木村泰司のレビュー一覧
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最近ビジネス書や自己啓発本を読む事が多く、内容もマンネリ化してきたため、毛色を変えて美術史に目を向けてみた。個人的に世界遺産が好きで資格も持っているが、美術に目を向けた事がなかったので本書を手にした。
[before]
特に美術に関しての知識や教養はなく、有名な人しか知らない上に、作品の背景についての知識も皆無であった。
[要約]
本書は、紀元前から現代までの社会の変化、文化、価値観、市民の変化を美術という観点で辿ってゆく。アルカイック、クラシック、ヘレニズムから始まり、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、フランス古典主義、ロココ、新古典主義、印象派と言うように各美術史の歴史の変遷 -
Posted by ブクログ
ネタバレ欧米人にとって美術は感じるものではなく読むもの、というのは自分にとっては新鮮な視座で、発見と気付きの多い一冊でした。
これまで、世界史を勉強しているとちょいちょいコラム的に差し挟まれる文化史としてしか「美術史」を勉強する機会はなかったなぁ。
「美術史」という一教科として日本の教育の中で定着して欲しいと思いました。
(と言う意味で、本のタイトルが、中身に対してあまり適切でないと個人的には感じました…)
以下、印象的だったところ。
・「日本人は、どうしても美術を見るときに『感性』という言葉を口にしがちですが、美術を知ることは、その国の歴史や文化、価値観を学ぶことでもあるのです。」(p.3)
・プ -
Posted by ブクログ
2019年11月に日本で公開される英仏米合作映画『ゴッホ 永遠の門』を視聴する前提知識として読むことにした。
印象派の登場で大きく動いた西洋美術が20世紀に歩を進めるまでの道程を、特に後期印象派、ゴッホとゴーギャンを中心に紹介してゆく本。西洋美術史は大学時に一コマ受講していたが、大分忘れていたので助かった。
また、この本は美術史における技術的な面を解説する一方で、ゴッホとゴーギャンの人生そのものにも焦点を当てている。彼らが当時のフランス社会・フランス美術界にどう影響され、またどう影響を及ぼしたのかを、彼らの人生を基に紐解いてゆく記述はとても面白かった。
尾崎放哉然り太宰治然り、波乱万 -
Posted by ブクログ
子供の頃、たまに美術館に連れて行かれてまったく楽しくない記憶しかなかったのだが、自分も親の年齢に近づいてきて、何となく興味が出てきた所に、本屋でお勧め書籍として平積みされてたので、手にとってみたら、カラーで絵画の紹介がされていたので買ってしまった。過去に読んだ、『まなざしのレッスン』は、内容は良かったんだけど絵画が白黒で物足りなかった記憶があっただけに。
本書は、題名に「ビジネスエリート」とか、付けなくても良くね?って思う。売れる為のワーディングなんですかねぇ。確かに、美術の専門系の方達からすると当たり前の事が書かれているんだろうから、絵画について何も知らないし興味もそんなにないけど沢山存 -
Posted by ブクログ
序章に、【「赤の他人の肖像画なんかを観て、何が楽しいんだろう」と感じる方もいることでしょう】とあります。まったくそう思っていた私ですが、この本を読んで、描かれた人の物語を知った今、肖像画を見る目が変わりそうです。
ヨーロッパの宮廷で行われてきた政略結婚、権謀術数、その背後にある愛とロマンなど、今でもお偉方の世界では行われてる駆け引きにも似た物語の数々、面白く読めました。
15人の女性が取り上げられていますが、麗しいポーズの裏で、野心に燃えていたり、運命に翻弄されたり、ジェットコースターのような人生を送っていた彼女たち。人生いろいろですねぇ。
新書だけども、絵の写真は良かったです。簡単なも -
Posted by ブクログ
アン・ブーリン、エリザベス1世、メアリー・スチュアートや
ポンパドゥール夫人、マリー・アントワネットなど
中世、近世の13人の有名な女性。
彼女たち自身の肖像画と、
彼女たちの人生に深くかかわった人たちの肖像画が
カラーで紹介されます。
さらに、写実性は写真に譲り、美しいだけの肖像画を描いた
ヴィンター・ハルターが描いた貴婦人を紹介し、
最後に、写真で現代の女性、
ジャクリーン・ケネディ・オナシスのポートレートを紹介。
やっぱり絵は面白い。
肖像画に残された女性たちの人生も、それぞれに波乱万丈で興味深い。
個人的に、一番面白かったのは、エリザベス1世。
13歳のときに質素なドレスを着