菅野仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ※ネタバレを含みます※
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『友だち幻想』を読んで
『友だち幻想――人と人の〈つながり〉を考える』を読んで、人間関係について改めて考えさせられた。
この本を読んで特に印象に残ったのは、他者には二重性があるということだ。
他者が自分を傷つける脅威の源泉でしかないのなら、世間との関わりをすべて断って、自分の趣味だけに没頭して生きればいい。でも、実際には完全に引きこもって生きることも苦しい。一方で、人とつながることがただ楽しいだけなら、そもそも「人間関係について考える本」なんて必要ない。
つまり、人は人とつながることで喜びを得る一方で、人との関わりによって傷ついたり、ストレスを感じたりもする。私たちは、この「人とつながりたいけれど、人は自分を傷つけることもある」という二面性に振り回されながら生きているのだと思った。
そこで大切なのが、本の中で出てきた「同質性」ではなく「併存性」という考え方だった。
「みんな同じでいよう」「同じ価値観を共有しよう」とするのではなく、「みんな違う人間だけれど、それでも一緒に存在していよう」という考え方だ。
また
特に面白かったのが、「誰かをいじめることは、自分自身がいじめられるリスクも生み出す」という考え方だ。
社会には「盗むな」「殺すな」のように、互いの生命や財産を尊重するための最低限のルールがある。それは結局、みんなが安心して生きるための約束でもある。
誰かが気に入らないからといって、その人を攻撃すれば、今度は「いつ自分が攻撃されるかわからない」という環境を自分自身で作ることになる。だから、嫌いな人や苦手な人がいたとしても、無理に仲良くする必要はないけれど、攻撃せずに併存する方法を身につけることが大切なのだと思った。
そして最後の「友だち幻想」というテーマが、この本の中でも特に印象に残った。
価値観が100%共有できる人がいるとしたら、それはもう他者ではない。自分自身か、自分の分身のような存在だ。
「この人なら私のことを全部わかってくれる」「この人とは考えていることが全部同じ」と思って相手を見ているとき、実は相手そのものを見ているのではなく、自分が作り上げた「こういう人であってほしい」という幻想を見ているだけなのかもしれない。
どんなに親しくなったとしても、相手は自分とは違う一人の人間である。
だから、人間関係では「自分と同じ人」を探すのではなく、「自分とは違うけれど、それでも信頼できる他者」を見つけることが大切なのだと思った。
信頼できる相手だからといって、自分のことを100%理解してくれるわけでも、すべて受け入れてくれるわけでもない。それでも、違う人間であることを前提にして、その人を信頼する。
この本を読んで、人間関係において大切なのは、「どれだけわかり合えるか」だけではなく、「わかり合えない部分があることを前提に、それでも一緒にいられるか」なのではないかと思った。
「仲良くする」か「嫌いだから排除する」かの二択ではなく、違う人間同士が、お互いを傷つけずに同じ社会に存在するための距離感を考える。
それが、この本を読んで自分が一番考えさせられたことだった。 -
Posted by ブクログ
小学生高学年、中高生の時に読んでいたら青春時代と呼ばれるものが変わっていたのではないかと思う本だった。
みんな仲良くしましょう、というスローガンのもと愚直に頑張っていたが本当に必要だったのは苦手な人との適切な距離感だったなんて、あの頃の自分が聞いたら驚くと思う。そういう子たちとこそ仲良くなろうと躍起になってしまっていたので。
特に面白かったのは、そこにいない第三者の陰口をいうことで、その場にいる二人の親密度を高めるという手法があるということ。普段仲が良さそうな二人がなぜ片方がいない時に私に不在の子の陰口を言うのか全くわからなかったので、このような原理が働いていたのかと思わず膝を打った。
娘さんがいる家庭では必読と言えるような本だと思います。 -
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はじめに
著者は大学教授であるが、大学内外の事務的な作業に追われ、自由に研究できる時間は、少なくとも日中にはほとんど取れていないと書かれていました。忙しい日々の生活の中で、自分のメンタルの弱さと向き合いながら、いかに集中力を持続させるかに悩んだ結果、「18分だけ集中する方法」を考案したと述べられていました。
大学教授であっても、雑務に追われて集中できない点は、私のようなサラリーマンと同じなのだと感じました。私も、この本を通じて集中力の持続方法を学びたいと思いました。
序章 今日も一日無駄にした!
