【感想・ネタバレ】[音声DL付]世界史探究授業の実況中継(1)のレビュー

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

◆本書の特色◆

■ 教科書に準拠した構成で、日常の学習を効果的に深めます!
■ 共通テストから、国公私大の論述対策まで、広範囲な指導を展開!
■ 文化史や社会・経済史も、詳しい説明できっちり網羅!
■ 豊富な図版や講師のイラスト解説で、わかる!面白い!と大好評!
■ 別冊には、「世界史年表」および詳細な「授業プリント」を掲載!

「世界史年表トーク(年表授業音声)」は、語学春秋社HPから無料ダウンロード!
※語学春秋社のウェブサイトから無料でダウンロードできます。
ダウンロード方法の詳細につきましては、「別冊 授業プリント/世界史年表」のP.iiに記載がございます。
なお、本電子書籍のビューワー上での音声再生はできませんので、予めご了承ください。

◆本書の「はしがき──新課程準拠版の発刊にあたって」より

『世界史講義の実況中継』が世に出たのは、1990 年のことでした。河合塾における講義をカセットテープに録音して、それを文字におこして講義を再現するという方針に貫かれた本書は、これまでに250 万人以上の読者(≒受講者)を持つことが出来ました。
そして今回、新課程の世界史教科書に準じた入試が行われることに対応して、内容と装いを一新した『世界史探究授業の実況中継』を発刊することになりました。

今回の改訂のポイントは、以下の2点です。すなわち、

新課程の7種類の世界史探究の教科書(2023年4月段階で既刊のもの)に準拠して、教科書に掲載されているすべての時代とすべての地域、さらには文化史を含むすべての分野を網羅したこと。
時代や地域の配列は、原則として山川出版社『詳説世界史─世界史探究』に従ったこと。
これによって、教科書との連動性を高め、これまで以上に高校の授業のサポートに活用できるようにしました。

しかし、わが『実況中継』の基本方針は不変です。すなわち、

◎授業中の「緊張感」をできるだけ再現すること。そして、
◎授業中の「脱線」をできるだけ再現すること。

この2 点です。

◆本書の使い方について◆

(1) 各回全体を通して読んでください。歴史には流れがあります。よって、断片的に読むよりも、各回を通して読んだ方が理解は深まります。ときには、声を出して音読してください。そうすれば、教室の僕の声が聞こえてくるはずです。また、本文中の赤字・太字は重要な用語や記述を表します。
(2) 別冊の「講義プリント」は、講義のエッセンスをまとめたものです。重要知識を総チェックできます。
(3)講義を受け終わったら(本書を読んだら)、できるだけ早く問題演習を行ってください。
(4)別冊所収の「世界史年表」に沿った音声授業を無料でダウンロードできます。各巻の講義内容のアウトラインを、僕が解説したものです。青木って、こんな声なのです。きっと復習のよい手がかりになると思いますから、何度も聴いて活用してください。

