エルサレムの不思議
気になったのは以下
エルサレムとは、ヘブライ語で、平和の町、平和の礎という意味
エルサレムの最初の集落は BC3000から、BC2001の初期
イスラム教のモスクが、ユダヤ教の神殿の跡に建てられている
ユダヤ教の神殿の西の壁は、嘆きの壁といわれている
イスラエルが史実に現れるのは、エジプト新王 -
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阿刀田高さんの「旧約聖書を知っていますか」が面白かったので、本書も読んでみました。著者の高橋正男さんはイェルサレム・ヘブライ大学への留学経験のあるイェルサレム史を専攻する学者さん。本書も三大啓示宗教の拠点であるイェルサレムを序章で詳細に説明。イスラエル民族の特殊性を明らかにして、聖書時代から第4次中東戦争までの長大な期間に渡るイスラエル史をコンパクトにわかりやすく説明しています。わかりにくい箇所があったとするなら、それは著者の責任ではなく、イスラエルという国のあらましが非常にわかりにくいのが原因です。
本書は中公新書の「物語 ◯◯◯史」の1冊ですが、「物語」という文字にふさわしい歴史書です。 -
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イスラエルの歴史を新書1冊でまとめるのには、やはり奥深さはたりなく感じ、歴史をなぞっている感は否めないが、逆にいえば、世界史の教科書のように不必要な言葉や内容がなく、洗練されているともとらえることができる。
イスラエル史を確認したり、手元において参照的に使うのであればよい本ではないだろうか。逆にいえば、世界史も勉強していないのに、いきなり読もうとしたら、内容はわからないと思う。その意味では、読み手を選ぶ新書だと思う。
文語的な表現など、語句がやや難しいと感じたが、国土についてから、王政以前~中東戦争までを350ページにまとめているのは、正直すごいと思う。これだけのことをまとめられるのは、や -
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アブラハム(イブラヒーム)の息子イシュマエル(イスマイール)がアラブの祖先、もう一人の息子イツハク(イスハーク)がイスラエルの祖先であるとクルアーンには書かれているという。事実はどうであれ、イスラーム側はアラブとイスラエルは同根と思っていたらしい。現在、それに関してはどう考えられているのだろうか。平和に寄与しないのだろうか?
紀元前6世紀のバビロン捕囚の半世紀、神に選ばれた民族としていかに生きるべきか問い続け、その結果、民族存続の基本原理である民族的・宗教的共同体ユダヤ教団を作り上げた。バビロン捕囚は悲劇であったが、もしこれが無ければ「ユダヤ人」はなかったのかもしれない。歴史の因果は本当に不思 -
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中公新書の「物語〇〇の歴史」は面白く読むことができるシリーズだ。
そこで、今回手にとったのは『物語イスラエルの歴史』
とにかくイスラエルの歴史は古い!
「イスラエル民族の曙期は、紀元前第2千年期の悠遠の昔にさかのぼり、深い霧に包まれている」
その太古の時代から中東戦争(現代)までの約4000年の歴史を駆け抜ける。
恥ずかしながら本書の全て消化できるはずもない。
だが、イスラエルという土地に妙に魅かれる。特に、エルサレムはどんな空気が流れているのだろう。今の時代、グーグルでその土地のことは「見える」が、「空気」までは見えない。本書を読みながら、想像の翼をひろげる。
著者は、今から約60年前 -
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ネタバレ[ 内容 ]
イスラエルという民族名は、紀元前十三世紀のエジプトの碑文にはじめて登場する。
文明が交錯する東地中海沿岸部では、さまざまな民族が興亡してきた。
そのなかで、イスラエル(ユダヤ)民族はバビロニア捕囚やローマ帝国による迫害など、民族流亡の危機を乗り越え、第二次世界大戦後に再び自らの国を持つに至った。
本書は、民族の祖とされるアブラハムから中東戦争後の現在まで、コンパクトに語る通史である。
[ 目次 ]
イェルサレム
パレスティナ・イスラエルの国土
王政以前
第一神殿時代―紀元前10世紀~紀元前6世紀
第二神殿時代―紀元前538~紀元後70年
対ローマユダヤ叛乱―紀元後66~74年/