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犬は風景を見るのだろうか? 四角い画面。四角いファインダー。その四角形はどこからやってきたのだろう……。前衛美術家・漫画家・芥川賞作家である赤瀬川原平が、晩年に遺した「こどもの哲学 大人の絵本」第2弾。文明論的な考察にまで思索をめぐらせ、読者を「眼の冒険」にご招待します!
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Posted by ブクログ
「?」と思ったこともないようなことに疑問を持っていること、またその疑問に読者が興味を持って読み進められるように構成されているところがすごいと感じた。絵と文字の配置も面白く、歴史のようなものを語っていても長々と話しているなぁという印象はない。気づいたら読み終わっているほど引き込まれていた。
毎度毎度面白いし、絵本という構図上、純粋な気持ちで読み進められて楽しい。書店をあちこちまわって見つけられなかったが、個人書店に置いてあってすぐに手を伸ばした。
2022.08.30~08.31 小学生の時、担任の先生が算数の時間に、「点がいくつも集まって線ができる。そして、その線がいくつも集まって、くっついて四角形ができる」と話していた。 確かに、そうだな、と思っていたが、その歴史については考えたこともなかった。 考えさせられることがさらっと表現されてい...続きを読むることに、凄さを感じた。素晴らしい本です。読めて良かった。
著者である赤瀬川原平らによる『路上観察学入門』に書かれてあった「子供の科学」というものを体現したような本だった。 赤瀬川氏の好奇心と着眼点にはいつも目からウロコで、日常の目線に奥行きが出る感じがする。 四角形は自然界には存在せず、人が生活の中で見つけた合理的なカタチである。納得。
荒木博之さんのvoicy、マイブックカフェのコーナーで紹介されていた本。 赤瀬川さんの著作は新解さんの謎以来で2作目。 確か、子どもと一緒に読み継ぎたい本として紹介されていたのだが、鉛筆描きのような、ゆるく味わい深いタッチの絵に、そこまで長くないセンテンスが添えられていて、大人なら10分あれば読み...続きを読む通せる。 絵だけ眺めるのも楽しいが、文章が秀逸。 こんなに簡単で短い文章なのに、今まで考えたことなかった、わりと本質的な問いに気づかせてくれて、その問いを考えることで、今まで見てきた世界の、新たな面白さを教えてくれる。 赤瀬川さんなりのこの問いに対する探究は、最後にはクルリと一周して、なんとも言えない心地良い余白と余韻を残す。 読書に不慣れな人でもたぶん楽しめて、何度でも読み返したくなる本。
絵のルーツ、風景画のルーツ、四角形のルーツを探っていくうちに、キャンバスの余白→人生の余白へと。 肩の力を抜いてくれるいい作品。 ヨシタケシンスケが好きな人はきっと好き。 赤瀬川さんといえば、亡くなったあと、ニラハウスはどうなったのだろう。
四角形の始まりなど考えたこともなかった。 言われてみると、なるほどと思った。 意外と簡単な事で全て繋がっているのかもしれない この本も「ではないだろうか」と言っているように、そうやって考えることが 無意味な余白を眺めることなのかもしれない
四角形が如何にして生じてきたのか、純粋な疑問をどんどん深掘りしていく形で進んでいく絵本。疑問を追求していくということへの構えを示しながら、こうした推論や歴史の追い方を、絵と文章を駆使して平易に伝えられるのは稀有なことだと思う。
「犬は風景を 見ているのだろうか?」 素朴な疑問から始まる 四角形への旅。 犬は食べ物などの 物件を見ているだけで 風景はぼんやりと しているのではないか。 赤瀬川はそう考えた。 それでは人間は いつから風景が見えるように なったのだろうか。 それは窓の発明によってだと 赤瀬川は想像する。 ...続きを読む自然界は曲線ばかり。 直線はめったに見られない。 しかし、人間は 同じものを並べるという 行為から直線を認識。 それを重ねるようになり、 そこから四角形が 生まれたと考えられる。 そして、洞窟から 石造りの家へ。 四角い窓が生まれる。 直線から四角形へ。 洞窟から石造りの家へ。 長い年月をかけて 人間は窓を手にする。 風景までもう少しだ。 ある雨の日。 狩りにも出かけられず、 家のなかで ボーっとしていたとき、 人間は突然に風景に出合う。 しかし。 それを確かに認識し、 絵画として描き始めたのは 印象派まで 待たなくてはならない。 こうして、人間は 四角形から風景へと たどりつく。 ゆるいイラストと 短い文章で 展開するこの旅。 軽やかでありながら、 哲学的でもある思索は、 雨の日、 私たちがふと眺める 窓の外の風景に、 新鮮な驚きをもたらしてくれる。
表紙にもなっている、コーヒーカップと雨の日の窓(兼風景画)の絵のページが好きだな。絵自体もいいし、章の切れ目になっていて、雨の音が聞こえてくるような余韻がいい。ヨシタケさんの解説によれば、こういう間の取り方が絵本としてとても上手いらしい。 四角形はどこから生まれたのだろう。この本は、その問いに対...続きを読むして答えを出したり、実証的な推論をしたりはしないが、想像力豊かに思索する楽しさを教えてくれる。
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四角形の歴史
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赤瀬川原平
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