竹田いさみのレビュー一覧

  • 物語 オーストラリアの歴史 新版 イギリス植民地から多民族国家への200 年

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    ネタバレ

    【感想】
    オーストラリアの成り立ちの歴史を俯瞰できる良書。これまで、オーストラリアは穏やかで、多文化を受け入れる寛容さを持った国としての印象があったが、そこに至るまでの紆余曲折があり、また今もって米中などの大国間との関係を模索しているということが、理解できた。ウクライナ戦争において、オーストラリア在住のウクライナ系移民・ロシア系移民に対して、首相が双方を慮った言動をしたという出来事については、オーストラリアらしく心温まるエピソードだと感じた。

    【要約】
    オーストラリアはもともとイギリスの植民地であるが、その関係性にはアメリカに対する植民地支配における反省が大いに生かされていると言う。まず、ア

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    2024年12月29日
  • 物語 オーストラリアの歴史 新版 イギリス植民地から多民族国家への200 年

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    シドニー旅行中に読む。
    イギリスの植民地であったオーストラリアが、アメリカのように戦争で独立せずに、いかに自立・成熟の道を歩んだか。
    個人的には、ベトナムからの難民・ポートピープルの受け入れが、白豪主義の終わりをはやめたというエピソードが印象的。

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    2023年08月19日
  • 物語 オーストラリアの歴史 新版 イギリス植民地から多民族国家への200 年

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    オーストラリアの歴史がとても丁寧に読みやすく書かれており良かったです。
    〇〇なのは、3つ理由がある。1に△△、2に□□、3に~といったように最初に要旨を簡潔にまとめて伝えてくれて、その後ひとつひとつ深堀りされていく構成が読みやすかったです。

    コアラくらいしかオーストラリアの知識がない人間でしたので、白豪政策も初めて知りました。今のオーストラリアの様子からは想像もつかないものでしたので今更ながら大変驚きました。
    先日ニュースサイトの出生率の話題についていた興味深いコメントを読んだとき、時代が変わっても世界が直面する問題は変わらないのかもと思わされました。
    仏が出生率改善に成功したかのように日本

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    2023年04月11日
  • 海の地政学 覇権をめぐる400年史

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    著者は本書の狙いを「大国がデザインした海洋秩序や海洋政策を時系列で整理し把握すること」としており、海洋覇権国家の変遷がよくわかる秀逸な新書だと思う。特に第2章、第3章の米国が海洋覇権を掌握していく過程が興味深かった。また英国が海洋覇権制覇のために築き上げたものが英連邦の原点であることもわかった。そして日露戦争の背後に英国の戦略があったことを知り、現在ウクライナの背後で米英がロシアの弱体化を狙って画策していることと同じ図式にも思える。そして中国による傍若無人な海洋進出が既成事実化していくことに強い懸念を感じ、日本としてはシーパワー国家として、米国、英国、豪州などと協力して、自由で開かれた太平洋、

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    2022年10月14日
  • 世界史をつくった海賊

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    英国が世界制覇していった過程を、16世紀エリザベス一世の時代から、海賊を利用したり、スパイを使ったりした事で具体的に説明してくれる。

    うーむ。大変面白かった。英国大好き偏見人間のバイアスを、キレイさっぱり取り払ってくれた。

    ある意味英国は賢かったけど、ズル過ぎた、とも言える訳、と言う事が分かりました。

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    2021年05月22日
  • 海の地政学 覇権をめぐる400年史

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    スエズ運河で船が座礁した時にラジオに著者がゲスト主演して、その話が面白かったので読んでみた。

    大英帝国がどうやって世界の海を支配していったか、クジラを求めて黒船は日本に開国を迫ったかとか、セオドア・ルーズベルト大統領の戦略、領海や公海というアイデア等海を中心とした覇権の歴史。

    とても面白かった。19世紀に英国は世界中に海底ケーブルを張り巡らせていたのには驚いた。

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    2021年05月20日
  • 海の地政学 覇権をめぐる400年史

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    シーパワーバランスが崩れようとしている。中国の台頭だ。
    イギリスやアメリカが都合のいいようにきまりを作り、海を制してきた。今度はそれを中国がやろうとしている。
    アメリカが名指しで中国を敵視した。これからどうなっていくのか。
    アメリカ単独では中国には勝てまい。同盟国らを巻き込む必要がある。

