飯田亮介のレビュー一覧

  • 狼の幸せ
    イタリアンアルプスのふもとにあるフォンターナ・フレッダという小さな町を舞台に、そこに生きる人々や自然を活写した作品。
    作家でパートナーと別れたばかりのファウスト、唯一のレストランを営むバベット、そこでウェイトレスをすることになったシルヴィア、山で働くことを何より楽しんでいるサントルソの4人が主要な登...続きを読む
  • 狼の幸せ
    著者の前作「帰れない山」のように、この本も季節と時間によって移り変わる山の美しい描写が良い。そして、おいしそうな山の食事!夏に樵たちのコックをするファウストの章が一番好きだ。パスタ、肉、じゃがいも。焼ける唐松のにおい。サントルソや樵たちががやがや食事する。何気ない章なんだけど、武骨なのにさわやかで、...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    コロナ禍当初の空気感をそのまま表したエッセイ。
    二年経ってなお振り回されているし、著者の言う「忘れたくないこと」こそ忘れようとしている、と思う。
  • コロナの時代の僕ら
    コロナについて書かれたエッセイと言うことで、気になって買ってみた。筆者はイタリア在住のエッセイストと言うことで、その点も気になってはいた。

    エッセイを読み始めてまず感じた事は、コロナが始まってまだ2年しか経っていないと言うのにこれが始まった当初のことがすごく懐かしく思えたことだ。 それだけ、このエ...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    「まさかの事態」が日常的になりつつある今、私たちはこれから何を考えどのように行動したらいいのか…あらためて考えさせられた。
  • リーマン・トリロジー
    とにかく本の厚さに持つ手が痛くなった。
    でも、リーマンショックと言う世界中を
    巻き込んだ経済破綻は、良く覚えている。
    その実リーマンブラザーズの内実は良く知ら
    ず、この分厚い本でリーマン兄弟がユダヤ人移民で
    綿花で成功し、時代と共に先見の明を持って
    投資して行く様は読んでいて凄いと思うと同時に
    勝機...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    今まさに起きている未曾有の出来事、コロナウィルスについて科学的視点からの説明があり、混沌としたものを少し理解できたように思えた。
    またウィルスを取り巻く報道のあり方についても揶揄しており、モヤモヤしていたものが少しスッキリした。
    動物がどんどん絶滅したり、自然破壊が進む中で、唯一発展し、大移動を常に...続きを読む
  • 愛を知るための七つの講義
    わたしも、本のような女にならねばならない。そして本の中でも、わたしにとってのノルウェイの森を目指します。
  • 老いた殺し屋の祈り
    男性はこの作品は好きかも。女性の立場からは、まずは40年も後に探し出して欲しくないし、それを愛とはふざけないでと言いたい。バイオレンスと主人公の純情さは確かに切なかった。
  • 素数たちの孤独
    タイトルに惹かれて読んでみたけど、訳者のあとがきにもあるように数学的要素を期待しすぎていたのかもしれない。
    ものすごく水を差すようなことを言うと、ファビオの料理をトイレに捨てて、あまつさえトイレを詰まらせたアリーチェをファビオはどう思ったんだろう…。私はその後のファビオがどういう言葉をアリーチェにか...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    この本が出たのは、2020年4月。
    まだまだもやもや時期なのに、的確な指摘だと思う。
    コロナ禍で日常が中断された。
    時間が止まったように。
    コロナを止めるにはワクチンが必要。
    中国武漢市の市場では様々な野生動物が生きたまま、互いに密接した状態で扱われていた。異種混合は病原体が伝染しやすい。この病原体...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    読んだ時期にも問題があった気がしますが、余り心には残らない感じでした^^;。ただ、日本版に特別掲載されたという最後の1章は、時間軸の違いもあってなかなか良かったです☆どうやら最後の1章以外は、コロナが流行しつつも、まだ日常的な空気が漂っていた頃のローマで書かれたものとのこと。コロナ後の約1年間で感じ...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    この本が書かれてからすでに1年近く経っており、COVID-19の感染拡大は当時とは比べものにならないほど大きくなっている。
    このウイルスによって人と距離を保ち、家にいることを強いられる状況を無駄にせず考える時間に使おうという言葉が印象的である。

    ただ、個人的には内容がやや支離滅裂でメッセージが伝わ...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    これはもう読むのが遅すぎた。
    日本でもイタリアの状況に追いついてしまっているから。

    元に戻る以上の日本に、したいね。
    って糸井さんが言ってたっけ。
  • 素数たちの孤独
    子供の頃の出来事がもとで
    それぞれ心と体に傷を負った
    マッティアとアリーチェ。
    思春期から大人になる過程で
    めぐりあったふたりの物語。

    もし登場人物の名前が日本風なら
    イタリアが舞台とは思えないくらい。
    繊細な子をとりまく環境って
    世界でそんなに変わらないものなのね。

    ラストをどう解釈すればいい...続きを読む
  • コロナの時代の僕ら
    コロナ禍のイタリア。真っ只中に理系の作家が書いたエッセイ。理系特有の分かりづらさもあるけれど、今となっては分かっていることが多いので難なくよめる。感傷的な文も多い。
    あとがきの「コロナウイルスが過ぎたあとも、僕が忘れたくないこと」は、ぜひ読むべき。
  • コロナの時代の僕ら
    すでに薄れつつある、コロナ第一波の最中の記憶。外出自粛、ロックダウン、緊急事態宣言、休校、

    僕は忘れたくない、今回のパンデミックのそもそもの原因は、秘密の軍事実験などではなく、自然と環境に対する人間の危うい接し方、森林破壊、僕らの軽率な消費行動にこそあることを。。
  • 素数たちの孤独
    初めての恋愛小説。
    2人の抱えてる闇に引っ張られて少ししんどくなりながら読んだ感じがしている。
    最後の後悔しない選択が、そっちなんやなぁと思った。
    子供は時に残酷だ。結局ミケーラはどうなったの?
  • 素数たちの孤独
    心に消えない傷を負った少年と少女が惹かれあう、少年は天才的な数学の才能がある、というあらすじに加えてタイトルが素数たちの孤独。うまいなと思う。高尚な解釈をする事も出来るけど、個人的には『村上春樹+森博嗣÷2』という公式で良いかなと思った。
    「孤独」とか「世界とうまくなじめない僕(私)」という世界観に...続きを読む
  • 復讐者マレルバ 巨大マフィアに挑んだ男
    マフィア映画の名作『ゴッド・ファーザー』のドン・コルレオーネは、
    実在したマフィアのボス何人かのエピソードを寄せ集めて作られた
    人物だ。

    だからか。マフィアを扱ったノンフィクションにはまるで映画の
    筋書きのような作品が多い。だって、マフィア撲滅運動に尽力した
    検察官が、高速道路を走行中の...続きを読む