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Posted by ブクログ
自分は、バブルの記憶もなく、セゾン美術館閉館の年(1999)に上京した人間なので、直接その時代を知らない。しかし、東京で暮らすうち、セゾン文化を出自とする先人の多さに驚き、本書を読んでみた。
登場するアーティスト・文化人の顔ぶれに、まず、圧倒される。堤清二個人をなしに、セゾン文化は生まれなかったが、セゾン文化自体は様々な思惑を持ったそれぞれが勝手に形成していた、という理解で良いだろうか?
また、企業が営利以外で社会に働きかける事の是非についても考えさせられる。企業が文化活動をする事が、いかに困難を伴うか……。「直接お金を生まないものに対する感情──嫉妬と羨望と軽蔑と憎悪」があった事を指摘する記述が印象に残った。
Posted by ブクログ
80年代後半からセゾン文化の崩壊は始まっていたとはいうものの、90年代前半学生だった自分は六本木WAVEでバイトをし、シネヴィヴィアンで映画を観、足繁くリブロに通うことでこれまでに経験したことのない何かを確実に吸収した。その時はまったく意識していなかったが、そういう意味で自分もセゾン文化の影響を受けた一人だ。
HMV渋谷の閉店、ミニシアターの相次ぐ閉館、電子書籍の登場による出版・書店への影響が叫ばれる一方で新たな個性を持つ書店が現れていることなど最近の出来事は大きな環境変化下のこととはいえ、何かセゾン文化の終焉の延長および再生のような気がしてならない。(とは大袈裟かもしれないけど、HMV渋谷閉店のニュースを聞いた時は六本木WAVE閉店のデジャヴのような気がした。)
しかし堤清二という人は興味深い。経営者にして小説家・詩人、元共産党員。ロシアとの交流のくだりは抜群に面白い。もうあのスケールで文化の情報発信を企業として取り組める経営者は出てこない気がするし、今の時代に同じこと・やり方は必要ないかもしれない。でもこの時代に適した形でセゾン文化的なものの再生が可能ならばもう一度ワクワクしたい。セゾン文化的なものなんてどこにも確かなものなんてないのだけど。
Posted by ブクログ
西武文化とは無縁です。僕の地域には西友があります。西武優勝バーゲンぐらいです。それは、鉄道であり、セゾンではありません。ラジオで紹介されていたので、購入しました。面白かったです。ただし、大満足というわけではありません。焦点を絞るべきではなかったのか。例えば、展覧会に関する部分です。フリーの評論家がコミットできた唯一の美術館だった。公立の場合、学芸員が独占します。西武の場合、素人でした。そのため、外部の評論家に頼らざるえませんでした。これ自体はいいのです。問題はここからなのです。一つの展覧会に絞ってかけなかったのでしょうか。そうすれば、予算も伝説であることがわかります。入場者数もわかります。堤清二さんのインタビューは長すぎるかな。そんなところです。
Posted by ブクログ
セゾン美術館付属の書店で働いていた永江朗が書いた自分とセゾンの歴史。バブルの象徴ともみなされ、ニューアカブームなどもあり80年代を席巻した西武の文化事業を内部で働いている人間の視点から、関係者の証言を得て書いている。非常に多くの人間が登場するが、趣旨としては堤清二、パルコの創設者・、西武ニューアートの創設者・の三角関係で西武文化事業が生まれたとの見解。最後は堤清二との対談となる構成。確かに清二の古い価値体系を壊し、新しい価値体系を作りだそうとする意欲、権力への反感、卓越した世界観はコメントからも十分に伺いしれる。清二の元に集まったさまざまな人間がいろいろなものを生み出した。それがセゾン文化ではないかというのが永江の見解のようだ。
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