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    2021年03月11日
  • 海の地政学 覇権をめぐる400年史

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    【世界的な規模で長期の複雑な交渉や利害調整、そして最終的には各国の妥協の末に、現在の海洋秩序が誕生してきたと考えてよい】(文中より引用)

    主にイギリスやアメリカといった大国に主導されながら、いかにして近現代の海洋秩序が成立してきたかを概観した作品。著者は、『世界を動かす海賊』などの著作で知られる竹田いさみ。

    描き方によっては茫漠としてしまいそうな広大なテーマを、見事に約250ページに収めこんだ力作。時にコラム的な話題で読者を巧みに海の世界に誘いながら、海洋から見た世界史を丁寧に著述してくれています。

    新書のお手本のような一冊☆5つ

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    2020年02月24日
  • 海の地政学 覇権をめぐる400年史

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    500年に及ぶ海洋の政治史をよくまとめていて、どのように海洋に関する国際法が発展してきたのか、接続水域などの概念がなぜ生み出されたのかなど、なんとなく分からずもやもやしていたことが結構すっきりした。
    トルデシリャス条約、スペインとポルトガルによる海洋支配を否定したグロティウス、イギリスの航海法、海底ケーブルによる情報網、レセップスによるスエズ運河の開削、燃料としての鯨と捕鯨のためのアメリカの海洋進出、パナマの確保、ワシントン会議、トルーマン宣言、石油の開発、国際海洋条約、中国の海洋秩序への挑戦。

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    2020年01月26日
  • 世界史をつくった海賊

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    16世紀から18世紀にかけてのイギリスの歴史について書かれたもの。エリザベス女王がいかに海賊をうまく利用して大国を造っていったかがよくわかる。イギリスでは海賊にも英雄が数多く存在し、貴族にまで叙せられているのは驚きだ。印象的な記述を記す。
    「フランシス・ドレーク:海賊の英雄」p8
    「ジョン・ホーキンズ:女王陛下の海賊」p22
    「爵位:Duke(公爵)、Marquis(侯爵)、Earl(伯爵)、Viscount(子爵)、Baron(男爵)ここまで世襲貴族、Baronet(准男爵)、Knight(騎士)」p24
    「1582年英国情報関係費は、国家予算の15%」p66
    「王室の資金源:1 海賊に盗

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    2018年11月13日
  • 物語 オーストラリアの歴史 多文化ミドルパワーの実験

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    オーストラリアの建国から2000年までの歴史が詳しく書かれている。今ある多文化社会のオーストラリアは以前からあったものではなく、時の流れとともにアイデンティティを変化させてきた。英帝国、アメリカ、アジア、どこと戦略的に組んでいくのか。オーストラリアはアジア太平洋のリーダーという認識だったが、その時々の国際政治により、親米、親日、親中、、、と戦略を変えてきた。これからもアジア勢の流入は止まらないだろうから、アジアとの関わりは密接になっていくだろう。しかしどこかで我々は白人国家だという意識が見え隠れするのは変わらないのかもしれない。

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    2018年08月25日
  • 世界史をつくった海賊

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    イギリスの急成長には海賊の役割が重要だったんですね。
    映画「パイレーツオブカリビアン」や「エリザベス」など、16世紀のイギリスの事を知っていると、もっと楽しめる!海を制するものは世界を制する。
    同著書「世界を動かす海賊」も読んでみます。

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    2017年10月14日
  • 世界史をつくった海賊

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    英国繁栄の一端を海賊が担っていた、という興味深い話。

    世界史の授業で、イギリスが海賊を使って無敵艦隊を破ったと習ったけれど、何故海賊なのか?と素朴に疑問に思っていた。金儲け、仮想敵国の弱体化を狙って国策的に海賊行為をしていたということならば、海戦に参加していてもおかしくない。

    スパイスや茶、奴隷についての話も簡単に触れていて勉強になった。

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    2016年10月09日
  • 世界史をつくった海賊

