作品一覧

  • 平安王朝
    値引きあり
    3.0
    1巻924円 (税込)
    ■桓武天皇による平安遷都から摂関政治前夜まで、■ ■明と暗が交錯する歴史を名手が生き生きと描く!■ 貴族たちの豊かな古典文化に彩られた九~十世紀、しかしその繁栄の底流では律令体制の解体が静かに進行し、中央は全国統治の力を失いつつあった。 平安遷都から摂関政治前夜まで、古代国家の崩壊と封建社会の誕生のあいだの長い転換期を政治・社会・文化から多面的に捉え、 表舞台で脚光を浴びる者のみならず、闘争に敗れ表舞台から去っていった人々の姿にも目を配りながら、光と影が交錯する歴史像を描く、無二の論考。 ■ゆるやかに時は移り、世は変わる。―本書より■ 「社会の根本的な変化は、奥底の流れとしてきわめてひそかに、しかもおだやかに進んでいた。したがって、地方や被支配層の発展あるいは国家体制の転換をはっきりと具体的に示す史料は極端に少ない。このもどかしいまでに悠長で不透明な移り変わりこそ、この時代の特徴である」【「まえがき」より】 解説=佐藤全敏(東京女子大学教授) *本書の原本は、一九六九年刊「日本歴史全集」第四巻を元に改訂された「日本の歴史文庫」第四巻として、1975年に刊行されました。 ■本書の内容■ 第一章 律令体制崩壊の端緒 1 平安時代の前奏曲 2 桓武朝の権力と政治姿勢 3 律令体制の矛盾 4 長岡京の暗い影 6 桓武朝の蝦夷征討 第二章 宮廷と詩文と密教と 1 平城朝の悪戦苦闘 2 「平安的なもの」の発展 3 花開く唐風の詩文 4 巨人、最澄と空海 5 渡海僧と仏教の貴族化 第三章 良房・基経の時代 1 承知の変と良房の権力把握 2 反抗者と疎外者 3 基経の天皇廃立 4 律令政治の衰退 5 地方勢力の胎動 第四章 寛平・延喜の治 1 「寛平の治」とその挫折 2 菅原道真の運命 3 延喜の荘園整理令 4 「古今和歌集」なる 5 延喜の太平とその暗転 第五章 承平・天慶の乱と「天暦の治」 1 武者の起こり 2 平氏一族のあらそい 3 東西二つの謀反 4 将門・純友の末路 5 藤原氏と後宮 6 「天暦の治」の内幕 7 退廃の栄え 8 藤原氏の時代へ
  • 百人一首の作者たち
    3.7
    1巻836円 (税込)
    王朝時代を彩る百人百様の作者たち。親子・恋人・ライバル・師弟などが交差する人間模様を、史実や説話をもとに丹念に解きほぐす。歌だけでは窺い知れない作者の心に触れ、王朝文化の魅力に迫るエッセイ。

ユーザーレビュー

  • 百人一首の作者たち

    Posted by ブクログ

    百人一首が面白いのか、平安朝が面白いのか。
    平安朝400年を五七五七七×100で綴った王朝絵巻。いやはや、なんてお洒落なんだろう。こんな文学が他にあるか?知れば知るほど感嘆する。

    歌の解説より歌人の人となりに興味があったので、本書はまさしく目的に合致した。
    よくあるように一首ずつ順番に並べていくのではなく、万葉歌人、女人歌人など、特色で分類して縦横無尽に解説している点も良かった。

    それにしても、歌どころか他の古典からの引用にもまったく現代語訳や説明がなく進むのは面食らう。
    読み終わって気付いたが、昭和58年の発行とは。それが文庫版として気軽に読めるようになってるのはありがたい。

    0
    2025年03月25日
  • 百人一首の作者たち

    Posted by ブクログ

    歌人たちを、政治的には敗北した天皇、没落した古代の名門氏族、本流から外れた藤原氏の公達、
    宮廷に仕えた機知に富む女房、独自の風流を確立した僧侶などに分類した上で、
    個々の人間関係や史実・逸話を通して、歌の背後にあるその生き生きとした姿を描いていく。

    冒頭が名文であることは認めつつ、仮名序の六歌仙評価や和歌の歴史の記述は、
    真名序に比べて錯誤があり杜撰なことの指摘や、
    『天皇は終始マツル人であって、マツラレル神ではなかった』『君臣の間を流れる豊かな人間的親近感』
    といった平安貴族の歴史観や天皇観を解いていく部分なども興味深い。

    0
    2011年02月08日
  • 平安王朝

    Posted by ブクログ

     本書は「日本歴史全集」の一冊として、8世紀末から10世紀末のおよそ200年間、いわゆる"平安時代"前半を対象範囲としている。
     50年以上前に書かれた一般読者向けの概説書であるので、研究の進展により今では異なる論が通説になっているような叙述も散見されるが(例えば"薬子の変"の主役は誰かなど)、著者の筆にかかると、この時代の有り様が鮮明に浮かび上がってくる。

     それは、政治を動かす天皇や貴族層、また文化人や宗教人、時代後半に登場してくる武士など、この時代を代表する人物たちについての著者の思いや評価が、簡潔な叙述の中にも窺われ、歴史を生きた人間の営みとし

    0
    2021年11月14日
  • 百人一首の作者たち

    Posted by ブクログ

    学のない私には難しすぎる。私にはエッセイ風な百人一首の本があっているのだと感じた。
    でも、興味を持った歌や作者について詳しく知ろうと、そこだけをピンポイントで抜粋して読むと知識が広がりなかなか面白い。

    0
    2015年12月27日

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