namoのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何の為に銅器を作るのかというプロダクトを求められた挑戦は修の原点を探る旅へと繋がるのか。そしてその原点は父親に通じていると
修の父親・征秀って断片的な情報が多くてイマイチ人柄が理解しきれていなかったのだけど、想像よりも凄い人だったようで
「いずれは人間国宝」なんてそう貰える称号ではない。確かに木目金に関する話を聞いていると、これを自在に成形できるならばそれはそこらの職人と同レベルと扱うのは間違いであるように思える
修はそんなレベルを目指しているのか…
遥かな高みだから今の修では辿り着けない。その意味ではゆりとのコラボ商品に木目金を選ぶのは高望みであるが、修が何の為に銅器を作るのかと一点を極める上では避けて通れない至高
木目金へ辿り着く為の一歩である積層金属、それに銅とステンレスというコラボを見出したのは良いけれど、修は職人だからそれを打ちたいという欲は有ってもどう活かすかという点では未熟
そこでこそ、ゆりという異なる考え方を持つ人間の助けが活きてくるわけだ
ゆりとのコラボは修の可能性を広げるつつ、他方で彼女が齎す人脈や人の活かし方はしいなの参考になるものだね
今回のコラボは事前に想像していた以上に二人に良い作用を生みそうだ
作品を作り出すまでは修の出番。作り終わってからはしいなの出番
出来上がった作品はどれも素晴らしく芸術性を感じられるのに、生活環境で役立てる事を意識しているとも明確に感じられるもの。職人芸でありながら実用性があり、同時に鎚起銅器文化を知らしめるもの
しいなによる説明は人を惹きつけつつ、出来上がった作品への興味を惹くものだね。正直、しいながここまで人を虜にする演説が出来るとは思っていなかっただけに本当に驚かされた
修としいなが共同作業した際にどのような光景が生み出されるか早くも目撃できた一件。それだけに今回の原動力が若干のノロケっぽかったのはちょっと笑ってしまったけど、それでこそ修って感じだなぁ(笑)
ゆりとのコラボによってしいなが進むべき方向性ははっきりした。ここから一歩ずつ進むかと思いきや、早くも企画書を書き上げたのは驚き。行動力が凄い
ただ、そこには少しの間違いがあったようで。確かに誰彼相手でも企画書が必要かと言われれば違うか。でも、「iPadはインターネット」なんて格言はジェネレーションギャップが大きすぎてちょい理解できないけども……
しいなの遣り方には間違いが有った。そしてゆりに正しい遣り方を教えて貰った
そこで職人向きの遣り方へと安易に迎合せず自分なりの遣り方でありながら職人にも通じる遣り方を見出すしいなは凄いね
その上でFAXの使い方を覚えて、総一郎にはSNSを使わせた
相手の懐に入らせたらしいなの右に出る者は居ないね
工場を使った展示会、そこにあさひも作品を置くようだけど、この機会は彼女に職人への道を開くものとなるのだろうか? -
Posted by ブクログ
修はまだ若輩者だけど、賞を取っていたり注文を受け付ける事もあったりと既に職人として歩み始めているように思えていただけにこの巻で指摘された諸々には驚かされる部分が有ったな
腕前が未熟という話ではなく、職人として生き残っていく上で必要な技能の話。言ってしまえば四条が引退を決断するに至った理由の一つでも有るのだから重く響くね。彼も75歳まで第一線で活躍してきたのだから実力不足という話ではないのだけど、新たな時代の需要に付いて行けないなら職人でも必要とされない
それが総一郎が修に対して抱いた危機感であり、今の修なら改善できる部分という事か
これまではしいなとイチャイチャしつつ伝統工芸に身を投じる修の姿が描かれてきたけど、家業の存続という面がこの巻で強調された事で修のステージが一段階引き上げられたように思えるよ
そうして新たに登場した職人のゆりはキャラこそ濃いけれど、修とは違う立場で番頭として活躍している彼女やその工場との交流は修にとって良い刺激と成りそうだ
ただ、燕三条で工芸に携わる人間ではあっても日々身を投じる作業は異なる修とゆりはどのようにコラボしていくのだろうね?