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    16世紀のヨーロッパを支配していたのはスペインとポルトガルというカトリックの2大国であり、当時のイギリスは貧しい二流国だった。しかもプロテスタント国家であるイギリスは周囲のカトリック国家からの武力侵攻に怯えなければならない状況で、このまま戦争になればイギリスに勝ち目がないのは明らかだ。どうすれば手っ取り早く強い軍事力を持つ豊かな国になれるだろう。
    富国強兵の方法を模索し続けたエリザベス一世が興味を持ったのが「海賊マネー」だ。早速有力な海賊を集めて海賊船団を編成させ、スペインやポルトガルの船を襲撃させた。襲撃した船から高価な商品を略奪して売却すれば現金が手に入るのだ。事実上女王主導の海賊行為だが

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    2016年07月15日
  • 世界史をつくった海賊

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    先日読み終えたのは「世界史に消えた海賊」でした。
    今回は「世界史をつくった海賊」。

    結論から言えば、世界史、特にエリザベス女王治世下のイギリスにおいて海賊がとっても重要な役割を果たし、それがのちの大英帝国、産業革命、を作り上げたのだということを言っているのは同じ。

    「消えた」方は海賊として名をはせた各人物を中心に取り上げているのに対して、この「つくった」方は主にホーキンス・ドレークを要素として取り上げて解説はしているものの、全体的には「毛織物に偏っていた英国の貿易がどのような海賊行為にして発展、変化し、さらには諸外国と外交をしていったのか(英国の、女王の政策としてどうであったのか)」という

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    2014年05月31日
  • 世界史をつくった海賊

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    日本が乱世の戦国時代、いっても島国の中で「われこそは」と名乗り合っていたころのお話し。ヨーロッパでは地中海にインド洋、大西洋に渡る地球規模での、植民地と貿易利権をめぐる壮大な海洋戦が繰り広げていたのだ。学校で歴史を習う前にこの本と出会っていたならなぁ。

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    2014年03月06日
  • 世界を動かす海賊

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    おれの期の遠航に便乗した竹田さんの本。日本にとっての海運の重要性、その脅威となる海賊がどこでどの程度起きているのか、ロイズの世界リスク一覧を紹介したり、東南アジアや西アフリカ、インド洋で違う海賊の出自や手口を紹介。インドネシアの海上警察がしょぼいけどマレーシアやベトナムが力入れてる話とか、ソマリア海賊はプントランドのクランが罰金徴収のために作ったコーストガードの成れの果てではとゆう説得力のある説も面白い。ソマリアへの物資の拠点になっているドバイ、もともと密輸を手掛けてた海賊、各国の取り組みと、根絶のためにソマリア本土にマグロなんかの水産業や通商、天然ガスの開発をしたらって提案、天然ガス開発に関

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    2013年06月09日
  • 世界史をつくった海賊

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    イギリスが大英帝国として繁栄するひとつのきっかけが大航海時代のスペイン船を襲った私掠船(海賊)である。その海賊に焦点を絞った一冊。いかに大航海時代のイギリスにとって海賊が重要な存在であったかが読めばわかる。

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    2013年01月03日
  • 世界史をつくった海賊

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    海賊ブームもあり、海賊の資料本はたくさん世に出回っていますが、そのほとんどがチャールズ・ジョンソンの「イギリス海賊史」と、フィリップ・ゴスの「海賊の世界史」を下敷きにしたもので、あまり目新しいものはありません。
    そんな中、この「世界史をつくった海賊」は海賊と世界経済の関係から切り込んでいます。
    ジリ貧国家イングランドが海賊を使って大英帝国に成り上がるまでの道のりをドラマティックに描いています。
    海賊が国家を救った〈アルマダ海戦〉から始まり、スパイス、コーヒー、紅茶、奴隷などの密貿易、コーヒーハウスから世界初の保険会社が誕生した経緯まで、実に興味深いお話が満載されています。

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    2012年10月08日
  • 世界史をつくった海賊

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    船乗りになりたかったな~職選び間違えたかしら、とか最近思ってるのだけどwオモシロイ本でした。イギリスが資源がないなか、大国にのし上がって行くために海賊をどのように利用したのかがよくわかる。イギリスの諜報活動というのはこのときから盛んなのね。007とかが出てくる背景が理解できた。最近、佐藤優とかがインテリジェンスについて色んな本を書いてるけど、この時代から既に高度な活動が行われてたのね、と感心。歴史の授業では東インド会社がインド支配のために作られたみたいな語られ方がされるけど、ホントは純粋に利益を得るための海賊集団だったのね、ということが分かる。オモシロイ。

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    2011年10月22日