梶山季之のレビュー一覧

  • せどり男爵数奇譚
    笠井菊哉自身にまつわるエピソードも面白かったのですが、第六章の狂気にゾッとしました。古本を題材に人間の心理についても面白読むことができます。
  • せどり男爵数奇譚
    短編六話。かなり面白いです。一話目から引きつけられ、最終話は完膚無きまでやられました。わたしら普通の人でも、(なんらかの)狂気を抱えているものと思いますが、その手の話となり、「せどり」ストーリーのピークを迎えます。いやあ、しばらく寝かせてた本ですが、見事、熟しました。
  • せどり男爵数奇譚
    ビブリア古書堂に出てきて、ビブリアのアンソロジーで読んで面白いと思ったため、読んでみました。ビブリアよりも本に狂ってしまった人々が淡々と綴られていて、かえって狂気ぶりが際立つように感じる。
    しかし40年前に書かれたとは思えない古さを全く感じさせない文体。著者が雑誌記者だったと聞いて納得です。
  • せどり男爵数奇譚
    古書をめぐる人々のお話。
    古書に異常に執着する人の姿が恐ろしく、でも面白かったです。本当にこんな人たちがいるのだろうか、それともたまたま私たちの目には見えてないだけか、と考えながら読んでいました。
    古書というものは人を狂わすほどの力というかものを持っているのかな。
    最後の話の人の肌をそいで装丁する話...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    『色模様一気通貫』

    『半狂乱三色同順』

    『春朧夜嶺上開花』

    『桜満開十三不塔』

    『五月晴九連宝燈』

    『水無月十三公九』
  • せどり男爵数奇譚
    古書に纏わるミステリ短編。表紙が厭にホラーな感じですが、然程無いようにマッチしてないなーなんて油断していたら、最後の1編「水無月十三公九」でしっくり来た感じです(笑)どれもこれも面白い!愛書家ならうんうん、と頷きながら読み進めてしまう事でしょう…不健康ですけれども。

    このシリーズもっと読みたいです...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    "書物の魅力に取りつかれた人々の少し変わったミステリ。
    古本の中には、希少であったり、シリーズものがそろっていたりすることで、とてつもない価値をもったものもある。また、蒐集家にとってみれば、何が何でも手にしたいものがある。そんな書物にまつわるお話が6話ほど。
    最後の話はホラーといってもいいかもしれな...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    ビブリオ古書堂はライトノベルの会社から出ていますが、エンターテイメント性はある程度あるものの、内容的にはライトノベルというものではないと思います。普段本を読んでいる人にも十分アピール出来る普遍性のある小説だと思いました。
    さて、そのビブリオ古書堂に出てくる本はどれもこれも古典作品ですが、好きな作品に...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    古書ミステリはちょっと前に「古本屋探偵登場/紀田順一郎」を読んだばかりなのだけど、こっちの方が好きかも。
    四話の丁々発止のやり取りと五話のミステリがうまいっ。
    人皮装丁本、業の深いことだなぁ。
    せどり男爵物はこれ1冊なんですね。もっといろいろ読んでみたかった!
  • せどり男爵数奇譚
    2015.4月中

    古本を安く仕入れて高く売る、「せどり」の世界が舞台。稀覯本、ビブリオに狂う人間達が興味深かった。本の内容よりも本そのものを愛するマニア達は、歪な存在のように感じる。
  • せどり男爵数奇譚
    『ビブリア古書堂の事件手帖』で知り購入していたものだっけども、読み終わってびっくり。こっちの方が面白いんじゃ?特に衝撃なのは最後の1話だったけれども。せどり男爵こと笠井菊哉氏が古本狂いになった訳も面白い。
    げに恐ろしきビブリオクラスト!

    P78 愛書家には、時として書物破壊症と云うのか、狂人じみた...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    人並み外れて何かを愛するというのは因業なことだなあとおもう。
    楽しそうだけれど、苦しくもあるだろう。

    読み口はさらっとしてて読みやすく、面白かったです。
    因果だなあと思いながら読みました。
  • ノンフィクション選集4/昭和人物伝(電子復刻版)
    鳥尾子爵夫人、黒澤明、正力松太郎、皇太子の恋、松永安左衛門、東条英機。
    特に面白かったのは川上哲治。かなり貶しまくってます。7割貶して3割褒める、と自ら言っていますが、7割ですまない気が、、、、。
  • せどり男爵数奇譚
    古本・古書にまつわる奇譚集。本の中身というより、本そのものにとりつかれてしまった書痴、蒐集家たちの狂気じみた執念に魅了される。乱歩風に猟奇で耽美な最終話がお気に入り。
  • せどり男爵数奇譚
    "ビブリア古書堂の~"の関連本の栞子さんの本棚にも抜粋されていて、笠井菊哉の名前も"ビブリア古書堂~"にも登場していて気になった
    話しとしたては、せどり男爵の笠井菊哉が出会う6件の事件の短編集
    一気に読めて、引き込まれる作品だが、私は最終章だけは、好きになれない。そこまでは一気に読んで行ったが、そこ...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    古書にまつわる話。せどりとは背取り、古書を安く仕入れて高く売る手法のこと。(販売組合?にその名が由来があるとか)。和本には、背に書名が書いていないので、当てはまらない。セドリー・カクテルなるものがでてくる。
    オール読物に連載されたものをまとめた。1から6月に連載され季節と麻雀役を組み合わせた題名は面...続きを読む
  • 愛人たちの昼と夜
    エロティック・ミステリーと行ったらこのお方。
    テーマは愛人というこれまたエロス。

    割とソフトなものが多い中、
    ひとつだけ異色な作品があります。
    それは、最後に出てくる「これにて一件落着」
    でしょう。

    これはフェティシズムの極致のジャンルが
    出てくるのでかなりのハードです。
    それがすべての鍵なので...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    せどり男爵と呼ばれる人から聞いた話を本にしたという体裁がとられている。ビブリア古書店からこちらにたどり着いて読んでみた。内容は古書と古書を取り巻く人間にまつわる話。
  • せどり男爵数奇譚
    「本好き」にもいろいろある。もちろん一般的には、本の内容が好きな人のことを言うのだろう。だが、本それ自体が好きになってしまう人もいる。

    言うまでもなく、せどり男爵は後者にあてはまる。男爵の古書に対する熱意はすごいものだ。もっとも、本の価値を値段で教えるあたりは(前者タイプの筆者、そして読者のために...続きを読む
  • せどり男爵数奇譚
    ビブリア古書堂~にて紹介されていた作品、古書に魅せられ囚われた人達の古書にまつわるエピソードを「せどり男爵」こと笠井菊哉氏の語りで、作者自身が拝聴するという体裁で綴られる。

    短編集でありそれぞれのエピソードに、蒐集家の悲哀やら妄執やら怨念やらがぎっしり詰め込まれてる。文句ナシに面白かった。古書に限...続きを読む