青木裕司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ無能経営者でサイコパスのDV野郎ドナルド・トランプがなるべきではないのに大統領になり、トランプ本やヒットラー本を読んだがどうにも上っ面を撫でているような感覚があった。また、その前にシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」を読んだのだが、高い人気によりヒットラーのように民主主義を乗っ取って終身独裁官になろうとしたシーザー、民主主義を守るためにシーザーを暗殺するブルートゥス一派、その混乱の中で民衆を扇動して民主主義を完全にのっとって帝政に移行するアントニウスとオクタヴィアヌス。現代と全く同一であることに衝撃を受け、本格的に一から歴史を勉強し直そうと考えて読み始めた。
受験生ではないので全てを覚えるのではなく、気になる時代をピックアップして別の本で掘り下げるつもりで読んだ。そのため気になる時代を挙げていく。
(1)古代ギリシャ
共和政から帝政への移行。民主政は拡大していったが、度重なる戦争、貨幣経済の浸透による貧富の格差拡大、それらによる市民の没落、その結果冷静にポリスの行く末を考えられなくなり、威勢のいいこと、耳心地のいいことを言う扇動政治家に騙されて衆愚政治に陥り、国力が低下したところをマケドニアに攻められ(フィリッポス二世、アレクサンドロス大王の父親)征服される。
(2)古代ローマ
共和政の崩壊から帝政への移行。こちらも民主制は拡大していったが、度重なる戦争で人気が出たのがジュリアス・シーザー。その勢いで共和政を乗っ取り終身独裁官になろうとしたが民主主義を守ろうとするブルートゥスを含む元老院共和派に暗殺された。そこへ扇動政治家のアントニウスとオクタヴィアヌスが民衆を扇動して共和政を乗っ取り、三頭政治を経て最終的にはオクタヴィアヌスが皇帝に就任し、帝政に移行する。
(3)王安石の新法
唐滅亡後、五代十国時代=戦乱の時代を経て宋が建国される。二度と戦乱を起こさないために宋は武断政治をやめ文治政治を行うが、それは異民族の脅威に対抗できず、歳弊を支払い続けた。更に官僚や軍隊への給費も国家財政を圧迫する。そこで王安石は財政難を克服するため税制改正の新法を作った。貧困層である農民や小商人ではなく金持ちの地主や豪商から徴税する新法だ。「金は取れるところから取る」当たり前の税法だ。これ以外にも農民や小商人への低利融資を実行した。つまり今のアメリカ民主党だ。しかし当然地主や豪商から反発され、こいつらは司馬光を担ぎ上げた。編年体歴史書「資治通鑑」を作成した高名な学者だ。ただし政治経済面ではドナルド・トランプと同様に無能だ。一度失脚したが、再度宰相に返り咲き、王安石の新法の実績を全て覆して否定した。結局当たり前だが北宋の財政は改善せず悪化の一途をたどった。つまり今の共和党で、司馬光がドナルド・トランプだ。勿論トランプは学者というには頭が悪すぎる。学者が飼っている犬か猫並みの頭脳だ。その100年後1126年~1127年の靖康の変で女真族の金に首都開封を占領され、上皇の徽宗と肯定の欽宗は金に捕まり徽宗は病死、欽宗はその後30年以上監禁され海陵王に虐殺された。 おもしろいのは、司馬光は1086年に宰相に返り咲いて王安石の新法を否定し続けたが、同年死んだ。
(4)ナントの勅令の廃止。フランスの豊かで優秀な商工業者ユグノーはカルヴァン派で、その信仰の自由を保障するナントの勅令がユグノー戦争を終結させるために1598年に発布された。しかし絶対王政期のルイ14世が自分の信仰心を満足させるために経済合理性を無視して1685年に廃止、ユグノーがイギリス、オランダ、プロイセンに流出、フランス経済を弱めることになった。フランスの財政を弱体化させ、フランス革命勃発の遠因となった。愚かな不寛容は自らを滅ぼす。
(5)フランス革命
背景、勃発からナポレオン帝政の終わりまで。ミシュレの「フランス革命史」が書いている時代。絶対王政を倒し、民主制に移行し、しかし帝政に移行し、更に民主制に再び移行する。ジャコバン派の台頭と破滅はアナトール・フランスの「神々は渇く」でその雰囲気を知り、感じることができる。
(6)19世紀ロシアの近代化挫折
クリミア戦争敗北でアレクサンドル2世が近代化のため農奴解放、工業化を実行したが中途で投げ出し、ニヒリズムとテロリズムが跋扈し、アレクサンドル2世は暗殺される。改革は勿論進まない。ドストエフスキーは「罪と罰」「悪霊」でこの当時の社会情勢、知識人の動向を登場人物に反映させた。
(7) 南北戦争。
勿論今のアメリカも分断し、民主党が絶対善、共和党が絶対悪、ドナルド・トランプが絶対邪悪で共和党とトランプは滅ぼさなければならないが、南北戦争時代も分断していた。現代の分断の参考にはなるだろう。この時は共和党が奴隷制解放派、民主党が奴隷制存続派。だからエイブラハム・リンカーンは共和党の大統領です。
(8)アメリカ外交の変化。
マッキンリーの帝国主義開始で、愚かなトランプが見習っている関税一本足打法、セオドア・ローズベルトの棍棒外交、タフトのドル外交と徐々に経済権益に傾斜していく。この変化について経済に傾斜する方が総合的利益になるということなのだが、詳しく知りたい。
