春木豊のレビュー一覧
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
一般的に考えられているのは、脳が考えた結果として心の動きや感情がうみだされる。しかし著者は逆だという。身体の動き(静止している身体ではない)が感情を生み出し、身体の動きが心の動きをつくりだすという。それを生物の進化史、各種心理実験から導きだしている。また、そのような視点が古来からあったことを言葉の使われ方(身に沁みてわかる、息を凝らすなど)をに指摘する。呼吸や歩行や住環境を整えれば心身のコントロールが可能というか、相互依存の関係である。
よく読みこめば面白いがいかんせん読みづらい。著者に限ったことではないが、大学教授は一般人への説明が上手ではないと感じる。 -
Posted by ブクログ
最近、ちょっと、頭でっかちになってきたのと、夏に体調をくずしたときに、気分が非常にめげたことを踏まえて、身体のメインテナンスに気をつけようと思っていた。
職場の本屋でこの新書がでていたので、なにげなく購入。
春木さんは、早稲田大学の文学部を退官された先生で、身体心理学を提唱している。
身体の調子が心にも影響するという主張で、日本人には常識だが、脳科学が進歩している精神医学などの分野では異端のよう。
反射でも意志でもできる反応(呼吸、表情、発生など)をレスペラント反応として、分析し、ご自分でも、ヨガ、太極拳、合気道など様々な方法を試して、心を正常に保つ方法を提案している -
-
Posted by ブクログ
心が体に影響を与え、体のコンディションが心の状態を左右する。
経験的にはわかることだが、これを研究するのが「身体心理学」であるという。
意志の関与の度合いから、行動を「オペラント反応」(意志的反応)、「レスポンデント反応」(生理的、反射的反応)、そして両方の性質を併せ持つ「レスペラント反応」と分類する。
スキナーの説だ。
こうして、呼吸、筋弛緩、表情、発声などの動きがどのように心に影響を与えるかを説明していく。
最終章には、心身統一をするボディワークが紹介されている。
なかなか実用的。
ここで引かれている研究や文献は、一番新しいもので二〇〇〇年代まで。
二〇一〇年代に入って出た本としては -
Posted by ブクログ
身体心理学の専門家が、“身体・動き”との関連の上で“心”を捉えようとする「身体心理学」の研究について説明したものである。
現代においては、“心”とは知と同じもので、脳のことがわかれば心のことはすべて解明できるという考え方(「唯脳主義」)が主流で、だからこそ脳科学にも注目が集まっているが、著者は「人間を心のみの存在とは考えない。身体があって心が成り立つと考える。しかもその身体とは、従来から無視されてきた身体の動き(行動)に焦点を当てるのである。・・・本書ではいままでの身体心理学の研究を明らかにすることで、脳一元主義が中心となっている現代において、身体の動き、感覚といったものが、私たちの気分や感情 -
Posted by ブクログ
ネタバレよく嬉しいから笑うのではなく、笑うから嬉しいのだ、つまり、感情より表情が先に来る、とか聞くことがある。本書はそれをもっともっと掘り下げて、ひとつひとつ検証した本。
まずは、もともとの動きとは何かから始まる。下等生物では動きはなんのためにあるのか、走性とか反射とか。それから中枢神経のある動物ではどうか、とか。で、じゃあ人間ではどうかとか。
次に、反射や不随意運動・随意運動と呼吸などの関係について記載する。呼吸は反射である側面もあるし、随意運動である側面もあって、これを制御することにより、動きからメンタルに影響をおよぼすことができる。
簡単に読めて、この分野のまるっと全体像がつかめる本。 -
Posted by ブクログ
行動心理学と東洋の心身一元論的な考えを併せたような、
たぶん独自の学問である「身体心理学」についての本。
このあいだ読んだ『行動分析学入門』にも出てきた言葉でしたが、
ちょっと本書ではニュアンスを異にしてはいるのですが、
オペラント反応、レスポンデント反応というのが本書の大きなキーワード。
オペラント反応というのは意志的な行動です。
道路に落ちているお金を拾おうと身体を動かしたなら、
それはオペラント反応。
レスポンデント反応というのは、反射的な行動です。
心臓の拍動のように意志ではどうにもコントロールできない動作が、
レスポンデント反応。
それで、この本で大事とされるのは、
オペラン -
-
-
-