飯田亮介のレビュー一覧

  • コロナの時代の僕ら

    jun

    購入済み

    新コロナは全生態系の危機

    未だ新コロナの感染が拡がる状況の中で、グッド・タイミングの出版です。物理学出身である著者の数学的な説明も簡潔で判り易く、しかしあまり数学的、或いは統計的なデータの解析を展開する事無く、人類史的・文化的・文明的な洞察に溢れています。今回のパンデミックが国境を超えた全人類の危機というだけでなく、地球上の全生態系の危機と捉えなければならないと考えさせられます。

    0
    2020年05月09日
  • 失われた女の子 ナポリの物語4

    Posted by ブクログ

    3年がかりで刊行された「ナポリの物語」が、遂に完結した。してしまった。最終巻を読みながら、残り少なくなっていくページが惜しくて惜しくて。ずっと、このなかにいて、リラとエレナを見ていたかった。
    最終章を読み終えて、一巻の冒頭へ戻り、また反芻して。。面白い本は、読み始めて数秒でブラックアウトする感覚があり、このシリーズはずっとそんな幸せな感覚のなかで読んだ。ページを開くと、私もナポリの町に居る。貧困と、暴力と、噂話と、男達女達の駆け引きと、金と、クスリと、ありったけの生にまみれたあの「地区」へ、私も運ばれていく。

    リラと私、ことエレナの手記として始まるこの長い物語。リラは極端で、野生動物のように

    0
    2020年04月22日
  • 新しい名字 ナポリの物語2

    Posted by ブクログ

    2巻も勢いは落ちないどころか、怒涛の。途中で本を置くことなどとてもできず一気読み。すっかり日が暮れた。残りも読ませて…

    0
    2019年01月15日
  • リラとわたし ナポリの物語1

    Posted by ブクログ

    「自分の意見は断固主張しながらも、非の打ち所がない普段の行いによってあらゆるひとたちから信頼を得てバランスを取るのだ。」(376頁)

    0
    2018年09月18日
  • 素数たちの孤独

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【読書会参加】2026年3月15日(日)都内某所
    課題本:パオロ・ジョルダーノ「素数たちの孤独」
    スキー中の事故で脚に癒せない傷を負ったアリーチェ。けた外れの数学の才能を持ちながら、孤独の殻に閉じこもるマッティア。この少女と少年の出会いは必然だった。
    ----------
    1.双子素数という切なくも美しいモチーフ

    本作を象徴する「双子素数」。11と13、569と571、3257と3259のように、間に一つの偶数を挟んで隣り合うものの、決して重なることのない素数のペアのことです。
    近しくも触れ合わない…幼少期のトラウマを抱えた主人公アリーチェとマッティアは、まさにこの双子素数のような関係でした

    0
    2026年05月18日
  • コロナの時代の僕ら

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    コロナ禍真っ只中、最初の緊急事態宣言がされ世界中の大都市がロックダウンされていたあの頃に書かれたエッセイ。

    メディアから溢れてくる情報と先の見えない不安がリアルに伝わっわてきて、当時のことを思い出した。

    コロナ禍を経て失ったものも得たものもある、次同じようなことが起こった時世界はどう動くのだろう?
    あとがきにも書かれているけど、それを考えるのが大切なんだと思う。

    0
    2026年05月09日
  • 老いた殺し屋の祈り

    Posted by ブクログ

    何十年と手を汚してきた残り人生僅かな老人。
    妻と子の為、足を洗うと組織へ背を向けたが逃れられず、愛する家族と引き裂かれ40年。
    悔い嘆きを胸にしまい、ひたすらに組織に尽くしたが、死ぬ前にもう一度、妻と子に会いたいと願う老人の行く末を描くノワール小説。

    哀愁漂うロードームービーかのような物語を想像していたんですが、しっかり抗争に巻き込まれ刺客に襲われます。
    続編を要望する声があるそうですが、私は「無い」で良いと思います。
    最後の1ページが答えだと。(唐突に終わりを迎えてびっくりしたけれど。)

