飯田亮介のレビュー一覧

  • 復讐者マレルバ 巨大マフィアに挑んだ男
    この小説がノンフィクションであるとは途中まで気がつかなかった。マフィアのヒットマンとして、悪の限りを尽くした作者が、自分の回想録を第三者の目で書き上げた。
  • 素数たちの孤独
    双子素数を題材にしており、たびたびすれ違う様はあっても隣り合うことはない。まさに双子素数が無限に循環するがごとく、物語が切なく進められていくようであった。双子素数については多くの数論学者が無限に存在するだろうと予想しているが、数学上は未だ有限か無限かは解決されていない。この問題に対し、この小説は一つ...続きを読む
  • 素数たちの孤独
    双子素数は悲しかった。

    孤独で寂しい。
    でも、他人と交わるのを拒絶する。
    結局ひとりぼっち。
    みんな寂しい。
    空疎。
    どこかで繋がってたらいいな。
    頭の中では誰かを想ってる。
  • 素数たちの孤独
    小説の内容はともかく、イタリア人の書く、イタリア人が主人公の小説ということで興味深かった。
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    スキー中の事故で足に癒せない傷を負ったアリーチェ。けたハズレの数学の才能を持ちながら、孤独の殻に閉じこもるマッティア。この少女と少年の出会いは必然だった。ふたりは理由もわからず惹かれあい、喧嘩をしなが...続きを読む
  • 素数たちの孤独
    イタリアでベストセラーとなったという帯に目がとまり、読んでみた。
    翻訳作品だからかどうかわからないが、どこか表面をさらさらと滑るような本で、エピソードは色々あったが、いまいち入り込めなかった。
    「結果の重み」というキーワードは印象に残った。
  • 素数たちの孤独
    過去の出来事による心の重しから、
    あまりに自分自身になり過ぎて、
    他人、世界とのかかわりに不器用なアリーチェとマッティア。
    あまりに世界を状態として捉えすぎていて、
    そもそも、かかわりの必要さえ自律的には感じないかもしれない
    マッティア。

    マッティアが何かあるごとに内に内に向かっていくのに
    アリー...続きを読む
  • 素数たちの孤独
    心に癒えない傷を負った少年と少女が出会い、惹かれあい、すれ違い続ける。もどかしくも繊細な描写に、ひりひりと胸が痛くなる。果たして二人の道は交わることがあるのか。ラストは決して明るくないし、つらい現実が代わることはないけれど、ひとかけらの希望は残る。