陣内秀信のレビュー一覧

  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
    水の視点から東京の町を見つめ直した評論。運河や川のはり巡る下町だけでなく山手から多摩地区まで広げた包括的な視点が素晴らしい。

    「東京の空間人類学」の筆者の近著。最近のブラタモリやスリバチ地形のブームを反映しアップデートされた内容。明治期までの水運の視点から羽田や浅草など漁村視点、山の手から武蔵野へ...続きを読む
  • イタリア 小さなまちの底力
    イタリアの魅力を実生活や身近な出来事のみで論ずる本は多い中、これは都市を取り上げており、感情論に終始しないのがいい。パッセジャータの効能を知った感動は大きかった。
  • 中央線がなかったら 見えてくる東京の古層
    高円寺在住なので、とても興味深く読んだ。今まであまり意識しないで歩いていたけど、この本片手に歩いてみようと思う。
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
    陣内先生の東京の空間人類学を、35年の年月を経て大幅アップデートという感じの本。今回は範囲を多摩の方まで拡げています。なるほど先生は杉並の出身なのか。湧水と川が生活導線の中心となって、そこに文化も生まれるという流れが見えます。一度武蔵野台地もアップダウンを体感しながら歩かんといかんな。
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
    5月の天気のいい土曜日、友人に誘われて京浜運河で初めてのカヤック遊びを楽しみました。すいすい進む感覚も面白かったのですが、普段見ることの出来ない視点から東京(の一部)を見れたことにテンション上がりました。陸に上がって昨年からの積読だった「水都 東京」を開いた訳です。著者については大昔テレビの番組でヴ...続きを読む
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
     一応まちづくり系の部署にいるものとして、東京の基層からどういった都市が形成されているのかを知ることができ、とても勉強になってよかった。
     東京はやはり水の町であり、水運な活性化などもっと行われたらおもしろいのかなと思った。神社や集落が水辺に沿って集まっているというのもとても興味深く、実際にいろいろ...続きを読む
  • 興亡の世界史 人類はどこへ行くのか
    世界史についての本。
    興亡の世界史というシリーズの中の最終巻。2007年に出されていたが、文庫化されるにあたって新しく手直しされたもの。
    従来の世界史というのは西洋史を中心としたものであったが、本書ではそれに対してもっと多文化的で中立的な世界史を提唱している。
    人口問題については、人口バランスとその...続きを読む
  • 興亡の世界史 イタリア海洋都市の精神
    「イタリア海洋都市の精神」ではなく、
    ・海洋都市の成り立ち
    ・海洋都市の歴史
    ・海洋都市の特徴的な建造物や、街の構造
    ・古い建造物を生かした現在の街作り
    こればっかりだった。
    これについては、ものすごく詳しく熱心に。

    ヴェネチアの街作り/建造物についての、アラブ世界の影響に関しては、とても興味深か...続きを読む
  • イタリア 小さなまちの底力
    ボローニャのスローガン 「保存は革命である」
    質的充実への道

    その土地の個性、歴史や文化の蓄積にこだわり、
    人間の感性にぴったり合った質の高い生活環境をつくる。
     
    「保存」conservazioneから生活できる「修復再生」restauro
    ricupero

    restauro
    「老朽化し、...続きを読む
  • イタリア 小さなまちの底力
    なかなか、中身も厚くじっくり読むことができた。
    やはり日本人とイタリア人では住むという考え一つとっても大違いで、陽気さや人懐っこさをふんだんに公共性を発揮できるシステムが整っているようだ。
    住むということは、ある意味で人生哲学がそこに反映される。自分らしい住まいを演出するそのセンスは脱帽だ。

    ただ...続きを読む
  • カラー版 地中海都市周遊
     全編、建築史家とフランス近代史家の著者二人の対談という形で進む。視点はあくまで建築の方なので、建築が好きじゃないとツライが、好きならば、日本とはまったく風土が違うかの地の建築様式や建築理念がわかって面白い。
  • 興亡の世界史 イタリア海洋都市の精神
     イタリアを代表する中世に活躍した4つの海洋都市の歴史を描いた本である。イタリアは古代ローマ帝国から本当に豊かな歴史物語に溢れている国であるが、ローマ以外のこれらの都市もローマに劣らないほどの活躍をしている。
     ヴェネチアとジェノバはそれなりに有名だが、4つの海洋都市のアマルフィとピサの活躍は知らな...続きを読む
  • 中央線がなかったら 見えてくる東京の古層
    東京を東西に結ぶ大動脈の中央線は街の新参者で、それを外せば古くから横たわる街の骨格が見えるとのコンセプトで新宿から始まり日野まで綴られている。訪れたことがある街以外はあまりイメージか湧かなかったが、興味深く読めた。今はどうしても中央線沿線周りが街の中心だが、そうではなくかつては別の場所に中心があった...続きを読む
  • 興亡の世界史 イタリア海洋都市の精神
    歴史というよりは旅行記のような印象。youtubeでそれぞれの港町の旅歩き動画を見ながら本を読むと現地を旅しているような感覚を味わえる。ただ歴史をもう少し詳しく知りたかった
  • 中央線がなかったら 見えてくる東京の古層
    中央線大好き民だったけど、古道・街道沿いの歴史から見ると異質な鉄道なんですね!というか低コスト、地域住民を慮れば盛り上がっていない田園沿いにインフラ引くのは当たり前か…。寺社仏閣や城跡、川など地理考察が好きになるきっかけになりそう。いつか自分もブラタモれるかなあ。
  • 中央線がなかったら 見えてくる東京の古層
    <目次>
    対談  近代以前の東京の原型を探る(陣内秀信VS三浦展)
    第1部  中野・杉並編
     第1章  新宿~中野…青梅街道から中央線へ移動した軸
     第2章  高円寺…前近代の宗教地域から近代軍事都市へ
     第3章  阿佐ヶ谷…聖域・湧水・古道・河川・釣り堀から読む地域構造
    第2部  多摩編
     第4章...続きを読む
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
    <目次>
    第1章  隅田川~水都の象徴
    第2章  日本橋川~文明開化・モダン東京の檜舞台
    第3章  江東~「川向う」の水都論
    第4章  ベイエリア~開発を基層から考える
    第5章  皇居と濠~ダイナミックな都心空間
    第6章  山の手~凸凹地形を読む
    第7章  杉並・成宗~原風景を探る
    第8章  武蔵野...続きを読む
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
     『東京の空間人類学』を読んだ頃を懐かしく思い出しながら本書を読み進めた。

     水の都、東京を巡って、時間的には古代から現代まで、空間的には下町、山の手から、これまであまり取り上げられてこなかった杉並、武蔵野、さらに多摩といった東京全域へと、著書の歩みは広がりを見せる。土地の高低や凹凸などの地形を具...続きを読む