因みにマッキンリーの時代は所得税が無く、最高関税率57%にまでなり、アメリカの所得税は1872年に廃止、1894年再開、マッキンリーは晩年つまり任期終盤には「やっぱり関税より所得税の方がいい。」という考えを持つに至り、しかし暗殺される。トランプはアホだからマッキンリー好きだと言っていても結局何も理解していないが、マッキンリーを見習って最後はマッキンリーのようになれ。
(9)ナチス・ドイツの成立
しなくていいのに成立したナチス・ドイツ。ナチスは確かに議会内で有力な政党だったが、そのナチスに対抗できるだけの議席を持った共産党と社会民主党がしょっちゅうケンカをしていた。原因はヒットラーと同じくこの世に生まれてくるべきではなかったヨシフ・スターリンが共産党に指令を出し、社会民主党を打倒しろ、と間違った命令を出していた。
更にイギリスが愚かにも宥和政策を実行し、ナチスを放置した。イギリスはソ連を脅威と思い(ソ連は植民地インドと地続きであり、イランの石油権益を脅かしていていた)、近代史上稀に見る害悪な国際政策を実行した。イギリスはこういう事ばっかりやるな。三枚舌外交とか。
(10)新自由主義
弱者切り捨て、自己責任、人の心を持たないサイコパス思想にして虐殺思想の新自由主義。サッチャー、レーガン、日本だと中曾根康弘が代表的だが、残念ながら高度経済成長が終わると出てきた。気になるのは技術革新、教育、中間層の拡大による成熟経済の低成長の方が有効であることは自明の理だが、それを阻んでいるものは何か、ということ。またマクロ経済学にあるコブ・ダグラス型生産関数、全要素生産性は経済学界、政治の世界では如何なる立ち位置、存在意義を持っているかを知りたい。
※番外編 中世末期の反ユダヤ主義
ナントの勅令廃止と似ているが、中世末期はユダヤ人が追放された。特にスペインでは激しく追放され、そのため有力なユダヤ人富裕層も追放され、スペイン経済が打撃を受けた。自分で自分を棒で殴るようなもので、アホそのものだが、その不寛容、非合理性、愚かさを二度と実行しないために学びたい。 -
Posted by ブクログ
大人の学び直しにも最適!
難関大を目指す受験生向けの参考書ですが、大人の学び直しとしても最も使える本です。これまで世界史の本を何冊か読んできましたが、どれも事件の羅列になっている箇所が多く、出来事の起きた理由まで解説している本は、ほぼ皆無でした。その理由としては、やはり1冊で世界史を語るのは分量が少なすぎるためでしょう。全4巻の本書では(事件の羅列になる項目もありますが)歴史に興味を引くための筆者の工夫が随所に見られます。なぜ騎馬民族のモンゴルは戦争に強いのとか。やはり、4冊の分量がなければ、世界史は語れないのでしょう。(これでも、きっと少ないのだと思いますが。)
著者はYouTubeも開設されているのでそちらもおすすめです。 -
Posted by ブクログ
「主権国家体制の形成」あたりは国(王朝)と戦争の羅列(事件が多いので仕方がないのだろう)で、読み進めるのが少し辛かったけど、「ヨーロッパ諸国の海外進出」では、イギリスのライジングの理由や悪名高い大西洋三角貿易の理由や今日の状況が語られていてとてもおもしろくためになった。
特に、「17・18世紀のヨーロッパ文化」では、哲学者たちの思想が登場する歴史的背景が語られていてとても面白い。
もしも、あなたが大学受験を日本史等で受けて、世界史に対して幾ばくかの引け目を感じているのであれば、本書を読めば「世界史専攻」の人たちに追いつけます。高いレベルで。 -
Posted by ブクログ
ヨーロッパは先史時代から古代オリエント、古代ローマ史まで、古代インド史、南北アメリカ史、五代十国時代までの中国史、内陸アジア、イスラーム世界、中央アジア史、17世紀前半までの朝鮮史、18世紀までの東南アジア史が対象です。
通史を学ぶ本としてこれ以上わかりやすく書かれた本に出会ったことはありません。大人向けの世界史の本は1冊で完結しないと売れないのか、説明がどうしても短くなってしまうので、事実の羅列になってしまってます。その点、受験参考書は、長くても受験生は読んでくれるので、全4巻でも平気なのでしょう。
子供向けの学習マンガ世界史も読みましたが、大人である私にはこちらの方が読みやすいです。例えば、ユダヤ人が一神教を選ぶ理由も(著者の個人的考えではあるけど)書かれてあって、いろんな「なぜ」に答えてくれます。 -
Posted by ブクログ
今、山川出版社の『世界史』の教科書が手元にありますが、
これを読んで、「うわぁー、面白い!」という人は、相当な強者だと思います。
自分には、書いている日本語は理解できますが、
あまりに、年代、人物、したこと、起こったことが、凝縮していて、
読むのが非常に疲れます。読んで理解できているかというと、
怪しく、これは、理解するというよりも、世界史は、こうなってますよという状態を
記憶・暗記してくださいと言っているような気がする。
「歴史を、もう一度、学び直したいと思うようになりました」。
このフレーズは、よく聞くし、自分も、時たま、言う。
どういう時か?
