石光真人のレビュー一覧

  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    幕末のことはほとんど知らないし、そこまで興味もない。なんのきっかけでこの本を知ったのかも忘れた。ただ、壮絶な環境を生き抜いた人の記録という点に興味を持った。

    自分自身いろいろ辛いことがあるが、他の人に比べれば、自分はまだまだ甘いのだろうと思っていた。実際読んで、さぞ大変だったろうと想像する。そんな...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    僕にとって格別な一冊になりました。

    常日頃、

    大切なことは得手して伝わらない、
    と痛感していますが、

    これほどの偉人と、それが形成された背景(歴史)を知らないことは日本人にとって、

    元来の日本持ちうる理想を逸しているようで、

    今回、柴五郎翁を知れた喜びと同時に、少し残念な気持ちする抱きまし...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    メチャクチャ面白かったし、現代の自分の生活の幸福を感じる事ができた。そして祖先に誇りを持つ事ができた。とても感動した。全ての日本人に読んでほしい。
  • 誰のために 新編・石光真清の手記(四)ロシア革命
    ロシア革命後に陸軍嘱託としてブラゴヴェシチェンスクおよびアムール川を挟んだ対岸の黒河に特務機関を設置して情報収集に当たった時期について書いたもの(本文に特務機関という語はない)。
    ボルシェビキの地域代表者や、反革命を謳う元の市長やコザック部隊、ドイツ=オーストリア(独墺)軍の捕虜から転じて赤軍に協力...続きを読む
  • 誰のために 新編・石光真清の手記(四)ロシア革命

    ・東京に留まることを家族から望まれながら幾度も大陸へ「帰って」いく真清の姿を鏡として、自分は家族を幸せにできているのか自問せずにいられない。食べていくに困らない給料をもらい、平日は子供が寝る前に帰宅し、週末はどこか少し遠出をして好奇心を満たす、そんな平穏な日々を過ごせている幸せを自覚した。

    ・シ...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    「名著、刷新!」ということで復刻されたものです。会津の柴五郎氏の遺書を第一部に、その後や解説を第二部にまとめています(第一部は文語体ですが、徐々に慣れて読みやすくなります)。

    「西郷どん」に見られるようないわゆる薩長からの視点ではなく、反対側に立った会津の視点がよくわかります。かつては京都や幕府を...続きを読む
  • 誰のために 新編・石光真清の手記(四)ロシア革命
    たぶん、当時から克明に付けていた日記などを元にして書かれたのであろうが、それにしても驚嘆すべき記憶力と記述力である。つまりは、こういう人だからこそ、大陸での諜報任務に就くことができたのであろう。事実は小説よりも奇なりというが、まさにそれを裏付ける稀覯の書である。
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
     1971年の初版から改版も含めると60版になる、このようなロングセラーがあることを知らなかった。柴五郎は、会津藩士の子として生まれ、10歳の時に戊辰戦争が起こった。父や兄たちは戦場に向かった。そして祖母・母・姉妹(妹は7歳!)等は、会津の籠城戦前に自刃している。五郎は家系を残すため、それとは知らさ...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    心に深くしみる名作。武士の誇り高さを感じるとともに、この精神性を失ってしまった日本を見て、果たして維新は本当に良い選択だったのかと、疑問に思う。
    厳しさの中にも、深い愛情がある柴家。苦境の中でも家族や仲間を思いやる場面は、涙なくしては読めない。

    歴史は常に勝者の側から書かれていることを思い知らされ...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    ある明治人の記録と言うことだが無名な方ではなく会津藩出身の元陸軍大将、軍事参議官などを務めた方の物語である。ただしこの方の生き方や生き様、若い頃の苦労は涙なくしては語れないほどの刻苦精励さ、隠忍不抜、臥薪嘗胆といった内容が、その単語を使わずとも滲み出ている日記録である。若い頃のとてつもない苦労と誠実...続きを読む
  • 城下の人 新編・石光真清の手記(一)西南戦争・日清戦争
    明治元年熊本に生まれ昭和17年に没した元陸軍軍人の残した手記。明治維新から敗戦までの期間の短さと明治人の気概が伝わってくる一冊は名著の予感。

