西芳照のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そうなのだ、ウキウキ楽しく旅行に行くわけではない。
おいしいものを見つければラッキー、珍しいものを食べてみたい、とか、はずれてもそれはそれで思い出、とか、楽しく巡る時間や気持ちの余裕があるわけじゃない。
環境のまるで違う土地へ行き、プレッシャーとストレスの中、勝たねばならない試合を闘ってくるのだ。
国の代表としてベストのパフォーマンスをするために、コンディションを整えなければならない。
代表が海外遠征でどんな食事をしているのだろう、なんて、そういえば考えてみたことがなかった。ただ漠然と、ちゃんと用意された、何かおいしいものを食べているのかな…と思っていたくらいで。
スポーツ選手として、普段から食事は大事なはずだけれど、ひと月やふた月近くになる長丁場、なおのこと食事はとても大事になってくる。おなかを壊したり体調を崩したりしてはいいプレーは出来ないし、食事でリラックスすることも必要だ。
シェフを帯同するのは当然とも言える。
その帯同シェフ・西さんのエッセイで垣間見る、苦労とやりがい。
そうだよねえ、すべての食材を日本から持っていくにはお金もかかる、現地で調達出来るものは極力して、知恵と工夫でおいしくバランスのとれた食事を用意する。そのためには事前に調べたり、何を持っていくか考え、現場では困難にも対処し。。。
自分の料理で、選手の体重を減らさせない!ベストのパフォーマンスを出させてあげたい!という、24番目のメンバーとしての熱意と誇りが、みしみし伝わってくる。
追記
イングランド代表が試合後のスタッフルームで暖かい料理を食べていたこと、セルティックが試合の終わった帰りのバスのなかで暖かいパスタを出すことなどに、さすがサッカー先進国と感じました。(根性だけでは勝てません、経験と理論に基づいた準備とケアと積み重ね。) -
Posted by ブクログ
「食」という字は、「人を良くする」と書く
ライブクッキング:つくりたてにかなう料理はない、調理の間、コミュニケーションがとれ、客→仲間へ
外国での調理:厨房スタッフの協力が必要。「料理は世界共通のコミュニケーションツール」「いつも笑顔で対応
世界各地の人気日本食メニュー 1位照り焼き、2位唐揚げ、3位ラーメン
料理:「つくる私が疲れていたり、不機嫌だったりすると料理にもそれがでる(手抜きやおざなり)」
世界での和食の広がり:半世紀以上前から食品メーカー(キッコーマンなど)の市場開拓の努力
食事会場で、ベテラン選手が積極的に若手を食事に誘う。 -
Posted by ブクログ
タイトルからも分かるとおり、サッカー日本代表をこれまで7年間にわたって
支えてきた専属シェフである著者の初めての本。
ドラマティックにするための、事実を誇大に表現するような記述は一切無い。
初めて日本代表の遠征に帯同を依頼されてから、アジアカップやW杯を
選手や監督、サポートスタッフと共に頑張ってきた日々を淡々と紹介する内容。
サッカー好きには、日本代表の舞台裏を「食」の観点から知ることができて面白い。
料理に関心がある人には、スポーツ選手を相手にすることの大変さや
やり甲斐を知ることができてきっとタメになるだろう。
淡々と、と書いたけど、事実には物語を超える力もありまして。
思わず胸が熱くなってジーンと来る部分がある。
南アフリカW杯やカタールでのアジアカップで熱狂の日々を
送った方には特にそうだと思う。
違った角度でサッカーを見ることが出来る上に、
巻末には西流最強レシピまで付いてる嬉しい一冊。
なお、著者は福島の方ということで、この本を書き上げて出版する直前に
震災に遭っている。そんなこともあってか、この本の印税はすべて義援金
として使われるとのことです。ご本人もきっと大変だろうに。
初めてこのように本という形を残したというのに、報酬を受け取らないなんて。
著者(出版社も?)の心意気には、ただただ感心させられるばかり。