赤瀬川原平のレビュー一覧
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尾辻克彦の名で芥川賞を受賞した著者が、身の回りのものを題材に、奇想を展開しています。
雑誌『現代詩手帖』に連載されたとのことですが、とくに「電球」の項などは詩的に感じました。たとえば次のような文章があります。「おかしいですよね、電球というのは。あの電線のビリビリが溜まり溜まって垂れ下がった、雫のような形のガラス球の中は、真空なのです」。「危ないですよね。あの中には地球の外があるのです。あの中は外だ。だから良く考えると、地球は反対にあの電球のガラスに包まれているのです。あんなに薄いガラスの皮で、地球は外から包まれているのです。」「そんな宇宙空間を、ぽつんとガラスの皮で閉じ込めた電球が、私たちの -
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ネタバレ前半と後半で収録されているものが違います。
前半は純粋にかなり好みでした。もともと『VOW』とか、みうらじゅんのセンスが好みですので、この感じはたまらない。
新明解国語辞典の用例のセンスを、バカにするでもなく、激しくツッコミを入れるでなく、その言葉の選び方から新明解国語辞典の「人格」を見出していく感覚、とてもいいなと思いました。
多分バカにするだけならいくらでもできる。
また、後半は「紙がみの消息」という、前半とは無関係の紙にまつわるエッセイ集でした。無関係なのでこれは含まれてなくてよかったと思いました。
内容としては執筆時の1996年(2026年からすると、なんと30年前)の紙まわりの事情 -
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荒木博之さんのvoicy、マイブックカフェのコーナーで紹介されていた本。
赤瀬川さんの著作は新解さんの謎以来で2作目。
確か、子どもと一緒に読み継ぎたい本として紹介されていたのだが、鉛筆描きのような、ゆるく味わい深いタッチの絵に、そこまで長くないセンテンスが添えられていて、大人なら10分あれば読み通せる。
絵だけ眺めるのも楽しいが、文章が秀逸。
こんなに簡単で短い文章なのに、今まで考えたことなかった、わりと本質的な問いに気づかせてくれて、その問いを考えることで、今まで見てきた世界の、新たな面白さを教えてくれる。
赤瀬川さんなりのこの問いに対する探究は、最後にはクルリと一周して、なんとも言えな