安克昌のレビュー一覧
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阪神・淡路大震災から40年。
あれからも東日本大震災、能登半島地震など地震大国日本ではその他にも絶え間なく地震被害が。これからも無くなることはないだろう。
精神科医の著者は自らも被災しながら被災地内部から 避難所を訪問をし、こころのケアのネットワークの立ち上がりの一翼を担い、又、神戸大学病院の常勤医師として患者たちを診つづけた。
その一年間の経験を書き、それから得られた
“心の傷”とは?“心のケア”とは?ボランティの役割、コミュニティの再生などが書かれている。
とても貴重な資料であり感動的な作品。
これからも起こるであろう大地震に生かされることを願っています。
惜しむらくは著者は若くし -
Posted by ブクログ
阪神淡路大震災後直後、被災地で心のケアに向き合う精神科医の実録の話。今年、震災から30年という節目の年でもあり、能登半島の震災も記憶に新しいため購入しました。被災地では支援物資や医療などが優先で、カウンセリング活動は初めは煙たがられながれながらも、時間が経つにつれて徐々に心のケアが必要となる様子が丁寧に描かれています。
医療従事者や消防など、心の傷にを負いながらも救護活動しているお話や、もともと精神科にかかっていた方が、震災でどういう困難に立たされたのか、あらゆるケースからケアの必要性を紹介。とくに死別した方同士でしか癒せない傷のエピソードが印象的でした。
最終的には、人間は誰かの繋がりや -
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最後の後書きで泣いてしまった。文章からとても謙虚な人で、素直かつ誠実な人という印象を受けた。震災時におけるケアについても、今の考え方に大きく影響を与えてるってことを授業で聞いたことがあるし、凄く優秀な先生なんだろうな。そんな安先生の文章をもっと読みたいと思ったし、今も生きていたらもっともっと有名な先生になってたと思うととても悔しい。惜しい人を亡くした…
所々PTSDについて今と考え方が違う部分もあったけど、歴史的資料としてとても重要だと思う。改めて震災の恐ろしさについて理解できたし、政府がどう動くべきなのか自分で考えるきっかけにもなった。素晴らしい本です。 -
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阪神淡路大震災から30年。精神科に関わる人間として、読まなければならない本。今回、100分de名著を見、ドラマの再放送を見て、原作であるこの本を読んだ。30年前の本のため、用語が現在では使われていないもので、やや戸惑いながら読んだ。この本が震災直後から書き始められていることに驚嘆する。阪神淡路大震災の時に関東におり、高校3年生だった自分には、やはり遠い話であり、同じ受験生に対する気持ちはあったにしても、自分のことで精一杯だった。それが東日本大震災で自身が被災者となり、家族や友人に大きな被害はなかったものの医療者として震災を経験することになった。そして今、精神科看護に携わり、日々心の傷を癒すこと
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実際に被災した精神科医が、当事者及び医療者として、震災による人々の傷つき・コミュニティの傷つきへのケアについて記載した本。
震災含めた、これまでの日常や愛していたものを突然奪われた人たちに対して、専門的な言葉を使わずにどうケアしていけるか書いてあった。
震災以外でも傷つきを処理しきれない人が読むと、何か気づきがある本ではないかと感じた。
また本の内容に、全く古さを感じさせない。「夜と霧」と同じグループの良書だと感じた。(類似点:精神に関する専門的な知見を持つ人が、当事者性を持ち記載した本であること。綺麗事の理屈だけではなく、実際に現場で何が起きていたのか、ご自身はどう感じたのかが克明に記さ -
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NHK のドラマを機に本書の存在を知り読んでみました。良い意味で期待を裏切る作品。震災後の心のケアに関する名著間違いなし。
NHK のドラマに感動し原作を読みました。
作者の安克昌氏は2000年12月2日、肝細胞がんのため39歳で逝去。ドラマは筆者の生涯を描いていた。本書は筆者の遺した震災の貴重な記録。
期せずして被災者としてかつ救護者の身となった精神科医。日本ではさほど注目されていなかった惨事ストレスに関する初期研究で。被災者でなければ書けなかっただろう。
筆者の短かった生涯を知らずとも名著の部類に入るだろう作品。ドラマの感動とはまた違った感動がここにありました。 -
ネタバレ 購入済み
分かりやすく丁寧
ドラマを観てこの本を知った。震災当時子供で医学知識の全くない、私にも分かりやすくて非常に丁寧であっという間に読み終えた。安先生がどこまでも被災者の方や患者さんに寄り添い、優しい眼差しを向けておられたのが良く分かる。安先生が若くしてお亡くなりになったことが本当に残念でならない。
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Posted by ブクログ
約30年前に書かれた本です。この間に多くの災害がありましたので、「やはり足りないものがあったと思う。それは、災害心理学の知識と経験、それに全体を見通すパースペクティブであった。」という、著者の振り返りは、相当に充当されてきたことでしょう。
「子どもの行動や感情のうつろいやすさが、子どもの心的外傷を発見しにくくしている」
「〈心のケア〉が独立して活動するよりも、一般的な救援活動の中に〈心のケア〉を盛り込んでいくことがよい」
「ボランティアは、当事者か、第三者か、という対立に「当事者を理解しようとする第三者」という新たな次元をもち込んだ。ボランティアの役割は「存在すること」であるという中井久夫氏 -
Posted by ブクログ
被災とは、建物の下敷きになることだけではない。生き残ってからがスタートなのである。
生き埋めになった人を助けられなかった自責の念に駆られ続けること。倒壊した建物を見てはその下でゆっくりと死を迎えている人がいるかもしれないと考えること。大切な人を失った悲しみに耐えながら生きること。プライバシーがなく住環境が整わない避難所で隣人と折り合いをつけながら生活すること。一切の娯楽がないまま一秒一秒時が過ぎるのをじっと待ちながら生きること。地震が起こる前と後の景色を重ねて地震がなかった未来を思いその度に絶望しながら生きていくこと。地震が起きる前に戻りたい、という叶わない願いを抱き続けること。あのときこう