竹田いさみのレビュー一覧
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いつも行っている本屋で一番目立つところに「物語」シリーズ特集が並べられていました。
「物語」シリーズ、こんな面白そうなシリーズを今まで知らなかったなんて、これから読み進めたいと思います。まずは今の自身の業務で最も関わりのある国、オーストラリアから読むこととしました。
オーストラリアと言えば、かつては白豪主義を政策に掲げていた白人国家というイメージでしたが、最近はアジア系移民を寛容に受け入れ多民族国家となっているようです。白豪主義も、日本は白人国家ではありませんが、移民に職を奪われる恐怖から移民を排斥しようし、似たようなことをやってしまうかもしれません。白豪主義を掲げるに至るまでの経緯を知る -
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ネタバレタイトルどおり、海上覇権を英・米が握ってきた歴史を時系列でおさらい。米が捕鯨から世界に乗り出すようになった事情、英から米へ覇権が移っていく過程などが、時系列でよく整理され、一般読者向きで、とてもわかりやすかった。
後半は、海洋ルール形成の顛末、国際ルールに挑戦する中国がやっていること、日本の海保の事情などと現在へつながってくる。
本書を読んで、
過去の流れからポイントをつかみ、現状ニュースで良く見る中国発の海上でのせめぎあいの背景を理解できる基礎知識を得られてよかった。
印象的だった点:
海洋ルールとは、歴史的に強国が決めたことが国際ルールになってきたことを改めて実感した。
結構、強国が自 -
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国際政治の専門家による、海洋における覇権争いの話。スペイン・ポルトガルの大航海時代から、大英帝国、米国へと海洋覇権が移っていくことを詳細に説明している。一部、電信など情報優位のことや石油利権など、海洋とは関係ないことも細かく書かれているが、海の覇権争いについては、わかりやすく納得できる内容であった。
「中国は、国連海洋法条約が作り上げた海洋秩序に挑戦した初めての国家となる」iv
「(米国の捕鯨)鯨油は時計、ミシン、タイプライター、各種機械の潤滑油としても重宝がられ、それ以前に普及していた蜜蝋、植物性油脂、動物の獣脂を原料としていた蝋燭(キャンドル)の灯火は、瞬く間に姿を消した。今から見れば考え -
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海には公海と領海という区別があったり、領海や接続水域、排他的経済水域など様々な概念で区分されています。
本書はそのような海の秩序がどのような経緯で形成されてきたのかを分かりやすく解説しています。本書によれば海の秩序はその時代で最も大きな発言力を持った国の意向に沿って築かれてきたと言ってよく、その担い手は大航海時代のポルトガル・スペインに始まり、オランダ、イギリス、アメリカと引き継がれ、そして現在はアメリカによる秩序(パックス・アメリカーナ)に中国が挑んでいるという構図になっています。
これらの海洋覇権国家の栄枯盛衰の歴史を本書前半部で、後半は現在の海洋の区分がどのように形成されてきたのか、そし -
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後進国だったイギリスは、エリザベス女王の公認の下で海賊を利用した略奪行為を進めて富を蓄えた。後に貿易立国に転換するものの、大英帝国を築くに至った礎は海賊行為だったことがよくわかる。
・1655年、イギリスがジャマイカを軍事領有してスペインのカリブ海支配が幕を閉じた。1670年のマドリード条約において、スペインはイギリス海賊の対策を条件にジャマイカを英領として認めた。
・1651年、イギリス本国と植民地の港からオランダを締め出すことを目的に、貿易をイギリス船または原産国の船舶に限定する航海法が成立した。これに反発して1652〜1672年の3回にわたる英蘭戦争が勃発したが、イギリスが勝利して貿易 -
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16世紀ごろ欧州列強の中にあって、弱小国であった英国がどのように国力増強を財を形成していったかが、海賊行為を通じて理解ができる良書。
弱小国であったがゆえに大国であったポルトガルやスペインに正面から対抗するのではなく、エリザベス女王らの英国王達はゲリラ戦である海賊行為を通じて国力を増強。海賊行為にあたっては、周到な諜報(インテリジェンス)活動を行い常に自分たちが優位な局面に立つよう腐心していた点などは現代にも参考になる。
海賊またその後に成立する東インド会社を通じた海上貿易の歴史についても、理解が深まる。
当時主要な貿易品の一つであったスパイスは、一般的に肉などの保存料として使用されていたと教 -
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ネタバレヨーロッパ、殊イギリスの発展のウラ事情が書かれている本。歴史を紐解いてみると、いまの世界の形とその起源のギャップに驚かされる。
・海賊が王家と密接に繋がっていたこと
・略奪と貿易という2つの機能を海賊が果たしていたこと
・スパイス、コーヒー、お茶、砂糖と黒人奴隷、という貿易の大きな流れがあったのがメインの学び。
そこから派生して、
・奴隷貿易を含めた貿易でも受けたお金から、蒸気機関を発明したワットへの投資となっていた可能性というのは、今後の世界の動きというところで見ると、考えておかないといけないテーマだと思う。
・スパイス、コーヒー、お茶、砂糖と黒人奴隷、のどれもが、先進国ではない国々に起