    0
    2026年02月27日
  • 逃れる者と留まる者 ナポリの物語3

    Posted by ブクログ

    12.25再読。
    エレナは作家として成功し、ナポリからの脱却を叶えるが、男性社会を目の当たりにして自信が揺るぐ。女性としての自分の地位、女性として社会に発言するということの意味とは、その言葉を獲得すること…それはまさに多くの女性が現代でもぶつかり葛藤することだ。
    リラとの関係性は社会と育児がプラスされてさらに物語は加速するが、エレナはリラの影響下から抜け出して、自分自身に「なる」ことを試みる。
    全巻を通してだが、エレナはリラを意識するあまり自分自身を見つめることができていない。
    「なりたい」から「なる」へ、誰もが直面するアイデンティティの探究として、第3巻も面白かった。

    0
    2026年01月07日
  • 狼の幸せ

    Posted by ブクログ

    山岳小説と訳者はあとがきで述べているが、山や自然の要素と暮らしの描写を4人の主人公視点で綴られる作品。
    主人公達の誰もが際立った個性はないものの、少しクセのあるポリシーを持っており、それぞれに共感できるところを感じた。
    山を好きな人は優しいと言われるが、人に対する興味が薄いからムキにならないのだろう。

    0
    2025年12月10日
  • リラとわたし ナポリの物語1

    Posted by ブクログ

    NYTが選ぶ21世紀の100冊で1位。思春期に誰もが通る嫉妬や挫折、広い世界への憧れ。リラの頭脳とカリスマに「成瀬」を重ねて楽しい部分がある一方、子どもではどうしようもない地域や家族のしがらみが苦しい。続刊も積まねば!

    0
    2025年09月28日
  • タスマニア

    Posted by ブクログ

    読み始めたのが偶然にも8月6日だったのは、運命の悪戯だろうか。本との出会いのタイミングは偶然であり必然なのか?作者の自伝的小説。

    0
    2025年08月15日
  • 素数たちの孤独

    Posted by ブクログ

    高校時代に「孤独」「素数」が何故か自分の中にフィットしてタイトルだけ見て購入。
    孤独を感じながらも不器用に生きて行く少年少女様子が書かれている。高校を卒業して大学に入っても孤独を感じていた時に読んでいた。読んでいると孤独でも別に良いじゃないか、孤独と向き合っていこうと思えた。「人は好きなものに偶然出会い、それにしがみついて人生を築いていく」というフレーズは、学生時代の孤独を感じながらも研究にしがみつく自分と重ねていた。

    0
    2025年01月10日
  • 狼の幸せ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ミラノ生まれの作家、パオロ・コニェッティは子どもの頃から夏になると一九〇〇メートル級の山地にあるホテルを拠点にして登山や山歩きを楽しんできた。三十歳を過ぎた今も、モンテ・ローザ山麓にあるフォンターネという村に小屋を借り、その土地で目にした自然と生き物の様子やそこに生きる人々の飾らない暮らしぶりをノートに書き留めては創作の糧にしてきた。デビュー作『帰れない山』以来、作家本人を思わせる一人の男の目を通して、山で生きる厳しさと愉しさを描いてきたが、今回は四人の男女の視点を借り、山で生きる男と女の関係に迫っている。

    小説はフォンターナ・フレッダのほぼ一年を扱っている。四季の移ろいとそこに暮らす人々の

    0
    2024年03月28日
  • 狼の幸せ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    モンテ・ローザの麓フォンターナ・ブレッダを舞台にミラノから離婚してやってきた作家ファウストと彼を雇ってくれたバベット、元森林警備隊員のサントルソとウェイトレスのシルヴィア。この4人が関係を築き影響を与えあいながら変化していく。自然描写の息を呑むような美しさと綺麗事だけではないトイレ事情などの生活面での厳しさ。一年を山や森林の変化と狼の見え隠れする存在感で満たした文章の美しさ、ディネーセンに捧げられたよう気がしました。また北斎を意識した36章仕立て、富士山ならぬモンテ・ローザを背景に人間たちの営みが描かれユーモアにも優れています。

