目崎徳衛のレビュー一覧

  • 百人一首の作者たち

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    百人一首が面白いのか、平安朝が面白いのか。
    平安朝400年を五七五七七×100で綴った王朝絵巻。いやはや、なんてお洒落なんだろう。こんな文学が他にあるか?知れば知るほど感嘆する。

    歌の解説より歌人の人となりに興味があったので、本書はまさしく目的に合致した。
    よくあるように一首ずつ順番に並べていくのではなく、万葉歌人、女人歌人など、特色で分類して縦横無尽に解説している点も良かった。

    それにしても、歌どころか他の古典からの引用にもまったく現代語訳や説明がなく進むのは面食らう。
    読み終わって気付いたが、昭和58年の発行とは。それが文庫版として気軽に読めるようになってるのはありがたい。

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    2025年03月25日
  • 百人一首の作者たち

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    歌人たちを、政治的には敗北した天皇、没落した古代の名門氏族、本流から外れた藤原氏の公達、
    宮廷に仕えた機知に富む女房、独自の風流を確立した僧侶などに分類した上で、
    個々の人間関係や史実・逸話を通して、歌の背後にあるその生き生きとした姿を描いていく。

    冒頭が名文であることは認めつつ、仮名序の六歌仙評価や和歌の歴史の記述は、
    真名序に比べて錯誤があり杜撰なことの指摘や、
    『天皇は終始マツル人であって、マツラレル神ではなかった』『君臣の間を流れる豊かな人間的親近感』
    といった平安貴族の歴史観や天皇観を解いていく部分なども興味深い。

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    2011年02月08日
  • 平安王朝

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     本書は「日本歴史全集」の一冊として、8世紀末から10世紀末のおよそ200年間、いわゆる"平安時代"前半を対象範囲としている。
     50年以上前に書かれた一般読者向けの概説書であるので、研究の進展により今では異なる論が通説になっているような叙述も散見されるが(例えば"薬子の変"の主役は誰かなど)、著者の筆にかかると、この時代の有り様が鮮明に浮かび上がってくる。

     それは、政治を動かす天皇や貴族層、また文化人や宗教人、時代後半に登場してくる武士など、この時代を代表する人物たちについての著者の思いや評価が、簡潔な叙述の中にも窺われ、歴史を生きた人間の営みとし

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    2021年11月14日
  • 百人一首の作者たち

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    学のない私には難しすぎる。私にはエッセイ風な百人一首の本があっているのだと感じた。
    でも、興味を持った歌や作者について詳しく知ろうと、そこだけをピンポイントで抜粋して読むと知識が広がりなかなか面白い。

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    2015年12月27日