伊東乾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
素晴らしい!
東大卒の博識の指揮者でもある著者のクラシック入門書。
非常に分かりやすく、音楽に関する幅広い知見の中から面白いエピソードを散りばめています。
著者は東大理学部物理学科を卒業し、東大の大学院で理学系研究、および文化研究博士課程修了。
現在は脳認知生理学に基づく音楽表現の国際基礎研究プロジェクトを推進されておられます。
音楽はその作曲者の意図を理解するならホールで聴くべきだとありました。
正にその通りで、演奏される場所が土壁の教会なのか広い教会なのかによってバッハは曲作りを意図してたという説には非常に感銘を受けました。
ひいては現在の音楽についても言えます。
作曲者の本来の意 -
Posted by ブクログ
入門とあるが、結構奥深い。教会の建築様式がロマネスクからゴシックに変わったことや、宗教革命によって教会に大勢の人々が入り音が吸収されるようになったためにモノフォニーからポリフォニー(ドイツバロック)へ移行したとか、フランス革命によって芸術がキリスト教から解放され、魔女や妖精を取り入れた物語のある音楽(ロマン派)への移行した、といった歴史的背景は興味深かった。
また、擦弦楽器の中に入っている魂柱やチェロやコンバスのエンドピンが音を響かせる重要な役割を果たしていることや、舞台から効果的に音を聞かせるために様々な工夫がなされていることも知ることができた。
<関心を持った曲>
フランク:交響曲ニ短調 -
Posted by ブクログ
11.08.08-11.08.13
日経ビジネスの連載や twitter での書込がなかなか面白いので買つた本。著者は、東大の物理学科を出た音楽家といふ、型に嵌らない経歴の持主。
ネット上では本の評価は余り高くないやうだ。話が散漫である、事実関係が不正確である、といふのが主な理由だ。最近のツイートの説教口調が気に入らない、といふ人達もゐるのかも知れない。
特異な経歴の音楽家が自らの音楽観を語つた本で、音楽史学者の著作とは性格が異なる。知識には不正確な部分があるかも知れないが、自らの経験を基礎とした意見には一貫したものがあり、好感が持てる。近代の音楽についての情報が多いのも、バッハ、モーツァルト