ワイルドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
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275P
オスカーワイルド
オスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド。アイルランド出身の詩人、作家、劇作家。耽美的・退廃的・懐疑的だった19世紀末文学の旗手のように語られる。多彩な文筆活動を行ったが、男色を咎められて収監され、出獄後、失意から回復しないままに没した。
幸福な王子/柘榴の家 (光文社古典新訳文庫)
by ワイルド、小尾 芙佐
だれだって耳に快いことをいって相手をよろこばせたり、お世辞をいったりすることはできるがね、真の友というものは、ずけずけと不愉快なことをいって、相手に苦痛をあたえようが気にしないものだ。いやいや、ほんとうに真の友ならば、すすんでそう -
Posted by ブクログ
むぎゅん
はい、オスカー・ワイルド2冊目は怪談多めの短編集『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』
また、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家エイダの佳作も収録
特に表題作『カンタヴィルの幽霊』はかなりの傑作
ほんとワイルドってひねくれ者やなー
「童話集」は悲しい死で終わるのに「怪談話」はハッピーエンドかい!っていうね
はいはい、そして翻訳の方ね
これがもうびっくりするくらい見事にぜんぜん違う
まずもうルビが多いのよね
つまり小尾芙佐さんに比べて南條竹則さんの方が圧倒的に難しい漢字を多用してるんよね
「童話」と「怪談」っていう物語性の違いだけではないと思われるほど圧倒的
それに小尾芙佐 -
Posted by ブクログ
光文社古典新訳文庫です
今回のレビューは長いよ!
はい、以前から私、海外文学を読む時に翻訳者の方に注目してみるのも読書の楽しさのひとつになるのでは?ということをのたまっていたわけです
で、今回”あの”オスカー・ワイルドを読むぞ!と思い立ち、いつもお世話になっている光文社古典新訳文庫さんを調べてみたところオスカー・ワイルドは四作品ラインナップされていたんですが、これがなんと全て翻訳者さんが違うんですよ!
普通、各出版社さんで海外の作品を刊行する時は一人の作家さんに対して一人の翻訳者さん
多くても二人ってところなんですね
それが、四作品全て違うってこれ相当珍しいことなんです
そこにはもち -
Posted by ブクログ
何で読んだだらうか。スフィンクスの話のあらすじを読んで心惹かれたことを覚えてゐる。
あらすじでは謎こそスフィンクスといふことだつたが、それはかなり大雑把すぎるあらすじだらう。さういふ話があつたらしいとしめくくつてゐるところに謎があるのではないか。あくまで、この話は伝聞でしかない。謎の内容ではなく、謎を問いかける存在そのものこそが謎。スフィンクスの異国的な姿かたちとあひまつて、謎はひとを魅了する。現存するエジプトのスフィンクス像のその先にある謎。
カンタヴィルの幽霊は、喜劇的な物語の中に、皮肉と哀愁、そして浄化を含んでをり、単なるコメディではない、印象的な物語。劇で上演されたならかなり舞台映えす -
Posted by ブクログ
ワイルドの小説はワイルドらしい道徳的説話集になりそうでならないところをうまく語る短編になっている。「カンタヴィルの幽霊」については、一般的に幽霊より人間の方が強く人間が脅かされるだけだが、この幽霊はかなり弱い。この着眼点は面白い。「スフィンクス」は流麗な詩といったところ。このような詩も書けることがワイルドの教養の深さでもあると思う。
後半のエイダ・レヴァーソンはなかなか辛かった。ワイルドの友人・同時代人ということで「回想」では同時代人ならではの事象に言及されているが、個人的にはそこまで興味が持てず、私自身がそこまで細かい話に興味がないということなんだと思う。