    全四巻中の一冊。あまり前知識なく読み始める。ロシア関係の諜報活動に従事した方らしい。

    少年時代を故郷熊本で過ごし神風連の乱や西南戦争を体験、その後幼年学校...続きを読む
  • 曠野の花 新編・石光真清の手記(二)義和団事件
    日清戦争後にロシアに対する危機感を持った石光が対露諜報を志してシベリアに渡ってからの話。
    義和団事件の余波からブラゴヴェシチェンスクでの清国人大虐殺(アムール川事件)を目撃し、満州への進出を本格化させたロシア軍を追うべく北満に侵入する。
    あるときは馬賊の仲間になり、あるときはロシア軍の出入り業者にな...続きを読む
  • 城下の人 新編・石光真清の手記(一)西南戦争・日清戦争
    日本人の自伝としては珍しく等身大に徹している。
    10歳の時の西南戦争については、熊本城下の人々の生活を細かく書き記しており、鹿児島勢と新政府軍のどちらにも属さない熊本民に及ぼされた影響がわかる。
    日清戦争では、自身の初陣での視野が狭くなる経験を率直に書き記している。
    本書はここまで。日露戦争やシベリ...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    これほど淡々と心を打つ文章は久しぶり。日本が世界に誇る日本人の言葉を、薩長が作った嘘の歴史に埋もれさせてはならない。
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    いくたびか筆とれども、胸塞がり涙さきだちて綴るにたえず、むなしく年を過して齢すでに八十路を越えたり。

    柴五郎翁遺書冒頭の一文です
    ハードSFの名作のあとにこれ、我ながら振り幅がエグいw

    柴五郎とは
    戊辰戦争で朝敵とされ新政府軍と戦い敗れた会津藩の生き残りであり、藩主松平容大と共に斗南藩(現在の青...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    明治前後の過酷な環境のもと、10歳にも満たない少年が様々に感じた絶望や理不尽や苦労、その中でも生き抜け!との父母の思いに挫けず生きた柴五郎さんの声が聞こえる本。
  • 曠野の花 新編・石光真清の手記(二)義和団事件
    ノンフィクションならではの迫力。明治時代にロシアと満州で日本陸軍の諜報員として働いた石光真清氏の手記を息子が編集した4部作の第2巻。
    日露戦争前の緊迫した時代である。クリーニング屋や写真屋などの仮面をかぶりながら、石光氏はロシアや満州の状況を探る任務を負った。
    当時、満州やロシア東部にこんなにたくさ...続きを読む
  • ある明治人の記録 改版 会津人柴五郎の遺書
    この本を読みながら、次の二つのことを思い出した。1つは、国による暴力装置の独占。もう1つは、教育は社会移動の装置ということ。

    国による暴力装置の独占は、近代国家のあり方の基本だか、明治維新の時代は、暴力階層が過剰だったのではないかということである。武士階級は、江戸時代には、朱子学によって、何とか抑...続きを読む
  • 望郷の歌 新編・石光真清の手記(三)日露戦争/長編小説・曹長の妻
    日露戦争とその後の満州浪人時代について、これも率直に書いている。
    開戦により召集されて臨んだ日露戦争については、戦記としては既知のことばかりだが、具体的な場面の記述については凄惨さ、苦戦ぶりを率直に書いている(公刊されたのは戦後、遺族によって)。
    終戦後は除隊し、一般社会で生きていく道が探せずに満州...続きを読む
  • 望郷の歌 新編・石光真清の手記(三)日露戦争/長編小説・曹長の妻
    日露戦争の凄惨さに加えて、戦後鰻登りの国勢に反して不成功の日々を送る主人公のやるせない想い・家族愛に満たされる幸福の自覚が表現されている。