赤瀬川原平のレビュー一覧
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赤瀬川原平のエッセイ『新解さんの謎』を読みました。
赤瀬川原平の作品は昨年10月に読んだ『老人とカメラ―散歩の愉しみ』以来ですね。
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辞書の中から立ち現われた謎の男。
魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない―。
「新解さん」とは、はたして何者か?
三省堂「新明解国語辞典」の不思議な世界に踏み込んで、抱腹絶倒。
でもちょっと真面目な言葉のジャングル探検記。
紙をめぐる高邁深遠かつ不要不急の考察「紙がみの消息」を併録。
たとえば──[ばか]人をののしる時に最も普通に使うが、公の席で使うと刺激が強過ぎることが有る。
[実社会]複雑で、虚偽と欺瞞とが充満し、毎日が試練の連続であると言え -
Posted by ブクログ
ネタバレ辞書にも個性があって、辞書を作る人の見ている世界がじんわりと染み出てくるのだな、と思うといとおしく思えてきた。三浦しをん「舟を編む」の世界ですね。
新明解国語辞典はミスを恐れず、日本語を明解にするためにどんどん解説サービスをする。辞書の読者(?)は実感をもって日本語を理解することができる。
今は辞書を引かずに言葉の意味をネットで検索する時代だけれど、新解さんのような一本筋の通った辞書を使って自分の言葉を形成していくと、ほかの人とは違う自分なりの言語世界ができるかもしれない。
用例で、金周りに困っている内容が多かったり、自分の好きな食べ物の解説にはすなおに「美味い」と言ってみたり、チャーミ -
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオで紹介されていたのをきっかけに気になってしまったコチラ。
赤瀬川原平さんのお名前は存じあげていたものの、詳しくは知らなくて、読売新聞で人生案内の回答してなかったかな…って思ってたけど調べたら出てこなかった。たぶん誰かと間違えてるんだろうな。
さてコチラの本。
大きく前編と後編に分かれていて、前編はタイトル通り新解さん…三省堂から出ている新明解国語辞典の内容、おもしろい用例などに独自の視点で愛あるツッコミを入れていく、というもの。
これがまた本当に面白い。
ゆる言語学ラジオでも紹介されていて、わりと詳細にこの辞典の出来上がった背景などを知っていたので、何も知らずに読むよりはかな -
Posted by ブクログ
『トマソン』で有名な赤瀬川原平の初期のエッセイにシュルレアリスティックなイラスト付きで。
大分に疎開した小学校時代の赤瀬川少年は、おねしょが治らず修学旅行にも行けなかった。おねしょによって、少年のネル場所だけ、畳が変形してしまうほどに。
赤瀬川原平だから、愉快なエッセイに違いないと決め込んで読み始めたら、妙に純文学的なひねくった言い回しに、面白い方向に行きかけたままテーマを忘れて拡散するように終わってしまう。電子書籍でせいぜい10ページというエッセイなのに、おねしょの話くらいしか頭に残らないという不思議な本である。
それもそのはず、赤瀬川原平名義ではなく、小説家としてのペンネーム尾辻克彦 -
Posted by ブクログ
年寄りが集まるとどうしても話題は病気と墓に行きつくのは良く経験しているところである。あの赤瀬川サンにしてもいよいよそこへ行きついたということのようだ。(そう言えば後書きで胃がんの摘出手術をしたとある。どうりで最近はめっきりと年老いた感があるはずだ)
もともとは赤瀬川家も鹿児島の出身で父の世代に東京へ出てきて、父母が両方亡くなったのを機に東京郊外の霊園に墓を何となく決めて買ったらしいのだが、そこは電車を何度も乗り換え、おまけにバスで更に奥地へ行くような場所。先祖に申し訳ないと言いつつ、遠くて行く気がしないし近くに何も楽しみもないので、墓参りに行く気分になるような場所は無いかと探す活動、即ちそれ