    0
    2023年08月23日
  • 素数たちの孤独

    Posted by ブクログ

    なかなかおもしろかった

    「素数は1とそれ自身でしか割り切ることができない。自然数の無限の連なりのなかの自分の位置で素数はじっと動かず、他の数と同じくふたつの数の間で押しつぶされてはいるが、その実、みんなよりも一歩前にいる。彼らは疑い深い孤独な数たちなのだ」と本文には書いてある。
    そして、孤独には『積極的な孤独(Solitude)』と『消極的な孤独(Loneliness)』があり、原題では前者が使われている。

    主人公はふたり。アリーチェという少女と、マッティアという少年。
    アリーチェは拒食症で、マッティアは数字の天才。
    子どものころ、アリーチェはいじめにあっていた。そしてマッティアは発達障害

    0
    2023年07月01日
  • 失われた女の子 ナポリの物語4

    Posted by ブクログ

    4部作を一気に読んだ。長く濃密な旅路だった。
    世界的ベストセラーになったのは、あらゆる境遇の人の共感を得やすいからだろうか。二人の主人公と言うべきエレナとリラは共にナポリの貧しい地区出身で、中学にすら行く子供が珍しい環境で育つ。しかし、共に素晴らしい頭脳を持ちながら、教育を受ける機会を獲得し都会に出て徐々に知識人・中流階級へ仲間入りしていくエレナとは対照的に、リラは進学を阻まれ10代で商店主と結婚し、以降の人生もナポリの地に根を生やし続ける。しかし2人の友情は、互いへのごく繊細な愛情・羨望・憎悪・嫉妬をない混ぜにしながら、一種の複雑な共依存の様相を呈し、生涯にわたって続くことになる。

    一巻の

    0
    2023年06月24日
  • 狼の幸せ

    Posted by ブクログ

    大きな話ではないんだけれど、読んでいる間この山にいられることが心地よい。

    とにかく出てくるお料理が皆美味しそう。

    0
    2023年05月13日
  • 狼の幸せ

    Posted by ブクログ

    作家のファウストはパートナーと別れ、イタリアンアルプスの集落フォンターナ・フレッダに来た。そこでコックとして働くことに。冬の山はスキー客などで賑わい、冬が終わると人がいなくなる。ファウストはこれまでと、これからを考え始める。集落での出会い、生活、山やその周辺の自然の大きさがファウストを変えていく。作中に葛飾北斎の名前や『富嶽三十六景』などが語られる場面があってそれが与える影響も興味深い。

    0
    2023年05月03日
  • 老いた殺し屋の祈り

    Posted by ブクログ

    オルソ”熊”と呼ばれる男がいる。
    その名の通りの195センチの大男で、鍛えられた肉体を持つ。
    数多くの逸話で語られ、齢60を過ぎても組織のトップ、ロッソの右腕。恐れと尊敬を持って扱われている未だ現役の殺し屋だ。

    物語はそんなオルソが病院で目覚めるところから始まる。
    心臓発作を起こして目覚めたオルソは死を間近に感じて、それまで唯一心から愛した女性アマルの現在を知ろうとする。
    アマルが妊娠したことをきっかけに組織を抜け、2人で生きようと決意したことがある。だが組織内で特に信頼されているオルソのことをロッソは手放そうとはしなかった。逆にアマルと娘のグレタの命を危機に晒すことになる。オルソは2人の安

    0
    2022年11月24日
  • コロナの時代の僕ら

    Posted by ブクログ

    コロナ禍(2020年の流行初期)のイタリアにいる著者のエッセイをまとめたもの。
    大学での専攻は素粒子物理学とのことで、冷静に、数学的に今回のコロナ禍を見つめているような文章。

    このようなウイルスは、人間の行う環境破壊や今までにない生物の乱獲などが原因でまわりまわって出現してきたと書かれていて、そんなことは考えてもみなかったので驚いた。
    自分が生きている間はもう、このような世界的ウイルス流行はないと勝手に思っていたけれど、全くそうではない可能性があると知り危機感を覚えた。あまりに表面的なことしか見ていなかったなぁと反省…

    全ては人間の行いに繋がっているという側面で、コロナ禍が過ぎたあとに、何

    0
    2022年10月04日