ベネディクトのレビュー一覧

  • 菊と刀

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    今なお「日本人論」の決定版といえる古典的名著。実は大学時代にゼミの教授から「絶対に読んでおきなさい」と言われ、「はい」と答えて放置すること20年。ようやく義理を果たせました。
    そう。本書はこの「義理」が大きなテーマです。日本では、義理を果たすことを促す力が強力に働いています。義理を果たさないでいると、妙にそわそわすることがありますね。それはどうやら私たち日本人に特有の性向らしいです。
    60年以上も前に著された本書ですが、今もなお売れ続けるのは、やはり時代を超えた洞察力でしょう。今も色あせない、というより、今こそ耳を傾けるべき示唆に富んでいます。
    たとえば―。
    「アメリカの生活の仕組みにおいては

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    2014年07月17日
  • 菊と刀

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    著者の主張は日本人は恩と恥を最大の行動規範としている。
    恥を知る。恥知らず。恩を忘れない。恩に報いる。恩を仇で返す。恩知らず。
    確かに西洋人には理解できない日本人の特性なのかもしれない。
    恥を重視するのは、日本人が自己主張が苦手であったり、同調圧力が強かったりする負の側面や、逆に協調性が高く秩序を保つと言う正の側面をうまく説明できる。

    ただアメリカ人から見た日本人の持つ二面性や矛盾、例えば従順であり攻撃的である、礼儀正しい反面尊大な態度を取るなどを、子どもの頃のしつけに起因すると断定しているのは全く理解できなかった。

    結論、この本の内容には同意する事ができないところが多いが、アメリカ人が日

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    2025年02月11日
  • 菊と刀

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    「アメリカ合衆国が全面的な戦争においてこれまで戦った的の中で、日本人ほど不可解な国民はなかった」の出だしは嬉しく思う。

    1944年、日本研究を委託された文化人類学者による日本考察記。若い頃読んだことあったが、殆ど覚えていなかったので再読。

    ・精神は物質的環境を制す
    ・恩返し(家長、姑問題)

    等古き良き日本の特徴が書かれているが、現代とはだいぶ乖離もあるなと少し寂しくも思う。

    義務と義理のところでは考えさせられる。私は個人的な意思を貫くことを美としているのか、個人の幸福にこだわることなく、おのれの義務を果たす事に重きをおいているのか。

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    2024年05月10日
  • 菊と刀

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    長い。流し読みで気になったところだけ記録。

    多くの東洋人と異なって日本人は、文を綴ることによって自分自身をさらけ出そうとする強い衝動をそなえている。

    人間は日常生活の中で行動を学習する──。ある人の行動や意見がどれほど異様に見えようと、当人の感じ方や考え方は、経験してきたことと一定の関係を持っているのである。

    「世界はひとつ」を唱道する善意の人々は、世界中の人々を自分たちの見方で染めることに期待をかけてきた。(八紘一宇)

    日本は戦争の大義をほかの観点から見ていた。つまり、各国が絶対的な主権を持っている限り、世界の無秩序は一掃されない。日本は国際的な上下関係を確立するために戦う必要がある

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    2024年04月25日
  • 菊と刀

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    冒頭、異なる文化の人間を理解することは難しい、分析も難しい、真に理解し合うことは困難だ、という言い訳が長々と続く。

    次からは日本人に対する分析が始まる。
    内容については賛否あると思う。
    よく言われる恥の文化というのはピンと来ない。

    著者は日本で取材せずにこの本を書いたと聞く。
    今で言うコタツ記事。

    何かと言うと引き合いに出される本だが、日本人が気にするべき内容ではないのでは?外国人が日本を知ろうとして読むのは自由だが…

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    2023年10月23日
  • 菊と刀

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    途中話がバラバラしている感じがしたが、最後まで読んだら話の道筋を理解することができた。日本社会のこともアメリカ社会のことも賛美することなく、倫理感覚の違いによるそれぞれの社会構造を説明している。読んでよかった。

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    2023年05月20日
  • 菊と刀

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    とても興味深かった。
    タイトルの『菊と刀』のことを、何となく皇室と武家?みたいな感じにとらえていたので、本文読み始めてびっくりした。私が単に常識知らずなのかもしれないけど思い込みってこういうことあるよな〜としみじみ。
    ベネディクトが日本人論を著す必要に迫られた時代と現代とではずいぶん日本人も変わっていると思うし、色々と指摘されているとおり誤解や誤りも多々ある。また、ベネディクトの視点には、偏見をなるべく取り除こうという意識も感じられるけれど(レンズの下りなど……)、やはりアメリカについて語るとき「そのレンズは少し曇っていないか?」と思ってしまうところ(建国以来平等が人権の基盤とは?南北戦争のあ

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    2022年08月13日
  • 菊と刀

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    全編通して、日本に対する外からの視点で語られているのは非常に面白かった。そのような特性から、これまで意識することのなかった日本の特性に気づけた。
    一方で、刊行された時代と現在に隔たりがあることやフィールドワークなくして行われた研究であることなどから、誤りや現代にそぐわない内容も多く、歴史の勉強にはなっても現在の分析にはなり得ない箇所も当然散見された。
    それでも、戦時中の慣行から、当時ほど過激ではないとはいえ、現代の日本にも通底する要素が見られた。それは例えば、精神論であったり、階級制度の絶対視であったり、恥の文化であったり、応分の場を弁えることであったりする。
    「精神はどんな物理的なものにも勝

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    2021年04月14日
  • 菊と刀

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    山口周さんの本の中に出てきた「欧米人の罪の文化に対して、日本人は恥の文化」というのが気になって読んでみました!

    第二次世界大戦中に米国戦時情報局の依頼を受けた文化人類学者が、日本の気質や行動の研究・考察をまとめた本。いまだにベストセラーってすごい

    日本の外からだからこその着眼点とか、逆にちょっとずれた解釈とか、どちらにしてもいちいち詳細で深掘りしてあってびっくりする。戦時中だから日本に調査に行くこともできない中、どうしたらこんなに鮮やかに描き出せるんだろう…!
    同じ日本人でも時代がかなり変わっているし、恩とか忠とかの話は途中から難しくてついていけないところも多々あったけど、外国から見た日本

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    2021年04月04日
  • 菊と刀

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    よくぞここまで研究したもんだと感心した。
    が、研究結果と論文の出来は別物で前述で完結したものとばかり思っていた言葉が二度も三度も繰り返して別の例でくどくど蒸し返すのでテンポの悪さが目立つ。
    日本人特有の特徴をうまく表現しているだけに例えば忠臣蔵のくだりなど、どこまで論文から離れて忠臣蔵の詳細を延々と書くのだろうと胸焼け気味。
    最後の菊と刀はタイトルにするがためのこじつけたかのような印象を受けるが日本好きな外国人らしいかなと目を瞑ることにして星3つ

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    2019年06月14日