著者は、「自分が『こうしよう』と思ったことを、そのとおりにきちんと実行に移せる意思が欲しい」という願望を抱いていたと書かれていました。また、この願望は多くの人が抱きながらも、なかなか叶えられないものではないかとも述べられていました。
私も自分の意思で決めたにもかかわらず、ほとんど実行に移せていないことが多く、「まさにこれだ」と感じました。
第1章「根性なし」でも出来ること
イソップ童話の「うさぎと亀」を例に挙げ、「昼寝しているうさぎ」の状態になることが問題であると書かれていました。そして、とにかく始めて18分だけ集中し、「ゆっくり歩く亀」になることが勧められていました。やるべき仕事を気にしながら何もできずにいる状態は、まさに今の私をうまく表していると思いました。
第2章 やる気が起きないとき
本章では、タスクに取りかかる体勢を取ること自体ができないことが問題であると述べられていました。今の私もまさにその状態であり、自分の状況を的確に言い表してもらったように感じました。
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ネタバレ私は幼少期から人間関係で悩むことが多かったし、今もそう。そのことについて本を読んでみようとか学んでみようと思ったことはなかったんだけれど、ちくまプリマーの存在を知った時にちょうど良い本があるなぁと思って手に取った。
まず、日本は他国よりも「友人重視指向」にあるということに衝撃を受けた。国によって文化が違うのは当たり前に知っているけれど、こういうところも違うんだ。日本だけ(ではないけれど)なんだ、と思ったらそれだけで心が軽くなった。
全て“なるほど。そうだったのか。そういうことか。”と納得。これまでの悩みの原因や理由が言語化された感覚があった。
学生だけではなく、大人にとっても得られるものがある一冊だと思う。 -
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ネタバレ自他の混同から来る距離感のバグ。自分も他者を自分と同じものとして、不一致があるとモヤモヤしたり、時には腹を立てることがある。でも、当たり前だけど、十人十色。みんながみんな全く同じ思考回路で生活しているわけがない!それを強く再認識させられるのと同時に、共依存に近しい関係性が招く恐れや原因を丁寧に教えてくれる。
「読書は著者との対話」
脳に刻みたい日本語。たしかに、つい最近夏目漱石の作品を呼んだけれど、彼が文字に起こしたものを現代の私が読む、というのはなんともロマン溢れる『時空越え』なのだろう。
私は文字が頭に入ってこずに何度か同じ行を読み返したり、表現が捉えきれない文章を咀嚼したりすることが多いから、そこを書内でも利点としてあげてくれていてとても共感した。
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Posted by ブクログ
仕事で使えそうかも!と思い購入して数年後、ようやく読みました。
書かれたのは17年前ですが環境は今と変わらず。
特に今のこどもたちは、ネットの発達のおかげか早熟で賢いです。
もしかしたらもっと複雑になっているかも…
早くに大人になってしまうからこそ、響く言葉もあるのかも。
たとえば、「コミュニケーション阻害語」
目の粗い言葉でざらりと不安感のある言葉より、少しずつ目を細かくしていき「生のあじわいの深度を深める」言葉を自分のものにしていく。
自分の気持ちに的確な言葉を充て、輪郭を与えるためにもものすごく必要。本を読むことでも身につきますからね…!
教職に就くみなさんにもぜひ読んでいただきたい作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新書を読みたくなって、自分の悩みや知りたいこと的に、テーマはこれかなと思って手に取ったが、これは響いちゃったな。
友だちも恋人も家族も、詰まるところは他者である。だから、丸ごと受け入れられるものではないことを前提に、ある人とは程よく距離を取りながら、ある人とはそれでも親密度を高めるために、人間関係の作法を身につける必要があるのだと学んだ。
私は人間関係について(これが人生の大部分だとは思うが)、自分がかなり未熟で幼いことを自覚している。多分、中学生の頃から他者と関わることを避けてしまってきたから、単純に耐性というか辛抱強さが欠けていると思っている。それは、のちの失恋によって明らかになるのだが。
人間関係の「苦味」に少し耐えた先の、「生のあじわい」を得られる大人になるための、第一歩にしたい本だった。
だいぶ遅れはとっているが、少しずつ「大人の作法のある人間関係」に慣れていきたい。
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むしろ「人というものはどうせ他者なのだから、百パーセント自分のことなんか理解してもらえっこない。それが当然なんだ」と思えばずっと楽になるでしょう。だから、そこは絶望の終着点なのではなくて希望の出発点だ
ノリとリズムだけの親しさには、深みも味わいもありません。そればかりか、友だちは多いのに寂しいとか、いつ裏切られるかわからないとか、ノリがちょっと合わなくなってきたらもうダメだとか、そういう希薄な不安定な関係しか構築できなくなるのではないかと思います。
