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本作品に登場する男たちに「老後」という言葉はない。愛する者を不条理に奪われた彼らは、老いた自身を顧みることなく、敵に立ち向かってゆく。ある者は素手で、ある者はハンマー一本で、そしてある者は使い慣れた鎌で──。復讐譚を多く手がけた著者が贈る息をのむ七篇。復讐バイオレンスの新たな金字塔がここに誕生した!
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Posted by ブクログ
勝目梓『牙は折れず』徳間文庫。 復讐をテーマにした7編から成るハード・バイオレンス短編集。7編に登場する主人公の男たちは皆、高齢者であるのが面白い。年老いた男たちを復讐に駆り立てる原動力は怒りだ。愛するものを奪われた男たち或いは愛するものを守らんとする男たちが、思いもよらぬ力を発揮し、見事復讐を果...続きを読むして見せる…何とも爽快だ。 昔、読んだ北方謙三のハードボイルドにも掌底を身に付けた老人を主人公にした作品があったことを思い出した。 『埋葬』『骨』『担保』『侵入者』『血の肖像』『捨て身』『片割れ心中』を収録。
うーーん。 苦しい。 読んでいて苦しくなる。胸が重くなる。気持ちが沈みこむ。 大切な家族を理不尽な暴力で奪われたとき、自分が幾つであるかなど関係ない。 目の前の怒りに、憎しみに、拳をあげて相手に復讐をする話。 「正しいこと」「正しくないこと」で括ることなんてできないことを感じながら 読み進めた。...続きを読む 甘さが欠片もないストーリー。 希望の芽を徹底的に潰し、理不尽な暴力を更に冷徹に際立たせることで 読み手の心情は主人公の怒りに共鳴する。 その怒りは大きなうねりとなって相手に向かうのだけど・・・ なんとも言えないやるせなさしか残らない。 著者の意図した通りなんだとは思う。 人に勧めたいかどうかで考えると ご自身の判断でどうぞ・・・というところ。
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