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犬は風景を見るのだろうか? 四角い画面。四角いファインダー。その四角形はどこからやってきたのだろう……。前衛美術家・漫画家・芥川賞作家である赤瀬川原平が、晩年に遺した「こどもの哲学 大人の絵本」第2弾。文明論的な考察にまで思索をめぐらせ、読者を「眼の冒険」にご招待します!
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Posted by ブクログ
赤瀬川原平さん。天才の仕事。
鉛筆でサラサラっと、あるいは集中に任せて緻密に描き込んだスケッチ。フリーハンドなのにド正確。らくがきみたいな犬の挿絵。目が絵文字の➰みたいな一筆描きで、超テキトーなのに、妙にかわいい。
文章も楽しい。
かつての人間は、対象物だけを見て、その背後に広がるものには意味を見いだしてこなかった。それはいうなれば「犬の目」。
やがて文明が育つ。住居を建て窓を得ること、あるいは画布を仕立て絵を描くこと。自然界にはなかった「直線」を組み合わせて「四角形」を作り出す行為。
四角形のフレームを得て「余白」を見いだすことで、今まで見ていなかった背後のアレコレが「風景」となった。
データもうんちくも振りかざさずに、サラサラと連ねる「絵画の歴史」「風景の歴史」。
短い文なのに多くのものを含んでいて、読む前とあとで風景の捉え方が変わる。これが感性であり教養ということなんだろうか。
素で持っているものの大きさに包容される心地よさ。
イヤモニもAI補正もないのに、ピッチもテンポも完璧、ついでに声量もバケモノ級な天然天才ベテラン歌手みたいな風格。
天才だなあ。
あとは特に意味のない余談。
自然のなかに直線、あるよね。それは水平線。そのこともちゃんと触れてある。
水平線や地平線で画面をまっすぐ区切った、質感以外になんにもない写真を撮るのが好きです。たとえば曇天と雪原なんて、ほんとになんにもないただのグラデーション。撮ってどうするというわけでもないんですけど、好きです。
以上、ほんとに意味のない自分語りをしでした。おしまい。
Posted by ブクログ
荒木博之さんのvoicy、マイブックカフェのコーナーで紹介されていた本。
赤瀬川さんの著作は新解さんの謎以来で2作目。
確か、子どもと一緒に読み継ぎたい本として紹介されていたのだが、鉛筆描きのような、ゆるく味わい深いタッチの絵に、そこまで長くないセンテンスが添えられていて、大人なら10分あれば読み通せる。
絵だけ眺めるのも楽しいが、文章が秀逸。
こんなに簡単で短い文章なのに、今まで考えたことなかった、わりと本質的な問いに気づかせてくれて、その問いを考えることで、今まで見てきた世界の、新たな面白さを教えてくれる。
赤瀬川さんなりのこの問いに対する探究は、最後にはクルリと一周して、なんとも言えない心地良い余白と余韻を残す。
読書に不慣れな人でもたぶん楽しめて、何度でも読み返したくなる本。
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