齋藤慎一のレビュー一覧

  • 戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一

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    中央で「小牧・長久手の戦い」が繰り広げられていたのと並行して、北条氏と佐竹・宇都宮連合軍が激突した「沼尻の合戦」にはじめて焦点を当てた本。新書ながら、史料を丁寧に読み込み客観的かつ論理的に史実を再現している。「沼尻の合戦」を「小牧・長久手の戦い」の一部と位置付けた論考は見事であり、唸るしかない。

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    2015年08月29日
  • 中世を道から読む

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    中世の書状の中によく書かれている「路地不自由」の意味を、他の文献や明らかになっている史実などの証拠に基づいて、状況ごとに丁寧に説明している本。実在する多種多様な古文書を例題として、自然地形による制約、天候による制約、政治状況による制約を区別して論じており、とても分かりやすい。また、中世の鎌倉街道の盛衰と変遷を例にとり、「古道といえども時代によって付け変わる」という当たり前のことを理路整然と説明している点も面白い。

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    2015年06月28日
  • 中世を道から読む

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    Lv【初心者】~【中級者】鎌倉・室町東国・戦国を知ってるとなお面白い!

    初っ端から俺様の孫・息子・そして家宰の「通路不自由」の言い訳が乱舞する面白構成!
    っていうかお前ら言い訳しすぎだろ!www

    鎌倉・室町・戦国時代の例が巧みにクロスオーバーする。
    後北条氏や上杉謙信もよく登場するな。

    そして!新田義貞が進軍した鎌倉街道上道は、実は戦国時代には寂れてしまっていた!という衝撃の事実。
    原因は……鎌倉府が崩壊、政治の中心が、古河、五十子、そして鉢形城に移ったから。
    そう、俺様たちの享徳の乱や長享の乱のせいなんだよな、というのが良く解るエキサイティングな一冊だ!

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    2014年04月03日
  • 江戸―平安時代から家康の建設へ

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    中世から近世にかけての江戸が大都市へと発展していく変遷を追う一冊。家康入城以前の江戸、徳川時代における普請過程の詳細、中世からの断絶と継承の諸相など興味深い論点が多かった。城郭研究を知る取っ掛かりにもなる内容だと思う。

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    2023年08月07日
  • 江戸―平安時代から家康の建設へ

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    あれ?この本、先日読んだ「中世を道から読む」と同じ作者か。道理で同じようなことを書いている箇所があったわけだ。
    それはともかくとして、この本では江戸というか江戸城の江戸時代以前の歴史を見ていくものです。江戸城って、今の本丸と東近美あたりにしかなかったのかとか、その江戸城と吹上を通過する街道があったとか、江戸城本丸の中に元々は複数の曲輪があったとか、今となっては江戸時代の土地改良ですっかり痕跡も無くなった話が続きます。今となっては全くその当時を想像できないのです。

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    2022年03月04日
  • 中世を道から読む

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    中世の道路交通について、その困難さを文献から迫ってます。中世は地図が無い、あちらこちらでドンパチやってる、川は氾濫する、雪が降れば通れないし溶ければ川が暴れると、今みたいに気楽に出かけられる状況では無かったようで。特に川は、今はダムで水量を減らしているので渡れそうに見える川も当時は雨が降れば大暴れだったのだから、川幅が広すぎたりするとわたることが難しかったのですね。
    話は中世から飛びますが、江戸時代に川に橋を架けなかったのも、暴れ川に橋を架けるのが大変だったのものあるかも。

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    2022年03月02日
  • 戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一

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    後北条氏について興味ある方、知りたい方ははずせないでしょうね。
    私もこれを読んでなるほどなということがいくつかありました。
    もっと後北条氏の評価を高めてもらいたいものです。
    氏政・氏直も良い政治をしていたのですから。

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    2011年07月09日
  • 戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一

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    北条が滅んで、島津が滅ぼなかったのは、「北条の夢」に固執したか否かの違いではないかと感じた

    "西のいいなりになるものか"という坂東の意地なのかな?