作中で指摘されたように銅器と刃物では素質は全く異なる。それでも銅器と刃物をコラボさせる突破口を見つけようと思うなら互いの工芸だけでなく、互いの人間性すら理解していく必要がある
その中で見えてくるのが修の職人として弱点となるのは面白い
番頭として工場の『プロダクト』に責任を持つゆりだからすぐに気付ける修の問題点。それは銅器の作りが甘いという話ではなく、使い易さの領域が狭いという意味での固さか
…そういう弱点が披露された直後にしいな相手であれば、その問題が発生していないと判ってしまうのは何とも言えないけども(笑)
修には未踏の職域。けれど、修の突破口となるしいなが傍に居るならば案外難しい話にはならないかもね
その第一歩が描かれたのが36話かな
”かわいい”が足りてないなんて無茶苦茶なオーダーで作り出したのはネコのブローチ。修と総一郎だけであれば、作る事は決して無かっただろう”商品”。しいなのアイディア力が活きた形だね
……それが修には全くマッチしていなかったのはやっぱり向き不向きの問題なんだろうか(笑) -
Posted by ブクログ
しいなと修、最初の出会いが描かれる23話。
修にとっては突然飛び込んできた見知らぬ少女。けど、初対面の頃から今に繋がる遣り取りの萌芽を感じられるね
ひたすら銅に向き合う修、そんな彼の世界を広げるしいな。かといってそれは一方通行ではなく、時には修の方からしいなの体験を広げるきっかけを与えもする。素晴らしい関係性の二人だよ
でも、そんな相方であるしいなでも立ち入る事が難しい領域が職人の空間
作品制作の為に他を疎かにして銅を叩き続ける修に寂しさを覚えたしいなが会いに行っても彼は銅から意識をほぼ外さない。というか人間的活動である食事や風呂を後回しにしてしまうくらいに彼は他の要素を自身から締め出していた
そんな彼へ貢献の余地が有るとすれば、仕出し弁当の用意となるわけか
後回しにしても本当の意味で接種しないわけではない食事。それに冷めない温もりと愛を込めて彼を見事帰宅させたしいなは最高の相方だよ!
そういや、前巻から妹弟子のような形になったあさひは本格的な修行はまだでも、少しずつ銅板叩きに精を出し始めているようで
咲から専用の鎚を与えられたのは、彼女に銅叩きをするに値する人間と認められた証なのではないかと思えたよ
……一方で認められたあさひが妙に咲を尊敬しているのは気にならないでもないけど。確かにあれは女たらしだ(笑)
普段、銅にばかり目を向ける修が珍しく旅行を企画する29話からのエピソード
珍しすぎてしいなに銅器の取材と思われてしまうのは普段の彼の人柄が現れているね(笑)
あと、修が渾身の旅行案を練ったというのに、しいなの方が旅行慣れしていたのは大誤算か
修がリードするなんて難しい話。かといって「やはり自分には向いていなかった」となるのではなく、「しいなを楽しませて遣れていない」と純粋に落ち込む彼の姿は愛情に満ちている
そんな修に対して「十分楽しんでるし」と返すしいなの優しさが染みる…
しいなに貰った分だけ返したい。そんな彼の想いが籠もった旅行は当初の目的地には辿り着けなかったけど、それでもまた別の目的地に辿り着けた
貰うとか返すとかではなく、もっと純粋にしいなに対して「好きだ」と間違えずに伝えられた修は格好いいよ
ラストは「ゆうべはおたのしみでしたね」状態に
この二人にしては珍しい展開の気もするけれど、この旅行で二人はより夫婦に近づいたのだとも感じられたね -
Posted by ブクログ
自分達のペースで緩やかな交際を続けてきた修としいなも遂に同棲開始ですか。同棲を始めるにあたってもう少し悩んだり、想いを新たにしたりといった様子なくあっさりと一緒に住み始めてしまうのは、既に二人が一緒に居る事に違和感を覚えなくなっているからという背景がありそうだ
そうした心機一転なのか現状維持なのか曖昧だけど落ち着いたタイミングでやってきたのはお仕掛け弟子のあさひですか。ただ、修はまだまだ一人前と呼称する程には上達していないし、保護者の同意なく預かれるわけもない
そんなあさひに教えてやれるとすれば、修が今やっている事か
本作において、修は既に職人をしているししいなは修の仕事を理解しきれているわけではない。それだけに素人目線で解説を望む人員ってそういえばあんまり居なかったのか
ただ、あさひがそこまで知らないとなると気になってしまうのはあさひの本気度や高畠が孫に工場に触れさせなかった謂れだろうなぁ
修などは昔から職人気質だから何とかして技を身に着けようとしていた。それだけにあさひが本気か疑問に感じてしまい厳しく言ってしまう
でもあさひはこれから強くなっていくのかな?
