勝目梓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書き下ろし作品
LGBTの人々がやっと市民権を得られる時代になってきたので、そうでなはかった昭和後半期の性的「異端者」の姿を描いたのだろう。
戦争未亡人の母に育てられた誠一郎は、高校生の時の母子相姦の罪悪感のために、大学進学で家を出てからは、ボクシング部で己の肉体をいじめ、女性を遠ざけようとした。
男性同性愛者の後輩から告白されて一時同性愛に傾倒するが、女性同性愛者の綾部蘭子と出会って、罪悪感で心を閉ざしてきた者どうしゆえに、互いに性的変態者であるという強烈な自覚をさらけ出して、唯一心とからだを開き合う奇妙な交友関係をずっと続けることになる。
誠一郎は出版社に勤め、エロ雑誌の編集をした時に読 -
Posted by ブクログ
うーーん。
苦しい。
読んでいて苦しくなる。胸が重くなる。気持ちが沈みこむ。
大切な家族を理不尽な暴力で奪われたとき、自分が幾つであるかなど関係ない。
目の前の怒りに、憎しみに、拳をあげて相手に復讐をする話。
「正しいこと」「正しくないこと」で括ることなんてできないことを感じながら
読み進めた。
甘さが欠片もないストーリー。
希望の芽を徹底的に潰し、理不尽な暴力を更に冷徹に際立たせることで
読み手の心情は主人公の怒りに共鳴する。
その怒りは大きなうねりとなって相手に向かうのだけど・・・
なんとも言えないやるせなさしか残らない。
著者の意図した通りなんだとは思う。
人に勧めたいかどうか