飯野友幸のレビュー一覧

  • おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)
    自由の中にある規則性がある程度わかりやすく,情景が見えやすい。アメリカは何をもって独立したのか,本書の自由なスタイルから読み取れる気もする。

    抄訳+原文という形式は,ホイットマンに入門するにはちょうど良いだろう。
  • ビリー・バッド
    メルヴィル 「 ビリーバッド 」著者の遺作 中編小説

    キリスト教道徳の寓話にも読めるし、共同体の中で 秩序と苦悩を描いた小説にも読める。著者の人生の総決算としての思想哲学 にも感じる。

    著者が描きたかったのは 多様で複雑で曖昧な現実の世界。そんな世界で どのように秩序を守るのかを 伝えたかった ...続きを読む
  • ビリー・バッド
    程よい長さの作品でメルヴィルっぽさもあり読む価値のある作家であることが伺える作品。最初に「白鯨」を手にして挫折する前にこの作品でメルヴィルに慣れておくのも悪く無いと思う。たしかに脱線はよくするし衒学的なところもある。それでも、読むに値する内容が伴っている。なので、読み通す価値は十分にあるように思う。...続きを読む
  • おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)
    【本の内容】


    [ 目次 ]
    自己なるものをおれは歌う
    おれにはアメリカの歌声が聴こえる
    おれ自身の歌(抄)
    おれは電熱の肉体を歌う(抄)
    おれはルイジアナで一本の樫の木が生えているのを見た
    オープンロードの歌(抄)
    揺れやまぬゆりかごから
    鷹の睦みあい
    農家の図
    ランナー
    浅瀬をわたる騎兵隊
    ...続きを読む
  • おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)
    草の葉は壮大なものなので、抄訳ですが、
    それでもその世界観を存分に味わえるはずです。

    100年以上前、
    いまよりも自由ではなかった時代に
    このような力強い詩を書いている人がいた、
    ということに驚かされました。

    おれには~という言葉でつづられる
    あつい言葉たち。
    それは、今読んでも衰えるものではな...続きを読む
  • ビリー・バッド
    白鯨を読む前に一度著者の雰囲気を知っておきたかったので、手短に読めるこの本を一読。何とも言えない終わり方だが、これが作家の雰囲気らしい。物語としては秀逸。白鯨を読むかどうかは暫くおいておこう。
  • おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)
    生に対して肯定的で大声で読みたくなるような詩集。
    自己主張が強すぎるし楽観的すぎるかもしれないけれど好きだ。
    特に好きなのは、恋人を植物にたとえて思い出すところ。
    すがすがしくて色っぽい。
  • ビリー・バッド
    國分功一郎の『中動態の世界』において、中動態の概念の事例として用いられていたことから興味を覚えた。中動態~の中であらすじは語られてしまっていたので、淡々と読み進めた感じだったが、國分の主張と含めて、人間の意志と決断、そして責任についてあたらためて考えるようになった。なにげにメルヴィルは初めてだったの...続きを読む
  • おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)
    なんとなく、なんとなくだけどニーチェのツァラトゥストラを思い出した。翻訳のべらぼう口調からくるものはかなりあると思うけど、精神よりも肉体を、歴史よりも現在を、伝統よりも命を重んじる思想はニーチェと通じるでしょう。ホイットマンの詩作のうちで取り上げられているものはかなり限られており、さらに全体のうちの...続きを読む
  • おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)
    なぜ彼は詩のみならず文学の、文化の、そしてアメリカの「父」と呼ばれるのか。

    答えは彼自身が教えてくれる。その奔放な「言葉」によって。


    “Divine am I inside and out, and I make holy whatever I touch or am touch’d from...続きを読む
  • ビリー・バッド
    匂い系ときいたのでさらっと。ワンコ誘い受。本橋馨子によるマンガ化がいいと思います!船室にワセリンとか、さりげに置いてほしい。
  • おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄)
    去年英語文学の授業で取り上げられていたのを思い出し、挑戦。
    タイトル通りマッチョな言葉の連続かと思いきや、時折とても繊細な詩にめぐり合う。
    おそらく、作者は本当は心優しきガキ大将、ジャイアンのような人柄だったのだろう。