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「自分と他人は違う」という当たり前のことを、私たちはどこかで忘れてしまっているのではないか。分かり合えないこと。それが人間関係の前提だと語ります。だからこそタイトルが「友だち幻想」なのでしょう。
100%分かり合うことはできない。むしろ、わかり合えない前提に立ったときに初めて、相手を気遣い、関係を丁寧に築く姿勢が生まれるのだと思います。では、なぜそこまでして人間関係を作るのか。その理由は「幸せのため」なのだと思う。孤独を避けるため、互いに支え合うために、人は苦労をしても関係を結ぼうとするのだと感じた。
また「人から覚えてもらおうとしない」、これでいい。相手の心を操作しようとするのではなく、自分ができることを自然に差し出す。その積み重ねこそが、人間関係を少しずつ温かいものにしていくのだと思います。
『友だち幻想』は、人との距離感に悩むときに、自分を見直すヒントを与えてくれた一冊でした。 -
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ネタバレううむ。難しい内容ではなく、とても読みやすく、かつ具体的だった。大まかに要約すると、誰であっても、いけないことはいけない。それについて最近の教師はできていない。ということだった。ルールを甘んじているため、みたいな。確かに、児童生徒との軋轢を避け、ルールを恣意的に解釈する教師、ともだち先生もいる。しかし、それは保護者からのクレームを避けたい、何故なら、勤務時間内に全てを終えるためには、モンペのクレームなどもったいなさの代表だから、そのため、叱るのを、指導するのをやめるということも知っておいてほしい。教師という職が、ここまで落ちぶれてしまったことはとても残念だ。誰かが変えなければいけない。そのように考えるのではなく、自分で変えていきたい。
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Posted by ブクログ
いまここにある環境を受け入れ、実直に生きよと諭したり、想像もできないような難題への果敢なチャレンジを薦めたり。巷にあふれる「人生論」系の書籍は、このどちらかにまとめられるのではないかと思う。
前者は悟りを開いたように、欲望や憧れを捨て、現実を受け入れることで苦悩のない「自分らしい」生き方が可能になると説くだろう。そして後者は、常に現実を修正すべき不完全なものとして捉え、チャレンジによって現実を更新し続けることこそ「自分らしい」生き方への道と説くだろう。前者は「憧れ」を、後者は「妥協」を仮想敵としているように感じられる。
けれど、僕は疑問を持ってきた。欲望や憧れを捨てる仙人のような生活は到底できない。つねにリスクを負い、先行きのわからぬ海原に漕ぎ出すような勇気もない。どちらも極端なのだ。平凡な僕は、これらを見聞きするたびに自分の平凡さを痛感していた。
本書はそんな疑問への回答を鮮やかに示してくれたように思う。欲望や憧れと、現実への愛着は両立するのである。いま・ここの現実を受け入れ、そしてちょっとだけ良い明日を夢見ること。これこそ、しなやかな純粋さを抱えつつ社会と折り合いをつけてゆく、最大多数の回答なのではないか。一握りの英雄ではない僕らには、折衷案こそリアリティがある。
そして、相手に100%の理解を期待せず、なおかつ自分を表現することを恐れず、自分を他者へ開いていく、という言葉も染み渡る。とても救いになった。
学問的に言えば批判される点もあるのだろうが、少なくとも社会学的な人生論としてみれば、世に溢れる自己啓発本よりよほど僕らの実感に寄り添って書かれていると思った。まさに、「愛」に満ちている暖かい本だ。 -
Posted by ブクログ
欲望を統制する作法の身体化を子どもたちに伝授する。
理想と現実の折り合いをつける。
事柄志向と人柄志向のバランスを見極める。
子どもと接する上で、
常に考えなくてはならないことばかりだった。
あまり難しい言葉はなく、すらすらと読むことができた。
美(心地よさ)・善(よいか)・真(正しいか)
これは、人間の発達段階に沿って書かれてきたが、
一年間の学級経営と見立てても生かせる考え方だと感じた。
また、
生成段階の沸騰期は、集団意識が高くなる。
しかし、安定期に入ると低くなる。
という考えは忘れてはいけない。
油断して大丈夫という思いが学級崩壊につながりかねない。
集団づくり・学習課題にも当てはめて考えていきたい。 -
Posted by ブクログ
心が落ち着く本でした。
繋がりすぎるのも離れすぎるのも寂しくて、付かず離れずがよいのですがなかなか難しい、他者とのつながり。
〈生のあじわい〉を深めるには…という問いから、自分と自分の周りの世界について考えてみる、という本で、読みながらわたしもこれからどう距離感を保って他者と関わって生きていこうか、考えました。
「ほんとうに好きになれること」は今のところ読書や映画鑑賞で、ここみたいに感想登録SNSに感想を書き散らかすことで他者との交流が生まれることもあるので、この生き方は合っているのだろうな、と思います。言葉を選ぶのは楽しいので、ちょっとだけがんばるけど無理はしてないし。
それから、他者との関係において、致命的な傷を負わないだけの「精神的な構え」を作っていくために、傷付くことを恐れすぎずに色々やってみようと思いました。
なんとなく、今の生き方を肯定されたようでちょっと嬉しいです。これからも生きられました。