永江朗のレビュー一覧
-
本の現在(2005から2007の原稿)を制作側と読者側の両方から考えている本。
本書の特徴は何といっても著者の想像や推測の産物ではなく、関係者へのインタヴューや統計資料を基に考察が行われているという点。
そのため楽しく読め、かつ、他の本では扱われていない現場(編集プロダクションなど)の声も汲み取...続きを読むPosted by ブクログ -
自分は、バブルの記憶もなく、セゾン美術館閉館の年(1999)に上京した人間なので、直接その時代を知らない。しかし、東京で暮らすうち、セゾン文化を出自とする先人の多さに驚き、本書を読んでみた。
登場するアーティスト・文化人の顔ぶれに、まず、圧倒される。堤清二個人をなしに、セゾン文化は生まれなかったが、...続きを読むPosted by ブクログ -
“80年代はスカだった”という言説を聞いたことがありますが、成熟消費社会において、モノからコトへの意識変革がなされたのは、やはりこの時期だったのだと思います。その中でセゾンはその時代のトリックスターの役を果たしたのだと感じました。文化は産業化しうるのか?芸術は経営と対立するものなのか?その問い掛けが...続きを読むPosted by ブクログ
-
発行部数の増加→1冊あたりの販売部数の低下→返品率の増加(4割)
出版社は納品数より返品数が多くなる事態を避けるため、納品数(新刊数)を増やす→→本の短命化(1冊の本が書店に並ぶ時間が4分の1に)
出版社が本の内容の良さを保障していないことが問題
漫画誌→ネットへ→出版社が楽になる
インター...続きを読むPosted by ブクログ -
80年代後半からセゾン文化の崩壊は始まっていたとはいうものの、90年代前半学生だった自分は六本木WAVEでバイトをし、シネヴィヴィアンで映画を観、足繁くリブロに通うことでこれまでに経験したことのない何かを確実に吸収した。その時はまったく意識していなかったが、そういう意味で自分もセゾン文化の影響を受け...続きを読むPosted by ブクログ
-
セゾン美術館付属の書店で働いていた永江朗が書いた自分とセゾンの歴史。バブルの象徴ともみなされ、ニューアカブームなどもあり80年代を席巻した西武の文化事業を内部で働いている人間の視点から、関係者の証言を得て書いている。非常に多くの人間が登場するが、趣旨としては堤清二、パルコの創設者・、西武ニューアート...続きを読むPosted by ブクログ
-
紀国氏の章と辻井喬の章が面白い。◆増田通二(パルコ社長)が亡くなって、紀国、辻井、増田をベースに企画していたことが出来なくなったとあった。◆◆文化事業部という相反する機能について。◆やりたい、やる、やれるの間に隔たりがあること。◆サロン的な場所、それがセゾン美術館・アールヴィバン。◆◆文化に淫するな...続きを読むPosted by ブクログ
-
セゾン劇場のジーンズシート、シネヴィヴァン六本木で観た映画、無印良品、NADiff…大学生になった頃にはバブルはとっくに崩壊していたけれど、それでも知らず知らずのうちにセゾン文化の恩恵(?!)を受けてきたんだと知る。
無印良品の章、堤清二/辻井喬氏へのインタビューの章が特に興味深かった。Posted by ブクログ -
1990年代の出版界の状況を書いた佐野真一の本を読んだことがありますが、この本は2005年以降の本の読まれ方と出版界の現状についてまとめています。
最近、通勤電車に乗っていて、本を読んでいる人が増えているように思います。90年代はマンガ本か雑誌や新聞、2000年頃から携帯電話やゲーム機で遊んでいる人...続きを読むPosted by ブクログ -
批評家の人物紹介の本。どういう経歴を持っているのかとか。名前は知っているけど、よく聞くけどよくわかんないなーって思っていた人のことがすこしわかる。Posted by ブクログ