世界にはさまざまな問題が山積しています。そしてそれは毎日のように、テレビ・新聞・ネットを通じて私たちに伝達されています。さて皆さん、今現在、それらのうち、どれくらいの内容を理解できているでしょうか? 世界史は本当に役に立つ科目です。1 年間しっかり勉強すれば、今、世界で起こっていることの大半を理解できるようになります。というわけで、共に奮闘しようではありませんか!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 無能経営者でサイコパスのDV野郎ドナルド・トランプがなるべきではないのに大統領になり、トランプ本やヒットラー本を読んだがどうにも上っ面を撫でているような感覚があった。また、その前にシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」を読んだのだが、高い人気によりヒットラーのように民主主義を乗っ取って終身独裁官になろうとしたシーザー、民主主義を守るためにシーザーを暗殺するブルートゥス一派、その混乱の中で民衆を扇動して民主主義を完全にのっとって帝政に移行するアントニウスとオクタヴィアヌス。現代と全く同一であることに衝撃を受け、本格的に一から歴史を勉強し直そうと考えて読み始めた。
 受験生ではないので全てを覚えるのではなく、気になる時代をピックアップして別の本で掘り下げるつもりで読んだ。そのため気になる時代を挙げていく。
(1)古代ギリシャ
共和政から帝政への移行。民主政は拡大していったが、度重なる戦争、貨幣経済の浸透による貧富の格差拡大、それらによる市民の没落、その結果冷静にポリスの行く末を考えられなくなり、威勢のいいこと、耳心地のいいことを言う扇動政治家に騙されて衆愚政治に陥り、国力が低下したところをマケドニアに攻められ(フィリッポス二世、アレクサンドロス大王の父親)征服される。
(2)古代ローマ
共和政の崩壊から帝政への移行。こちらも民主制は拡大していったが、度重なる戦争で人気が出たのがジュリアス・シーザー。その勢いで共和政を乗っ取り終身独裁官になろうとしたが民主主義を守ろうとするブルートゥスを含む元老院共和派に暗殺された。そこへ扇動政治家のアントニウスとオクタヴィアヌスが民衆を扇動して共和政を乗っ取り、三頭政治を経て最終的にはオクタヴィアヌスが皇帝に就任し、帝政に移行する。
(3)王安石の新法
唐滅亡後、五代十国時代=戦乱の時代を経て宋が建国される。二度と戦乱を起こさないために宋は武断政治をやめ文治政治を行うが、それは異民族の脅威に対抗できず、歳弊を支払い続けた。更に官僚や軍隊への給費も国家財政を圧迫する。そこで王安石は財政難を克服するため税制改正の新法を作った。貧困層である農民や小商人ではなく金持ちの地主や豪商から徴税する新法だ。「金は取れるところから取る」当たり前の税法だ。これ以外にも農民や小商人への低利融資を実行した。つまり今のアメリカ民主党だ。しかし当然地主や豪商から反発され、こいつらは司馬光を担ぎ上げた。編年体歴史書「資治通鑑」を作成した高名な学者だ。ただし政治経済面ではドナルド・トランプと同様に無能だ。一度失脚したが、再度宰相に返り咲き、王安石の新法の実績を全て覆して否定した。結局当たり前だが北宋の財政は改善せず悪化の一途をたどった。つまり今の共和党で、司馬光がドナルド・トランプだ。勿論トランプは学者というには頭が悪すぎる。学者が飼っている犬か猫並みの頭脳だ。その100年後1126年~1127年の靖康の変で女真族の金に首都開封を占領され、上皇の徽宗と肯定の欽宗は金に捕まり徽宗は病死、欽宗はその後30年以上監禁され海陵王に虐殺された。 おもしろいのは、司馬光は1086年に宰相に返り咲いて王安石の新法を否定し続けたが、同年死んだ。
(4)ナントの勅令の廃止。フランスの豊かで優秀な商工業者ユグノーはカルヴァン派で、その信仰の自由を保障するナントの勅令がユグノー戦争を終結させるために1598年に発布された。しかし絶対王政期のルイ14世が自分の信仰心を満足させるために経済合理性を無視して1685年に廃止、ユグノーがイギリス、オランダ、プロイセンに流出、フランス経済を弱めることになった。フランスの財政を弱体化させ、フランス革命勃発の遠因となった。愚かな不寛容は自らを滅ぼす。
(5)フランス革命
背景、勃発からナポレオン帝政の終わりまで。ミシュレの「フランス革命史」が書いている時代。絶対王政を倒し、民主制に移行し、しかし帝政に移行し、更に民主制に再び移行する。ジャコバン派の台頭と破滅はアナトール・フランスの「神々は渇く」でその雰囲気を知り、感じることができる。
(6)19世紀ロシアの近代化挫折
クリミア戦争敗北でアレクサンドル2世が近代化のため農奴解放、工業化を実行したが中途で投げ出し、ニヒリズムとテロリズムが跋扈し、アレクサンドル2世は暗殺される。改革は勿論進まない。ドストエフスキーは「罪と罰」「悪霊」でこの当時の社会情勢、知識人の動向を登場人物に反映させた。
(7) 南北戦争。
  勿論今のアメリカも分断し、民主党が絶対善、共和党が絶対悪、ドナルド・トランプが絶対邪悪で共和党とトランプは滅ぼさなければならないが、南北戦争時代も分断していた。現代の分断の参考にはなるだろう。この時は共和党が奴隷制解放派、民主党が奴隷制存続派。だからエイブラハム・リンカーンは共和党の大統領です。
(8)アメリカ外交の変化。
   マッキンリーの帝国主義開始で、愚かなトランプが見習っている関税一本足打法、セオドア・ローズベルトの棍棒外交、タフトのドル外交と徐々に経済権益に傾斜していく。この変化について経済に傾斜する方が総合的利益になるということなのだが、詳しく知りたい。
因みにマッキンリーの時代は所得税が無く、最高関税率57%にまでなり、アメリカの所得税は1872年に廃止、1894年再開、マッキンリーは晩年つまり任期終盤には「やっぱり関税より所得税の方がいい。」という考えを持つに至り、しかし暗殺される。トランプはアホだからマッキンリー好きだと言っていても結局何も理解していないが、マッキンリーを見習って最後はマッキンリーのようになれ。
(9)ナチス・ドイツの成立
   しなくていいのに成立したナチス・ドイツ。ナチスは確かに議会内で有力な政党だったが、そのナチスに対抗できるだけの議席を持った共産党と社会民主党がしょっちゅうケンカをしていた。原因はヒットラーと同じくこの世に生まれてくるべきではなかったヨシフ・スターリンが共産党に指令を出し、社会民主党を打倒しろ、と間違った命令を出していた。
  更にイギリスが愚かにも宥和政策を実行し、ナチスを放置した。イギリスはソ連を脅威と思い(ソ連は植民地インドと地続きであり、イランの石油権益を脅かしていていた)、近代史上稀に見る害悪な国際政策を実行した。イギリスはこういう事ばっかりやるな。三枚舌外交とか。
(10)新自由主義
   弱者切り捨て、自己責任、人の心を持たないサイコパス思想にして虐殺思想の新自由主義。サッチャー、レーガン、日本だと中曾根康弘が代表的だが、残念ながら高度経済成長が終わると出てきた。気になるのは技術革新、教育、中間層の拡大による成熟経済の低成長の方が有効であることは自明の理だが、それを阻んでいるものは何か、ということ。またマクロ経済学にあるコブ・ダグラス型生産関数、全要素生産性は経済学界、政治の世界では如何なる立ち位置、存在意義を持っているかを知りたい。
※番外編 中世末期の反ユダヤ主義
  ナントの勅令廃止と似ているが、中世末期はユダヤ人が追放された。特にスペインでは激しく追放され、そのため有力なユダヤ人富裕層も追放され、スペイン経済が打撃を受けた。自分で自分を棒で殴るようなもので、アホそのものだが、その不寛容、非合理性、愚かさを二度と実行しないために学びたい。

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2025年09月26日

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