勝谷誠彦のレビュー一覧

  • ディアスポラ

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    ネタバレ

    入院した身内の見舞いに行ったら長時間待つ羽目になったので、待合の「院内文庫」にあった本のうちこれを手に取ってみた。チベットの地の鮮やかな描写に惹き込まれてよくわからないままに読み進めると、設定が次第に明らかになってくる。
    原発事故で日本の全土が居住不能レベルに汚染されたとしたら―この作品は小説の形をとった思考実験なのである。
    表題作はディアスポラ(撒き散らされた者)となりチベットの地に難民として暮らす日本人、同時収録作「水のゆくえ」はダム建設予定地だったとある地に残留する村人が仮定されている。
    こんないい小説なのになぜあまり話題にならなかったのか不思議だなと思うくらい。著者のガラの悪さがために

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    2019年11月09日
  • 獺祭 この国を動かした酒

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    純米大吟醸「獺祭」を製造する旭酒造と社長(当時)である桜井博志氏の話が中心ですが、単なる旭酒造の成功談ではありません。氏の苦労と失敗の道のりも記し、旭酒造と桜井氏を取り巻く日本酒業界や農業界の陋習、そして日本の産業界や行政の欠陥まで描いているところが興味深いです。まちおこしをはじめ「地方創生」というテーマに携わる人にも読んでほしい一冊です。

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    2019年08月08日
  • ディアスポラ

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    コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」に負けない日本の文学。スケールも大きいし悲しみもかけています。テレビの印象があるのかもしれないけれど置いて読んでほしいな。質の高い文学作品だと思います。日常についていろいろ思ったり日本酒が飲みたくなったり原発の向こう側の作品です。福島原発事故前に書かれた作品で踏まえて書いてない中で、これを書いたのはすごいなと思う。ただ、そういうの抜きにして日本に住んでいる文学好きには多く手に取ってほしい作品。

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    2017年12月18日
  • 獺祭 この国を動かした酒

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    ネタバレ

    2016/12/27 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
    2018/6/21〜6/26

    勝谷誠彦さんが獺祭を生み出した旭酒造と桜井氏について書いた本。私が獺祭のすごさに気づいたのは2007年のこと。外国人を連れて居酒屋に行く機会があったのだが、まだ日本でもそれほど知られていない時期にヨーロッパから来ていた人が、獺祭がメニューにあるのを見つけて喜んで注文していたのを思い出す。その裏にはこういう物語があったんだな。閉塞した現状に苦しむ業界や分野があると思うが、それを打破する一つの大きなヒントがここにあると思う。

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    2018年06月26日
  • バカが隣りに住んでいる

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    勝谷誠彦氏、1960年生まれ、コラムニスト・写真家、「バカが隣りに住んでいる」、2015.1発行。思い切ったタイトルと内容、歯切れがいいです。「はじめに」から名調子です。中国は戦勝国ではない。日本に勝ったことはないし、しかも当時は中華民国という別の国家。今の共産党独裁国家にいろいろ言う資格はない。韓国、北朝鮮に至っては植民地、いわば「負けた側」であって日本を罵倒するなどもってのほか。基本筋で同感です! 特に、韓国サイトに載ったという「靖国での放尿」、これは馬鹿の愚行自慢では許されない。イスラム国のモスクでなされたら犯人は直ちに斬首。確かに、いいかげんにしてもらいたいものです。

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    2019年10月02日
  • 獺祭 この国を動かした酒

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    想像以上に面白かった。結果論かもしれないが、人気になるにはロジックがある。日本酒のことを少し知れて、今までより愛着を持って飲めるようになった。

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    2017年03月02日
  • ディアスポラ

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    10年以上前に書かれた現在の日本を暗示するかのような純文学的な小説。表題作の『ディアスポラ』の他に『水のゆくえ』を収録。

    『ディアスポラ』とは民族離散という意味のようだ。ある事故で日本列島に居住不能となり、チベットの難民キャンプに暮らす日本人の物語…

    『水のゆくえ』も原発事故後の日本を舞台に杜氏の一家を中心に物語が展開する…

    二編のいずれも、日本人なら悲しみを覚えるような小説である。

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    2014年03月06日
  • 鳥頭紀行 ジャングル編 どこへ行っても三歩で忘れる

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    2008/3/15
    絶対出来ないけど羨ましいムチャな旅。
    何か分からんけど、生みたいだけど、不衛生にも程があるけど食っちゃえ!
    やってみたいけどやっぱ出来ないよねぇ。
    だからサイバラさんの本で仮体験。面白い。

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    2009年10月07日
  • ディアスポラ

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    ネタバレ

    読み出す前からあの勝谷誠彦の作品というわかっていたので、チベットが舞台とわかって彼らしいなあとか勘ぐってしまった。どうも原発事故かなにかで日本人が離散した世界でのチベットに逃れた日本人たちのお話というディープな設定だが、淡々と描かれていて文学チック。もう一篇の「水のゆくえ」も寒村に放射能が降った世界の話だが、人々の生活に焦点を当てた文学チックな作品。

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    2025年09月27日
  • ディアスポラ

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    東日本大震災前に、原発事故を予言したかのような内容は、その事だけでも話題性があるだろうが、日本という国において原発事故をシミュレートした物語を創作するのは、そこまで奇跡的な事では無いような気もする。寧ろ、事故を切り口に中国やチベットの関係に絡めながら抜き出したトリミングが、勝谷さんならでは、だろうか。しかし、純文学に寄せている分、ノンフィクション性が薄れたのは勿体ない。

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    2021年01月31日
  • ディアスポラ

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    原発の事故で日本に住めなくなり民族離散(ディアスポラ)した話。チベットの難民キャンプと被曝しながら日本に残った人達の二本立て。生活に民族としての苦悩やその生活の中での苦悩が描かれている。百田尚樹の解説によると、純文学で売れないらしい。話に救いがなく読みやすいわけではない。

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    2016年08月28日
  • バカが隣りに住んでいる

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    江戸時代を通じて日本の人口は約3000人。明治になり列強に追いつくべく富国強兵に傾注する。特に強兵のために「産めよ増やせよ」が国策となった。もともと人が住まなかった場所にできた集落は今、限界集落と言われている。人口が減るというのは、そうした地域がなくなり、もっとコンパクトな国ができるということ。広島の土砂災害も、山の麓の狭隘地にまで人が住んでいなければ起こらなかった。日本全国、同様な危険地帯にたくさん今も人が住んでいる。野生の世界では状況が数を規定する。知性を持つ人間であれば、より合理的に行動できるはず。

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    2015年06月30日
  • 鳥頭紀行 ジャングル編 どこへ行っても三歩で忘れる

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    081009(n 081017)
    081202(n 090104)
    081202(n 090301)
    090414(n 090914)
    100927(a)

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    2010年09月26日