修の優しくない言葉を直接受け止めて、俯かずに自分の行動を変えていくと宣言した。そこに嘘はないだろうからね
そして明かされた高畠があさひを職人にしたくない理由……
これはしいなが言うように職人ならではの大事な事を言葉にしない文化のせいだなぁ(笑)
以前にも修や職人の想いを代弁したしいなだからこそ悩むあさひの為に高畠の言葉が全然足りてないと気づけたし、これには口を挟まなければならないと考えられるのだろうね
その中でしいなが言及した番頭への志望。前々から美登を中心として彼女にそういった素質を見出していたけど、遂に本人もその気になりましたか
ここで面白いのは修の父祖に当たる人物達にも代弁者が居たという点かな。総一郎には雪が、征秀には雛が、そして修にはしいなが
作中で番頭の役割について言及されているけど、ああして職人を様々な面でサポートする人物が居るからこそ、職人はスムーズに銅器に打ち込めて、結果的に素晴らしい作品へと至るのだろうね
全く異なるタイプが惹かれ合って混じり合って丁度良い状態へなっていく。それはしいなが言うように愛と形容するしたくなるね -
Posted by ブクログ
口下手で職人気質な修、そんな修の入出力装置になっているしいな。パット見の印象はちぐはぐな二人だけど、長い付き合いによって息のあった連携が取れていることで掛け替えのないカップルになっているね
意思をうまく相手に伝えきれない修の想いをしいなが代弁して、しいなが見ているものを通して修は課せられた難題を乗り越えていく
美登は作中において、何度かしいなに番頭を勧めているけど、それは修の作品を世に送り出す上でしいなが大事な役割を演じているからなのだろうね
反面、修の考えている事をしいなが何でも判っている訳ではないというのは面白いね
8話においてしいなは修が向かい合う悩みを全く理解せず、買ってきたばかりの服を得意げに披露する。読者的にはしいなの可愛らしい姿が見られて御の字なのだけど、修はそんなしいなの姿から事態解決の糸口を見つけ出すという……
ちぐはぐな二人なんだけど、でも上手く回ってるんだよなぁ(笑)
12・13話ではまだ一人前とは言い切れない修に意外な依頼が飛び込んでいたね
単純に良い銅器を作ればいいと言うだけではなく、依頼主の希望に沿った銅器を作る。更には依頼主がその銅器をどのような状況で使おうとしているかを想像してデザインする
そういった意味では修がデザインした1つ目の銅器はとてもオーソドックスなものだったね。土地の概要を聞いて思い浮ぶ特徴をそのまま当て嵌めた銅器
だからこそ、旅館にて提供されたさり気ない職人芸が凝縮された料理を味わうことで違った視点からのデザインを必要としたわけだね
その為か2つ目のデザインは主張の少ないものになっているね。けれど、それが手抜きではなく料理を作る人にも味わう人にも寄り添ったデザインになっていると感じられる出来栄え
かといって二つのデザインのどちらかが劣っているというわけではないからどちらも採用されたのだろうけど。修は今回の一件を通して一回り成長できたようだね
そう言えば、この巻では鎚起銅器の魅力だけでなく、新潟や燕三条の魅力を伝えようとする描写も目立つね
時世的に遠出を躊躇してしまう難しい状況だから、遠い地の世に二つと無い魅力をこのような形で描写してくれるのは嬉しいね -
Posted by ブクログ
職人気質な修とギャルっぽいしいなによるラブコメ
この二人って最初から付き合っているし、何なら第一話で婚約までしてしまうからラブコメはラブコメでも恋のドキドキを味わうというよりも二人の何とも言えない日常に有る甘酸っぱさを味わう作品に仕上がっているように思う
修としいなってタイプ的に正反対な部分が多く、あまり関わりが無さそうな二人であるだけにどういう経緯で付き合うことになったか気になるね
一方で、この二人ってかなり意思疎通が図れているように思う。前述の通り、修は職人気質だから言葉は少ないし、想いを行為に示すことも少ない。妖怪銅叩きなんて呼ばれるくらいだし
そんな修に対してしいなは細かな機微から修の感情を的確に読み取っているんだよね。そして修もなんだかんだしいなの彼氏として充分に振る舞っている
だからこの二人は良いカップルに成り得る
印象的なエピソードを上げるなら第5話かな
修は妖怪銅叩きなんて呼ばれるくらいに寡黙に銅を叩く。祖父の総一郎も似たようなもの。だからどうしたって商談であったり、お客へのアピールは苦手としてしまう
それに対して修の価値観を理解しているしいなは彼らの想いや技術を代弁できるんだよね
失礼な態度も見せていたお客がしいなの宣伝文句から徐々に態度が変わって、購入に居たりあまつさえ銅器を長く使うためのメンテナンス方法を知ろうとするなんて驚きの展開ですよ
そういや、総一郎と結婚した雪も昔はバイヤーだったようだし、修や総一郎のような堅物職人気質には彼らの技術を理解した上で代弁してくれるような存在が伴侶としてお似合いという事だったりするんだろうか? -
Posted by ブクログ
“「ひ…姫路さん このご飯って どう作ったの?」
「ご飯ですか? 特に特別な事は してないですよ
えっとですね…
普通にご飯を お水で研いで 飯ごうに入れて 火を付けてですね…」
『う…うん そこまでは 問題ないね』
「あ…あと
ご飯は白くふっくら 柔らかいのが良いと 聞くので…
漂白剤と 柔軟剤を隠し味に…」
『それって… 綺麗に洗濯する 方法だよねッ!!』”
女装ムッツリーニが可愛すぎてやばい。
Thanks to S.M.
“「根本恭二 お前は三つ 勘違いしている
一つ 観察処分者である 俺の相方の力を 見誤った事
二つ 二人三脚は個々の力 よりもペアの相性が 大事だって事
そして何より 三つ目…
お前は人として やってはいけない事を やっちまった
まぁつまりだ
バカをなめたら 痛い目みるぞ」”