飯田亮介のレビュー一覧

  • 素数たちの孤独

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    どうして人は誤っていることを承知で間違った選択肢を選んでしまうのでしょう。
    誰だって孤独は辛いものなのに。

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    2014年01月15日
  • 素数たちの孤独

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    タイトルに惹かれて手にとった。読み終えて双子素数という言葉を噛み締めジンワリ。終わり方好きだなぁ。
    ハヤカワepi文庫はいい本多い。

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    2013年09月23日
  • 素数たちの孤独

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    とにかくふたりがつらい。ずっとつらい。20年近くもつらい。それでも読まずにはいられなくて読み進むのですが途中本当に凹みました。ラストも、こうしか無いだろうな……という感じ。面白かったと言っていいのかよく分からない。とにかくすごい引力を感じる物語でした。

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    2013年09月18日
  • 素数たちの孤独

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    なんか淡々と感情に流されずに話はすすむ
    素数なので交わることはないのだろうか
    最後がなあ、やっぱり素数だからかなあ

    結婚式の写真のエピソードは痛快
    その後のフォローはどうなったんだろうか

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    2013年09月16日
  • タスマニア

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    良書ではあると思うものの、気候変動や紛争、原爆など様々な現代問題を取り上げているとあって期待していた分、肩すかしの内容だった。もう一歩を期待していた。

    どれに対しても明確な答えには行きつかないし、原爆については日本人としてはもう少し丁寧に扱って欲しい題材とすら思ってしまった。単なる物語の構成の一つにされているような感覚があった。
     "ひとはたったひとりの男の子の物語によって全世界を嘆くことができる。"という帰結は物語への希望を示していて納得感はあるものの、その"物語"が生み出せていないのが現代なのではないか?
    物語の力を信じたいと思う一方で、世界を変え

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    2025年05月08日
  • 新しい名字 ナポリの物語2

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    青年期。エレナがリラを意識しすぎ?とも思えてきた。
    子供時代から丁寧に描いているからこそ、登場事物一人一人の人生の歩みがめちゃめちゃ興味深い。特に地区の男性陣。皆色々曲がり道を進みながら人生を歩んでいる…。

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    2025年05月03日
  • タスマニア

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    いわゆる自伝的小説。
    英語ではauto fiction というらしい。
    半分事実がもとで半分フィクション。
    主人公の周りに起こるいくつもの話が進行していくから入り込むのに少し時間はかかるけど、入ってしまうと中々面白い。
    読んだ第一印象は「正直な人だなぁ」。
    あまり人に語らないような暗い部分をうまく表現している。物語が進むにつれて、本人が抱える不安だったり葛藤だったりが自分にも、そして社会にも当てはまることに気がついて、その機会(気がつく機会)を与えてくれたことに感謝する。

    読みやすい読みづらいで言ったら読みづらいけど、良い読書時間だった。

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    2025年02月03日
  • 狼の幸せ

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    初めてのイタリア文学
    まさか葛飾北斎の画集がイタリア文学に出てくるとは思っていなかったので驚いたと同時に日本の富士山ってかっこいいと思った
    富士山とモンテローザの山並が重なる
    山の麓では生活を営み山はただそこにあるだけ
    葛飾北斎の富獄三十六景そのものである

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    2024年12月09日
  • コロナの時代の僕ら

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    『素数たちの孤独』で知られる作者のエッセイ。2020年2~3月頃のイタリアの情景。翻訳が4月に出ているのですごい勢いで翻訳→出版に至ったのだろうか。こういう記録は数十年後に過去を知るために貴重な資料になりそう。

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    2024年08月23日
  • タスマニア

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    気候変動やテロが身近に迫りつつあろうとも、我々はそれ以上に対処し続けなければならない実際的な今がある。
    ただ同時に、今に接しながらもそれらの問題も意識して考えていかなければならない。

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    2024年01月31日
  • 素数たちの孤独

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    これはかなり良かった
    作者はイタリアで最も権威のある文学賞を受賞しているが量子物理学者だそうだ
    描きたいテーマがタイトルに表明されており、終わり方も、、、

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    2023年10月01日
  • コロナの時代の僕ら

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    pp.80-81
    「科学に置ける聖なるものは真理である」(『シモーヌ・ベイユ選集III』冨原眞弓訳、みすず書房)哲学者のシモーヌ・ベイユはかつてそう書いた。しかし、複数の科学者が同じデータを分析し、同じモデルを共有し、正反対の結論に達する時、そのどれが真理だというのだろう。
    今回の流行で僕たちは科学に失望した。ただ僕らは忘れているが、実は科学とは昔からそういうものだ。いやむしろ、科学とはそれ以外のかたちではありえないもので、疑問は科学にとって真理にもまして聖なるものなのだ。今の僕たちはそうしたことには関心が持てない。専門家同士が口角泡を飛ばす姿を、僕らは両親の喧嘩を眺める子どもたちのように下か