それは、他者から自分が知らない歴史的事実や感想を求められたり、
または、披露されたり、
雑誌や新聞を読んで、よく背景がわからない時だったり、
日本の文化を、外国人に紹介する時であったり、
日本の過去の戦争を第三者に説明する場合など、
その機会はわりかし多いと思う。
大学受験科目としての世界史を、しっかり勉強したことがない自分にとってみれば、
世界史は、言わば、コンプレックスを感じさせるものだった。
受験以外で体系的な知識を、効率的に身につけるには、受験勉強スタイルが一番良いと思っている。
だから、こういった、講義をそのまま文字にした本は非常に使える。
個人的には、日本の歴史教育のスタイルともいえるが、
暗記重視をしていることが、当時ひどくつまらないと感じていたが、
大学を卒業して何年もすれば、オトナの事情が嫌でもわかってくるので、
「そうか、歴史の先生って大変だよな、本当だったら、歴史を勉強するのは、○○のような人間を作りたくて、そういう理念のもとで、教材が作られるべき。その点、今使っている教材なんて、ちっとも面白くない。どういう意図のもと、編纂されているかというと、○○なんだよね。ほんとに、面白いのは、歴史事実を元に、自分で関連本を読み漁るとか、そういうことしないと、今の、日本の歴史教育では、全然、勉強してて、面白くならないよね」。
その○○は、国際的に活躍できるような人間でもいいが、しかし、日本の歴史教育では、色々な事情があって、そういう理念を基に教材が作られていない。もし、そういう理念があれば、もう少しましになっている。
日本人は、歴史を(楽しく、自信を持って)勉強できない仕組みに縛られてるといってもいい。
そうか、だから、教科書って、つまらないんだ。
と、今では納得してしまうが、今になって、世界史の必要性を感じている自分にとっては、
やはり高校生の頃に、しっかりと身に着けておくべきだったと後悔している。
オトナになって、知識を身に着けようと思ったら、
①目的、もっとかっこよく言って、理念が大事
②手段、具体的には、どういう教材(教科書でも、一般書籍でも、YOUTUBE)を使うか?
③どういう状態を目的達成とするのか
この3つが大事だと思うので、世界史の知識も、この方法でいく。
①自分の目的は、アメリカで出版されている英文の世界史を読みたい。
ただ、ちんぷんかんなので、その補助知識として、日本語で書かれている世界史の知識を網羅した書籍を探している
②語学春夏出版の実況中継シリーズは、大学受験から使っていたので、なじみがあるので
使用する。ただし、今回は受験とは違うので、世界史の知識の正確性よりも、
世界史の知識と知識の関連性(あの時代の次は、ああだよね的なこと)を重視するように、テキストを使う。
③英文の世界史を普通に読める状態、習慣にすることが達成目標。
日本語のキンドルで、よく、世界史関連のネタ本(人物評、単体の出来事の詳細本)を、
時たま集中して見てしまう状態を、英文でもしたい。
知識を身に着けることに、年齢制限はない。
いつからでも、始められる。そして、自由に考えることができる。
世界史に関して、瑣末な知識しか、持っていない自分にとってみれば、
長い道のりになるかもしれないが、本当に使える知識になるためには、
多くの知識を身に着けて、問題意識を持って、思考することが、大事だと、
体験的にわかっているので、地道にやっていこうと思う。 -
Posted by ブクログ
「パレスチナ問題」と「ソ連の成立と崩壊」の2つをテーマに、マンガを交えながら、河合塾の世界史の先生が分かりやすく解説したもの。マンガは世界をあるクラスに見立て、そこに「アメリカくん」や「イギリスくん」、「ユダヤくん」がケンカしたり徒党を組んだり、という物語が展開されている。
よく小学校とかで歴史の得意な子は、歴史まんがの本を読んでたりしたのを思い出した。確かに、とても分かりやすいし、頭に入る。キューバ危機のところで、中国くんだけがラーメンを食べていたりして余裕を見せている、といったディテールも描いてあったりするのも面白い。解説部分は分かりやすいが、脚注にも色々大切なことが書いてあるので、本文を読んだり脚注を読んだりしないといけなくなるのでやや読みづらいということと、とにかくイギリスが悪い、アメリカの自業自得だ、みたいな一方的な見方が展開されていることが気になるくらいだった。本書にも書かれているように、続編を出して欲しいと思う。(15/11)