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    2023年01月03日
  • 戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一

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    信長の関東進出から、秀吉の北条征伐までの経緯を記述したもので、北条征伐が始まって小田原開城までは一切言及しないところは特徴的。北条の東国制覇という夢が膨らみ滅んでいく道程は、その後から俯瞰すると中央の情勢を甘くみたというように見えるが、北条は、信長に平伏し、婚姻同盟により、東国で命脈を保とうとはしたが、信長の横死を受けて、一気に牙をむき、巨大化する秀吉との敵対関係を意識しながら、家康と結び、なおも北条の夢を実現しようとした。家康が秀吉に臣従した後も、帰順を求める秀吉への態度は緩慢で、北条氏規が上洛し、秀吉に一度は赦免されたあと、秀吉からの氏政氏直親子の上洛要請を拒否するまでもなく、時間を費やし

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    2022年10月05日
  • 戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一

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    後北条氏。

    といえば、初代伊勢宗瑞、2代氏綱、3代氏康がその最盛期で、4代氏政、5代氏直は能力が劣り、その勢力を衰えさせるというのが、私の認識。

    しかし、この著作では氏政、氏直親子が試行錯誤しながら、「北条の夢」を追い、豊臣の天下に抗った。

    その姿は凡庸ではなく、非凡。

    その認識を変えることになった。

    後北条氏の著作は多々あるため、その著作を通して、知識のアップデートを行なっていきたい。

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    2021年09月28日
  • 中世を道から読む

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    <目次>
    はじめに
    第1章  路次不自由
    第2章  川を渡り、峠を越える
    第3章  道は誰のものか
    第4章  すべての道は鎌倉に通ず?

    <内容>
    歴史も視点を変えると違って見えることを証明した本。単純に行きたくないので上杉謙信や北条氏政が手紙でごまかしたのではなく、利根川の渡渉は中世においてはかなり難儀なもので、特に雪解けの時期は難しかったこと。中世後期(享徳の乱以降)の関東は、北関東が政治の中心になったこともあり、道が変わった(具体的に言うと鎌倉時代からの「かまくら道」(鎌倉街道)が機能しなくなっていたことがわかる(鉢形城の研究などから証明される)。なかなか面白かった。

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    2017年07月25日
  • 戦国時代の終焉 「北条の夢」と秀吉の天下統一

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    本能寺の変から小田原征伐にいたるまでの北条氏の政治的軍事的戦略過程。思っていたよりも中央に対する意識がしっかりとしていて意外だった。
    北条氏の拡大による存亡の危機を迎えた中で、北関東の諸勢力の生存をかけた必死の外交は涙ぐましいかぎり。。

    小田原征伐での滅亡へは決して一本道では無く、滅亡回避への現実的な可能性もあったようだが、関東制覇という北条氏の夢、その夢に片手をかけるまでに至ったことが結局は滅亡への扉を開けることになった。

    これを読むまでの印象では、
    氏政は氏康とくらべ器量の小さい、短慮で、その驕りから秀吉を不当に見下し、時勢を読めず国を滅ぼした・・・、氏直にいたってはまったく影の薄い名

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    2013年07月05日
  • 中世を道から読む

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    [ 内容 ]
    積雪、河川の増水、険峻な峠…。
    交通を制する者だけが乱世の勝者となる!

    [ 目次 ]
    第1章 路次不自由(古文書は語る;戦国人の時空間;政治・軍事・自然)
    第2章 川を渡り、峠を越える(越すに越されぬ利根の流れよ;舟橋を架ける;峠の鬼、そして地蔵)
    第3章 道は誰のものか(越境可能な存在;通行を左右するもの;道路を管理する人びと)
    第4章 すべての道は鎌倉に通ず?(メインルートは上道;河川交通と陸上交通の結びつき;鎌倉の地位低下、江戸の台頭)

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    2010年12月17日