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    2023年09月08日
  • 狼の幸せ

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    前2作(帰れない山、フォンターネ)よりも薄い感じ。
    山や山での暮らしの描写は変わらず生き生きとしていたが、薄いと感じたのはなぜだろう。
    時間をおいて、もう一度読み返してみたい。

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    2023年08月11日
  • 狼の幸せ

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    日本でいうところの"黄昏(誰そ彼)時"、あるいは"彼は誰時"に該当する言葉として、イタリアでなくフランス語ではあるが、"犬と狼のあいだ"という表現が当地にはあると知り、いかにもアルプスの山々を身近に仰ぐ民の言葉らしいな、と妙に感服した。
    また、標高が100m上がれば気温は0.6℃下がる、と言われるが、なるほど主人公が考えるように垂直移動による気候の変化もそれ自体を旅と捉えれば、私たちの人生をもう少し豊かにすることもできるのかもしれない。

    モンテ・ローザを富士山になぞらえ、作品全体を富嶽三十六景に見立てて構成している様が、日本人にとっ

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    2023年08月03日
  • 狼の幸せ

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     街の暮らしに疲れた中年男が標高2000メートル近い山村に逃れた。男の職業は作家。

    絵にかいたようだ・・・。

     山村のバルでコックの職を得た彼は、彼同様街暮らしから逃れた若い女性と付き合うことになった。

    中年男のファンタジーだ・・・。

     四季を通じた自然の描写、山に暮らす人々の生業と生活の描写、美しく描かれている。絶滅の危機に瀕している狼の控えめな描写がタイトルのもとになっているが、結局中年男のファンタジーだな。

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    2023年06月23日
  • 狼の幸せ

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    イタリアンアルプスのふもとにあるフォンターナ・フレッダという小さな町を舞台に、そこに生きる人々や自然を活写した作品。
    作家でパートナーと別れたばかりのファウスト、唯一のレストランを営むバベット、そこでウェイトレスをすることになったシルヴィア、山で働くことを何より楽しんでいるサントルソの4人が主要な登場人物だ。36篇の短篇で構成された作品で、この数字は北斎の『富嶽三十六景』にちなんでいる。
    タイトル通り狼も登場するが、恐怖の対象でもなければ駆除されるわけでもない。自然界に生きる仲間として認められている。この距離感が好みだった。

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    2023年05月22日
  • 狼の幸せ

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    ネタバレ

    著者の前作「帰れない山」のように、この本も季節と時間によって移り変わる山の美しい描写が良い。そして、おいしそうな山の食事!夏に樵たちのコックをするファウストの章が一番好きだ。パスタ、肉、じゃがいも。焼ける唐松のにおい。サントルソや樵たちががやがや食事する。何気ない章なんだけど、武骨なのにさわやかで、思い切りそこの空気を吸い込みたくなるような魅力がある。
    この本の中では、毎日たくさんの人が食事をしては去っていき、山と人は移り変わっていく。景色を変えながらも、山はいつでもそこにそびえ立って人々を見下ろしている。たった一年ではあるけれど、4人の主人公もまた場所を変え、生活が変わり、移り変わっていくの

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    2023年05月11日
  • リラとわたし ナポリの物語1

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    エレナとリラ、ふたりの少女の物語。4部作の1作目。作者は主人公と同じ名前だが、半自伝的作品?続きは読むか検討。

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    2023年03月22日
  • コロナの時代の僕ら

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    コロナ禍当初の空気感をそのまま表したエッセイ。
    二年経ってなお振り回されているし、著者の言う「忘れたくないこと」こそ忘れようとしている、と思う。

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    2022年10月02日
  • コロナの時代の僕ら

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    コロナについて書かれたエッセイと言うことで、気になって買ってみた。筆者はイタリア在住のエッセイストと言うことで、その点も気になってはいた。

    エッセイを読み始めてまず感じた事は、コロナが始まってまだ2年しか経っていないと言うのにこれが始まった当初のことがすごく懐かしく思えたことだ。 それだけ、このエッセイはコロナ当初の空気感をよく切り取って表現している。

    ただ文章全体がエモいのではなく、筆者の趣味として数学があるからか、文章にはどこか理系的というかロジカルな雰囲気を感じた。

    印象に残ったのは、人間の視点ではなくウィルスの視点で世界を見てみること。

    人間による自然破壊の結果、ウィルスが自然

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    2022年05月05日