榊邦彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を読むまで、ハンチントン病がどのような病気なのかということも知らなかったし、遺伝病にまつわる差別問題も知らなかった。
私は、科学を勉強した身として、遺伝病のことは知っていたのだけれども、それは単なる知識と、興味本位の範囲内だった。
この本を読まなければ、きっと「差別する側」にいたと思うし、何も考えず、「遺伝子スクリーニングの重要性」を論じたと思う。
恋愛小説というだけでなく、差別問題についても考えさせられる本だった。
主人公の心の葛藤はよくわかる。
それでもミサキのために、必死で考え、正面から向き合おうとする優しさ、強さに惹かれた。
ヒロインであるミサキが病気の恐怖とたたかいながらも、ひたむきに生きる姿にも感動した。
ミサキの家族の温かさも感じた。
病気に関係した恋愛小説というと、本当にお涙ちょうだいものを想像すると思う。でも、この本はそういう本ではない。
主人公とミサキが生きていく姿を書いた本だ。
読後、心に残った。 -
Posted by ブクログ
就職が決まり、これを期に彼女にプロポーズしようと心に決めていた彼。
お互いのこれまでと、これからの温かい未来を夢見ていた、彼の視点で描かれている作品です☆
ハンチントン病という遺伝性のある難病。
その病と向き合う家族。その病の発病リスクを背負って生きていく事。そのリスクを背負った人と向き合う事。人生を共に歩む事。
それを軸に、
人生って何?
生きがいって何?
家族って?
人の尊厳って?
そして、
『誰かを愛するってどういうこと?』
そんな疑問を読んでいる者に投げかけてくれる作品です。自分と向き合い、彼女と向き合い、様々な考えを巡らし、苦悩し、出口を探す彼の心の葛藤が、とても繊細に描かれています。
出来るだけ多くの人に読んで欲しい作品!!
第2回新潮エンターテインメント新人賞を受賞した作品でもあります。 -
Posted by ブクログ
ハンチントン病。
遺伝性のある病気。
彼女の父親が、そのハンチントン病である。
彼女がその病気である確率は50%。
それでも、彼女との未来を選ぶのか。
主人公ケンちゃんと彼女のミサキ。
ケンちゃんは彼女との結婚を考えていたけど、
ある日彼女から、父親がハンチントン病であることを
告白される。
ミサキは検査をせずに灰色の世界を生きることを
決めている。
ミサキはハンチントン病かもしれないし、
違うかもしれない。
もし、彼女がハンチントン病でも彼女のことを
好きでいられるのか?
僕たちの子供はどうなるのか?
難病っていろいろあると思うし、
遺伝性のものもあるのは分かってたけど、
きっと自分の家族にいたら、自分の感情がどうなるのかな
なんて考えながら読んじゃった。
ケンちゃんはミサキのことが好きで一緒にいたがってるけど
でも病気のことを考えると立ち止まる感じは
なんか伝わってくるなーって思えた。
私がこの状況だったら、
こんなきれいに考えられるかな…。
こんな聖人みたいな考えに辿りたかないかも…。
でも、どんな人のことも「存在」を大切にしたい。
そう思えたよー。 -
Posted by ブクログ
読書備忘録666号。
★★★☆。
30代の夫婦とまだ小さい子供の3人家族を襲った不幸。母であり妻のスキルス胃癌。余命半年。
自分がこの世を去るまでの夫と息子に対する想い、失った妻に対する想い、母を失った小さい息子の想い、そして、幼くして母を失った息子に対する父の想い・・・。
様々な想いは最後、相手に対する感謝の気持ち、「ありがとう」にたどり着く・・・。
というお話。
いわゆるお涙頂戴ものがたりで、日頃からなかなか言えない「ありがとう」という言葉の大切さをひしひしと感じた作品でした。
第一章の「Re:」から始まりますが、ん?なんか古いと感じました。そうなんですね、2008年の作品なのでまだまだ世の中はメール全盛時代。
このRe:だけが雑誌に掲載され、残りの章は後から書かれて「新潮ケータイ文庫」として完成させたようです。
あと、妻がこの世を去ったあと、記念日に妻から届くメール・・・。この仕掛けは、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの映像の中で体験して号泣してしまっていたので、悲しいことに今回はびっくりしませんでした。
しかも、こっちの作品の方が古いのに盗作か?と一瞬思ってしまった罪悪感。すみません。作者さん。
同世代で同じような家族構成の読者は号泣間違いないな、と感じましたとさ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きな理由、ではなく
そこに存在しているだけでいい。
幼なじみのミサキと大学で再会し、就職をきに結婚を申し込んだ。
プロポーズの返事は、ミサキの父はハンチントン病という難病で、
ミサキ自身にも発病するおそれがある、ということだった。
今の医学では治療法のないハンチントン病
もし発病したミサキを、それでも愛し続けることはできるのか。
ゆれる気持ち。
沖縄にいるミサキの父に会いに行って、決意したこと。
いいところも悪いところもひっくるめて
ただそこにいてくれるだけでいい。
まあそうだよね。
でもどうなんだろう?
白でも黒でもなく、灰色でいたいから遺伝子検査を受けないでいるってどうなんだろ
好きなら相手を思うからこそ遺伝子検査を受けて
もし発病する可能性があっても、きちんと話して受け入れてもらえなかったら
ああそれまでの関係だったんだなってあきらめる。
まあそれなら話おもろないけどw
ハンチントン病の治療法が見つかりますように。