井上浩一のレビュー一覧

  • 生き残った帝国ビザンティン

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    ネタバレ

    ドラマティックな政治を求めるなら専制君主だよね。やっぱ帝国はイイね。民を振り回してる政治って傍観してる方からすれば非常に魅力的。

    文章がなんかすごくすっきりしていた。
    文章の(問題提起)→(論説)→(結論)がシンプルで読みやすかった。

    それにしても、やっぱローマは政治だよね。なんといっても政治だわ。
    良くも悪くも政治にドラマがある。まぁ後世の人が完全にドラマ化しているわけなんだけど、ドラマ化できるだけの何かがある。
    それは人を振り回しているかだと思う。振り回される人々がいるからトラジェディーがあるし、強権を振るう人がいるからヒロイズムがある。権力に慢心する輩がいるからコメディーにもなるしね

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    2013年01月11日
  • 生き残った帝国ビザンティン

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    今の世界史教育においては、西ローマ帝国の滅亡をもって『ローマのおわり』と説明するのがが通例となっている。ところが、実際にはローマ帝国の正統に継承したビザンティンは、その後も1000年にわたって命脈を保っており、その首都であるコンスタンティノープルは、経済的にも文化的にも往時のローマにも匹敵する大都市であった。西ヨーロッパ世界とイスラム世界の中間にあって、独自の文化を形成していたこの帝国、世界史を学ぶ上で重要な意味を持つはずなのに、どういうわけか教科書での扱いは非常に限定的である。
    ビザンティンという帝国は面白いことに、発展と衰退を何度も経験しているが、それが可能だったのは伝統を保ちながらも行政

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    2010年10月04日
  • ビザンツ皇妃列伝 : 憧れの都に咲いた花

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    [ 内容 ]
    黄金の満ち溢れるきらびやかな文化、帝位をめぐる血なまぐさい陰謀…。
    古代ローマ帝国の東西分裂の後、5世紀から15世紀半ばまで、ビザンツ帝国一千年の興亡を、庶民から他国の王女まで8人の皇妃の伝記として描き出す。

    [ 目次 ]
    妃たちの生きた世界―ビザンツ帝国へのいざない
    1 アテナイス・エウドキア(四〇一~四六〇年)―ふたつの世界を生きた悲劇のシンデレラ
    2 テオドラ(四九七頃~五四八年)―「パンとサーカス」に咲き残った大輪の花
    3 マルティナ(六〇五?~六四一年以降)―近親相姦の罪に泣いた心優しい姪
    4 エイレーネー(七五二頃~八〇三年)―権力の魔性に溺れた聖なる母
    5 テオフ

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    2010年07月07日
  • 生き残った帝国ビザンティン

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    ローマの伝統を受け継ぎ、1千年続いたビザンティン帝国。拡大と縮小、繁栄と衰退を繰り返し、脱皮しながら生き延びた帝国の歴史を概観する。西ヨーロッパ世界、カトリック、イスラム、トルコと東西の狭間に位置しながらも東西交流の要衝として常に歴史の表舞台にあった帝国。キリスト教を公認し、国教とした帝国は、ローマの名を冠しながらも常に内外ともに危機にさらされ、変質を余儀なくされ、それを受け入れ続けることで生き延びた。著者は「革新」こそが帝国存続の真の条件だったと述べている。彼らを常に支えたのは「古代ローマ帝国の正当なる後継者」という矜持だったのだろうと思う。歴史の中に今なお生き続けるビザンティン帝国。その栄

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    2011年09月17日
  • ビザンツ皇妃列伝 : 憧れの都に咲いた花

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    著者は歴史学者。
    わかってる。わかってるけどね、史料批判だけで皇妃の素顔を暴くってのはやっぱ厳しい。でも本人も「この本はただの歴史考証本ではない」って言ってて、限界を承知の上でやってるからそれは許せる。どのページか忘れたけど、急に整合性のない記述が出てきたところがあった。そこだけ残念。

    批判はあるけれど、今気軽に東ローマの歴史が知りたいって時に読める本って正直これくらいしかないと思うから、三点。

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    2012年01月29日