谷本雄治のレビュー一覧
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夏の読書感想文コンクール課題図書 中学年
小学2年生の祐輔くん(ゆうちゃん)は、近所の農家の中井さんが作るお米のあんまりの美味しさに心を掴まれました。そこでゆうちゃんは、来年3年生の夏休み自由研究には田んぼのお米づくりにしようと決めます。お母さんと一緒に中井さんに一生懸命お願いします。初めは米づくりの大変さから断った中井さんですが、ゆうちゃんが熱心に頼むので「師匠」になってくれることに。
そして2月。ゆうちゃんは中井さんが貸してくれた田んぼで米づくりを教わる。できるだけ自分たちの手で、できるだけ無農薬、しかも夏休みまでにできる品種で。
自分が言いだしたことをやり遂げるゆうちゃんも立派なんだけど、中井さんも初めて植える品種を試すなど、挑戦するのは二人ともだった。小学生が田んぼを作るので、ゆうちゃんの友達の小学生や、近所の大人たちも手伝って活気づく。
初年度は、台風の影響や、最初ということで目標に達しなかったゆうちゃんは「来年もやる!」ということで、中井さんも改良を考えることに。
ゆうちゃんの田んぼは無農薬なので水生生物がやってきて「害虫」「益虫」の生態も見える。虫が好きとはいえ、害虫は踏んで潰します。そして無農薬のため草むしりも日々行わなければならないが、さすがに全部自力では無理なので「カブトエビ農法」を採用。
私が子供の頃にも近所の田んぼにはカブトエビがいたなあ。
本人にやる気があるとはいっても、やっぱりかなり大変。「もうちょっと休んでから〜」と根を上げたり、ところどころに入っているゆうちゃんの日記でも「いくたびにくたびれ、いくたびにくたびれをくりかえした」という本音も見える。
2年目は大成功、手伝ってくれた人たちを招いての食事会も開きました。
こうやってゆうちゃんは、小学生の間は毎年田んぼづくりを頑張ったようです。将来も農業夜食に関わりたいというゆうちゃんの言葉で締められる。
いやあ、すごい!
写真や図も多く、お米づくりの半年間のサイクル、お米づくりのための工夫や方法も分かります。 -
Posted by ブクログ
大島紬を織るために、その材料である蚕を育てることから始めるなんて、分業が当たり前だということを考えるまでもなく驚きです。
それは編み物をしている私が、羊を飼ったり、綿を育てたりするのと同じこと。理想ではありますが、現実的に考えたら時間が足りなくなりそうだし、労力も半端じゃないと思います。
でも、それをやってのけてしまうのが南さん。
しかも奄美固有の蚕でというのですから、こだわり様も半端ありません。
そのチャレンジ精神に読んでいるこっちも元気をもらいました。
チャレンジするって素晴らしいことです。
そして、知らなかった養蚕の話や黄金の糸を作る蚕がいることなど興味津々で読みました。
本書を読んで蚕を初めて可愛いと思いました。 -
Posted by ブクログ
小学2年生の男の子が稲作に挑戦する姿に、ただただ感銘を受けた。自分の興味を貫く強い意志を持ち、台風で稲が倒れるといった自然の困難に直面しても、ひたむきに立ち向かう強さに深く心を打たれる。
また、稲作は一人では成し遂げられず、多くの人々に支えられながら進めていくプロセスも非常に魅力的だった。主人公がラグビー経験者であることから、彼は「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というワンチームの信念を持って仲間や地域の人々と協力していたのだと感じる。
本書からは、人間には抗えない自然の脅威やその前での無力さを知ると同時に、それにどう向き合うべきかという知恵を学べる。そして、様々な人に支えられながら困難を乗り越えていく協働の大切さなど、多くの気づきを与えてくれる素晴らしい一冊だった。