あらすじ
”鎚起銅器”とは、1枚の銅板を鎚で打ち延ばして作る銅器のこと。
新潟・燕にて200年以上の歴史を持つ伝統産業である。
『クプルムの花嫁』は、
鎚起銅器職人として修業を重ねる修(しゅう)と、
修にプロポーズされたギャル・しいな、
結婚秒読みのふたりの恋と成長を描く物語!
【6巻のあらすじ】
「銀座の百貨店の企画展に出す、目玉商品を考えてくれ!」
修は、お得意様からのオーダーを受けて、お隣の町・三条の職人たちと協同で準備を進める。
自分が打つべき銅を追い求めた修は、
かつて父が究めた幻の技術・”木目金”に辿り着き――?
長編シリーズ「異業種交流編」が完結の第6巻!
新潟の冬グルメを満喫するエピソードも2編収録です♪
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Posted by ブクログ
何の為に銅器を作るのかというプロダクトを求められた挑戦は修の原点を探る旅へと繋がるのか。そしてその原点は父親に通じていると
修の父親・征秀って断片的な情報が多くてイマイチ人柄が理解しきれていなかったのだけど、想像よりも凄い人だったようで
「いずれは人間国宝」なんてそう貰える称号ではない。確かに木目金に関する話を聞いていると、これを自在に成形できるならばそれはそこらの職人と同レベルと扱うのは間違いであるように思える
修はそんなレベルを目指しているのか…
遥かな高みだから今の修では辿り着けない。その意味ではゆりとのコラボ商品に木目金を選ぶのは高望みであるが、修が何の為に銅器を作るのかと一点を極める上では避けて通れない至高
木目金へ辿り着く為の一歩である積層金属、それに銅とステンレスというコラボを見出したのは良いけれど、修は職人だからそれを打ちたいという欲は有ってもどう活かすかという点では未熟
そこでこそ、ゆりという異なる考え方を持つ人間の助けが活きてくるわけだ
ゆりとのコラボは修の可能性を広げるつつ、他方で彼女が齎す人脈や人の活かし方はしいなの参考になるものだね
今回のコラボは事前に想像していた以上に二人に良い作用を生みそうだ
作品を作り出すまでは修の出番。作り終わってからはしいなの出番
出来上がった作品はどれも素晴らしく芸術性を感じられるのに、生活環境で役立てる事を意識しているとも明確に感じられるもの。職人芸でありながら実用性があり、同時に鎚起銅器文化を知らしめるもの
しいなによる説明は人を惹きつけつつ、出来上がった作品への興味を惹くものだね。正直、しいながここまで人を虜にする演説が出来るとは思っていなかっただけに本当に驚かされた
修としいなが共同作業した際にどのような光景が生み出されるか早くも目撃できた一件。それだけに今回の原動力が若干のノロケっぽかったのはちょっと笑ってしまったけど、それでこそ修って感じだなぁ(笑)
ゆりとのコラボによってしいなが進むべき方向性ははっきりした。ここから一歩ずつ進むかと思いきや、早くも企画書を書き上げたのは驚き。行動力が凄い
ただ、そこには少しの間違いがあったようで。確かに誰彼相手でも企画書が必要かと言われれば違うか。でも、「iPadはインターネット」なんて格言はジェネレーションギャップが大きすぎてちょい理解できないけども……
しいなの遣り方には間違いが有った。そしてゆりに正しい遣り方を教えて貰った
そこで職人向きの遣り方へと安易に迎合せず自分なりの遣り方でありながら職人にも通じる遣り方を見出すしいなは凄いね
その上でFAXの使い方を覚えて、総一郎にはSNSを使わせた
相手の懐に入らせたらしいなの右に出る者は居ないね
工場を使った展示会、そこにあさひも作品を置くようだけど、この機会は彼女に職人への道を開くものとなるのだろうか?