飯田亮介のレビュー一覧
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購入済み
新コロナは全生態系の危機
未だ新コロナの感染が拡がる状況の中で、グッド・タイミングの出版です。物理学出身である著者の数学的な説明も簡潔で判り易く、しかしあまり数学的、或いは統計的なデータの解析を展開する事無く、人類史的・文化的・文明的な洞察に溢れています。今回のパンデミックが国境を超えた全人類の危機というだけでなく、地球上の全生態系の危機と捉えなければならないと考えさせられます。
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3年がかりで刊行された「ナポリの物語」が、遂に完結した。してしまった。最終巻を読みながら、残り少なくなっていくページが惜しくて惜しくて。ずっと、このなかにいて、リラとエレナを見ていたかった。
最終章を読み終えて、一巻の冒頭へ戻り、また反芻して。。面白い本は、読み始めて数秒でブラックアウトする感覚があり、このシリーズはずっとそんな幸せな感覚のなかで読んだ。ページを開くと、私もナポリの町に居る。貧困と、暴力と、噂話と、男達女達の駆け引きと、金と、クスリと、ありったけの生にまみれたあの「地区」へ、私も運ばれていく。
リラと私、ことエレナの手記として始まるこの長い物語。リラは極端で、野生動物のように -
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Posted by ブクログ
ネタバレ【読書会参加】2026年3月15日(日)都内某所
課題本:パオロ・ジョルダーノ「素数たちの孤独」
スキー中の事故で脚に癒せない傷を負ったアリーチェ。けた外れの数学の才能を持ちながら、孤独の殻に閉じこもるマッティア。この少女と少年の出会いは必然だった。
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1.双子素数という切なくも美しいモチーフ
本作を象徴する「双子素数」。11と13、569と571、3257と3259のように、間に一つの偶数を挟んで隣り合うものの、決して重なることのない素数のペアのことです。
近しくも触れ合わない…幼少期のトラウマを抱えた主人公アリーチェとマッティアは、まさにこの双子素数のような関係でした -
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12.25再読。
エレナは作家として成功し、ナポリからの脱却を叶えるが、男性社会を目の当たりにして自信が揺るぐ。女性としての自分の地位、女性として社会に発言するということの意味とは、その言葉を獲得すること…それはまさに多くの女性が現代でもぶつかり葛藤することだ。
リラとの関係性は社会と育児がプラスされてさらに物語は加速するが、エレナはリラの影響下から抜け出して、自分自身に「なる」ことを試みる。
全巻を通してだが、エレナはリラを意識するあまり自分自身を見つめることができていない。
「なりたい」から「なる」へ、誰もが直面するアイデンティティの探究として、第3巻も面白かった。 -
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ネタバレミラノ生まれの作家、パオロ・コニェッティは子どもの頃から夏になると一九〇〇メートル級の山地にあるホテルを拠点にして登山や山歩きを楽しんできた。三十歳を過ぎた今も、モンテ・ローザ山麓にあるフォンターネという村に小屋を借り、その土地で目にした自然と生き物の様子やそこに生きる人々の飾らない暮らしぶりをノートに書き留めては創作の糧にしてきた。デビュー作『帰れない山』以来、作家本人を思わせる一人の男の目を通して、山で生きる厳しさと愉しさを描いてきたが、今回は四人の男女の視点を借り、山で生きる男と女の関係に迫っている。
小説はフォンターナ・フレッダのほぼ一年を扱っている。四季の移ろいとそこに暮らす人々の -
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ネタバレモンテ・ローザの麓フォンターナ・ブレッダを舞台にミラノから離婚してやってきた作家ファウストと彼を雇ってくれたバベット、元森林警備隊員のサントルソとウェイトレスのシルヴィア。この4人が関係を築き影響を与えあいながら変化していく。自然描写の息を呑むような美しさと綺麗事だけではないトイレ事情などの生活面での厳しさ。一年を山や森林の変化と狼の見え隠れする存在感で満たした文章の美しさ、ディネーセンに捧げられたよう気がしました。また北斎を意識した36章仕立て、富士山ならぬモンテ・ローザを背景に人間たちの営みが描かれユーモアにも優れています。
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Posted by ブクログ
なかなかおもしろかった
「素数は1とそれ自身でしか割り切ることができない。自然数の無限の連なりのなかの自分の位置で素数はじっと動かず、他の数と同じくふたつの数の間で押しつぶされてはいるが、その実、みんなよりも一歩前にいる。彼らは疑い深い孤独な数たちなのだ」と本文には書いてある。
そして、孤独には『積極的な孤独(Solitude)』と『消極的な孤独(Loneliness)』があり、原題では前者が使われている。
主人公はふたり。アリーチェという少女と、マッティアという少年。
アリーチェは拒食症で、マッティアは数字の天才。
子どものころ、アリーチェはいじめにあっていた。そしてマッティアは発達障害 -
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4部作を一気に読んだ。長く濃密な旅路だった。
世界的ベストセラーになったのは、あらゆる境遇の人の共感を得やすいからだろうか。二人の主人公と言うべきエレナとリラは共にナポリの貧しい地区出身で、中学にすら行く子供が珍しい環境で育つ。しかし、共に素晴らしい頭脳を持ちながら、教育を受ける機会を獲得し都会に出て徐々に知識人・中流階級へ仲間入りしていくエレナとは対照的に、リラは進学を阻まれ10代で商店主と結婚し、以降の人生もナポリの地に根を生やし続ける。しかし2人の友情は、互いへのごく繊細な愛情・羨望・憎悪・嫉妬をない混ぜにしながら、一種の複雑な共依存の様相を呈し、生涯にわたって続くことになる。
一巻の -
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オルソ”熊”と呼ばれる男がいる。
その名の通りの195センチの大男で、鍛えられた肉体を持つ。
数多くの逸話で語られ、齢60を過ぎても組織のトップ、ロッソの右腕。恐れと尊敬を持って扱われている未だ現役の殺し屋だ。
物語はそんなオルソが病院で目覚めるところから始まる。
心臓発作を起こして目覚めたオルソは死を間近に感じて、それまで唯一心から愛した女性アマルの現在を知ろうとする。
アマルが妊娠したことをきっかけに組織を抜け、2人で生きようと決意したことがある。だが組織内で特に信頼されているオルソのことをロッソは手放そうとはしなかった。逆にアマルと娘のグレタの命を危機に晒すことになる。オルソは2人の安 -
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コロナ禍(2020年の流行初期)のイタリアにいる著者のエッセイをまとめたもの。
大学での専攻は素粒子物理学とのことで、冷静に、数学的に今回のコロナ禍を見つめているような文章。
このようなウイルスは、人間の行う環境破壊や今までにない生物の乱獲などが原因でまわりまわって出現してきたと書かれていて、そんなことは考えてもみなかったので驚いた。
自分が生きている間はもう、このような世界的ウイルス流行はないと勝手に思っていたけれど、全くそうではない可能性があると知り危機感を覚えた。あまりに表面的なことしか見ていなかったなぁと反省…
全ては人間の行いに繋がっているという側面で、コロナ禍が過ぎたあとに、何