芹沢一也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
貧困問題の解決を経済学の視点からアプローチ
飯田泰之と他参加者との対談という形式
対談=話し言葉なので読みやすい
飯田泰之(経済学者)×岡田 靖(経済学者)
…高度成長時代のまとめ タメになります
飯田泰之(経済学者)×赤木智弘(「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」の著者)
…赤木氏は発言も少なく 飯田氏の主張にやや取り込まれた感じ(あまり反対する要素がなかったのかな)
飯田泰之(経済学者)×湯浅誠(「年越し派遣村」の主催者)
…湯浅氏は飯田氏の提案に理解を示しつつ その方法では世間の理解を得られないから 自分はあえて(世間の認知を得やすい)回りくどい方法を取っていると発言 さすが歴戦の活動家といった感じ
飯田氏の貧困問題の解決に対する提案は次のとおり
・人間はほっといても年2%程度生産効率がUPするので 成長しないと人がその分人が余ってしまう
・全員が2%づつ貧しくなるのではなく、特定の人(ロスジェネ)にしわ寄せ(貧困)が行っているのが現在の状態
・解決策は、年2%程度で穏やかに経済成長すること
・賃金に比例して支給額の増える「擬似ベーシックインカム」の導入 =政治時に受け入れやすい育児に対する給付から初めて徐々に最低所得手当的なものにする=>子供手当て?
・財源は社会保障費の配分見直し=>公共事業(事実上の社会保障費支給)を廃止 =仕分け?
※飯田氏は時々民主党の政策を連想させる発言をする…民主党の関係者?
※リフレ派の「経済成長で全て解決」という論理に対して、池田信夫は「経済成長はそんなに簡単なものじゃない」と反論 -
Posted by ブクログ
経済学者、貧困問題に取り組む人(湯浅誠氏)、格差を論じた人(赤木氏)との対談を通じて、「経済成長」が今の日本にどれだけ必要か?というのを論じた一冊。
資源の制約を完全にクリアしたならば、経済成長=右肩上がりというのは絶対的な解である、というのはこの本を読んで納得する部分である。
しかし現実世界では、資源はやはり有限なものではないかと思うので、ここでいくら経済成長こそ日本の特効薬ともてはやされても、それは実現してはいけない解のように思えた。
また、実質この本の主張のメインである飯田泰之氏が、やや上から目線的に対談を仕切って、さも「経済学は偉い」という印象を与えていることに不快感を感じなくもない。
経済学をいかに世の中で活かすかを考えると、この本のアプローチは至極まっとうなものなのだと思うが、今ある世界が求めているのは果たしてそれだろうか、という疑問が残った。 -
Posted by ブクログ
そこそこ面白い対談集。軸となっている飯田泰之氏の他の著書としては『ダメな議論』を読んだことがあるけど、こっちの方が氏の専門性が発揮されている感はある。
ただ、面白いと思った部分には付箋を貼っていく読書スタイルなんですが、気づいたら序盤の半分ぐらいに付箋が集中。公判が面白くない訳じゃないんだけど、ちょっと物足りないかな。
子どもが教育を受けられるという状況が、とても恵まれた贅沢なことであることは同感。そういう最低限を保障するために貧困をどう撲滅していくか。世界でこの問題に対処する時にはMDGsが掲げられるわけですが、本書で指摘されているとおり、日本国内の貧困に抗するためにも、日本版MDGsを作るべきというのは、面白い主張だと思います。
それなりに経済学の基礎知識がないと読みにくいので、その辺はちょっと評価を抑えました。 -
Posted by ブクログ
第1章はとても面白い。
毎年2%の経済成長というのは実にリーズナブルだ。
たしかに立ち止まるというのは衰退を意味するわけで、0%成長というのはありえない。とはいえ、もういちど高度成長を行うのは無意味なわけで、この成長率は現実的だ。
マクロは良く分からないが、会社経営の視点から見ても、成長期が終わって安定期に入った会社にとって、この程度で成長するのは、妥当なところだろう。
国も会社と同じと考えたときに、GDPは粗利だというのは、非常によく分かる。
粗利が毎年2%成長する。それは必要だし、それができなければ、いろいろと会社全体がきしみ始める。そしてそのきしみは、弱い部署や、新規事業や、生活共同体としての会社の居心地の良さといったものから影響してくる・・・
しかし、赤木智弘や湯浅誠との対談の第2章、第3章は余計だと思う。
面白くないことはないのだが、せっかくの第1章の切れ味のよさが、どこかに行ってしまっているように思う。
赤木智弘、湯浅誠という、いわば「業界の有名人」と対談したからこそ、本としての価値が出たわけで、飯田泰之さんのピンで、この本、という過去の企画が成り立ったかどうかは、いささか疑問はある。
私も手に取ったかどうか。
「赤木智弘や湯浅誠との対談がつまらないわけじゃない、むしろ面白のだけど、なんだろうこのもやもや感は・・・」と読みながら思っていたが、あとがきを読んで腑に落ちた。
著者が論壇を意識しているからだ。それが何だかもどかしいからだ。
「経済学はツールであり、ツールをどのように使うかは外部から与えられる。外部とは社会的合意のことであり、その形成過程に参与するために、論壇に加わる」
という理論である。ここまではいいんだが、
「しかるに論壇は、年寄りくさい、情緒的、非科学的、人文科学的インテリスノッブどもが占拠しており・・・」というようになるから、なにかいたたまれない。
それはそうかもしれないけど、努力や意識の向けどころが間違っている。
ミクロ的に言うと、マーケティング的見地や、戦略が足りないと思う。
素晴らしい著者だけに、それが残念。
へんな沼に足を取られていないで、もっと跳躍してほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
「実存の問題は政府や政策が手を突っ込むべき問題ではない。共同体や秩序に希望をたくす方向も同様である。」
経済問題に関する入門書のように見えるけれど、本の内容はといえば、何かと話題の若年層非正規雇用労働者に関するもの。「格差」ではなくて「貧困」を問題の中心にすえて、貧困を経済学の問題として捉えて、貧困を無くすための方向性を模索してみようというコンセプト。
頭のいい人たちの内輪話で、本の内容はあまり理解できなかったけど、貧困という問題に取り組む上では「生きづらさ」みたいな心の問題と向かい合う必要なないってこと。
貧困者の心の問題に対して、社会学や精神論からのアプローチを突き放することろが潔い。
貧困は単純に政策の間違いから生まれた問題で、心の問題を持ち出すまでもなく、経済学的解決策で対処できる問題である。
例えば生きづらいと思っている青年に、「仕事を通じて社会から承認を受ける」みたいな社会心理学的な話とか「自分を変えよう」とか励ますヒューマニスティックな啓発本は役立たずだということ。
弱いもの同士集って傷を舐めあいたい欲望にかられるけれど、そこは強がって我慢しよう -
Posted by ブクログ
● 年金というのは何をやっているのかというと、貧乏な若者から税金をとって、金持ちの年寄りに配っている。それよりも生活保護やベーシック・インカムで生活を保護し、それ以上の部分については、個々人が自分の判断で預貯金すればいい。
● ニート、フリーターに対して「自己責任」といっていいのは、景気がいいときだけです。需要がちゃんとあって、その状況でニート、フリーターだったら、僕は自己責任だと思う。けれども、いまは席が人数分ないわけですから、社会の問題です。
● 要するに、都会の金持ちと貧乏人からとって、田舎と都会の貧乏人にまき、貧乏な若者と金持ちの若者からとって、金持ちの年寄りと貧乏な年寄りに配っているので、65歳未満の不平等・貧困はまったく解決しないんです。