「科学的である」とはどういうことか、についてのエッセイ。
かなり古い本のため、現在分かっていることとどれくらい合っているのか
分からないが、現代物理学の基礎になった重大な発見の周辺の
エピソードは、有名な内容だが、何度読んでも面白い。
本書の大まかなメッセージは、
科学は再現可能であることが必要
...続きを読むである、ということで、
再現が難しい事象については適用しにくい。
統計手法によって、全体としての再現性は得られたが、
一つひとつの挙動については今の科学では解明できそうもない。
だが過去にも科学者は制約の中でさまざまな発見をして
知識を深めており、まだまだ未解明で残された領域についても
少しずつ知識を深めていくに違いない。
…という内容。
エッセイなので、科学の方法について厳密に論証しているわけでもなく、
また著者自身も特にこれだという考えがなさそうである。
だがそれが逆に、自分でニュートラルに考えることができてよかった。