バルザックのレビュー一覧
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「あの人と一緒になって五十年になるけれど、一度だって私の財布には六十フラン入っていたことすらないんだよ。財産を取り返すためじゃなかったら、おまえさんたちをこの牢獄のような家に呼ぶなんて、絶対しなかったけどね」
「でも、それでどうやって生きているのです」ジョゼフは、フランスの芸術家が決して失わない陽気さで無邪気に尋ねた。
「それはただ」老女は答える。「神様にお祈りしながら生きているんだよ」
この言葉にジョゼフは軽い慄きを覚えた。にわかにこの老女が大きく見え、思わず二、三歩下がってその顔をまじまじと見つめたほどだった。その顔は光り輝き、実に優しい静謐さに満ちていたので、ジョゼフは「あなたの肖像画を描かせてください」と言った。 -
Posted by ブクログ
585P
「ラブイユーズ(l’Aboyeuse)」はフランス語で、「吠える女」や「吠える人」という意味です。語源は「aboyer(吠える)」という動詞で、犬が吠えることを指します。特に比喩的に使われる場合、人に向けて批判的・攻撃的な発言をする人を表すことがあります。
バルザックの作品における「ラブイユーズ(l’Aboyeuse)」は、彼の短編小説「ラブイユーズ」に登場する人物や状況を指します。この短編は1836年に書かれ、バルザックの大作『人間喜劇』の一部として位置付けられています。
概要
物語の中心には、貧しい田舎の女性が登場します。この女性は、フランスの地方で暮らしながら、その激しい気性や辛辣な言葉遣いのために「吠える女(ラブイユーズ)」というあだ名で呼ばれています。彼女の過酷な境遇や、社会階級間の緊張が描かれ、バルザック特有の鋭い社会批評が込められています。
テーマ
バルザックの他の作品と同様、「ラブイユーズ」でも階級差や社会的不平等が重要なテーマとなっています。この短編は、地方社会の硬直した構造や、経済的・社会的圧力が個人の性格や行動にどのように影響を与えるかを考察しています。
さらに詳しい内容や特定のエピソードについて知りたい場合は教えてください。 -
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バルザックの著作の多くは「人間喜劇」で括られていますが、本作は風俗研究-地方生活情景カテゴリ中の作品。
タイトルのラブイユーズは、川揉み女(川の水をかき回してザリガニを罠に追い込む)の意味で、バルザックあるあるで重要だけど主人公じゃない人名(蔑称)。♪エビすくい、えびすくい♬
登場人物整理は、文庫の巨大しおりが便利で、人名刷り込みができればすごく読みやすく面白い。分類としてはピカレスク的悪者小説です。善い行いをする人は絶対に報われるのが当然と思ってる人にはおススメしません
第1部 悪者Aは何て悪い奴!
第2部 悪者Bに善人が挑戦し、、、
第3部 ABの最終バトルとその終着
まとめるとこんな話です(だいじょぶかww)
小説の面白さが万遍なく散りばめられていて、バルザックをたくさん読みたくなる1冊としておすすめです。 -
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第一輯で「美姫インペリア」ではじまった本作は、第三輯の末尾「美しきインペリア」でああ堂々の円環を閉じて完結する。いかにもバ選手の超力作ではあるが、その「美しきインペリア」の逸話が艶笑味も滑稽味もさらさらなく、むしろ美徳を称賛する道徳律の賛美で閉じられてしまうのはなぜだろう。
また当初予告されていた一〇〇篇が僅か三〇篇で終結してしまったのはなぜだろうと考えると、やはりこういう艶笑譚を三〇も書き続ければプロットも技法もその限りを尽くす次第にならざるをえないからだろう。
この艶笑の持続の難しさと疲労感は当然読み手の方にも伝わり、またその話かとあくびのひとつも出てくるわけであるが、しかしそれによってバ選手の文学的成果がいささかも減じられることがないのは、古今当代の読書子が証言するとおりである。
末尾ながら「音楽をいざなう翻訳」をめざして死の直前まで全力を傾けられた訳者の石井晴一氏に、謹んで感謝と哀悼の意を表したい。
音楽をいざなうような翻訳めざし鏤骨彫心せし人のバルザック読む 蝶人 -
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R17指定岩波ワンダーポルノ文庫
パート2に入ってバルザック選手のエロ噺のおもしろさといかがわしさはますます快調なり。
第八話の「ムードンの司祭の最後のお説教」もかのフランソワ・ラブレー師に仮託した文豪の筆が異常なまでに冴えわたり、当時の権力者たちを徹底的にパロった皮肉な諷刺が見事であるが、もっと凄まじいのは第九話の魔女裁判の顛末じゃ。
ムーア人の超絶的美女が次々にお固いカトリック司祭や王侯貴族たちを色香をおとりに血迷わせて陥落させ、もうもう天国も極楽もどうでもよい、お前様とまぐわうことさへ出来れば地獄の底までついていく、ああ、いくいく、いくう、と、それこそ神も仏もない邪教淫魔伏魔殿の酒池肉林濡れ蒸れ肉布団の狂乱アモラル疾風怒濤の人間本質暴露の原風景が繰り広げられていく。
そこでは「すべての者がありとある悦びの叫び声を発しあいながら、お互いに一体化し、楔の如くしっかり嵌まりあいつつ、重なり合う」のみならず、「あらゆる女の天体と男の天体が身を交え、そこから流れ出す精液の星の群れも垣間見えている」そうな。
どうだ、参ったか。とバルザックが言うた言わなかったかは、誰も知らないけれど、どうしてローマ教会が発禁処分にしなかったのか分からないR17指定岩波ワンダーポルノ文庫であります。
ああいくいくいくうこれがいちばんいいのよなぞとおめきつつ昇天したり 蝶人 -
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お洒落で愉快なおふざけポルノ大全
本書は、おふらんすの文豪バルザックが彼の生涯でもっとも力を入れた珍無類な世紀の奇書の第一弾である。かのフランソワ・ラブレーの顰に倣い、ヴェルヴィルをお手本として1832年に腕によりをかけてでっちあげたお洒落で愉快なおふざけポルノ大全であるが、これほど正月にふさわしい書物もないだろう。
ここに登場するのは絶世の美女や偽りの処女たち。そして高名にして色好みのフランスの王侯貴族や司祭、女房寝とられ亭主たち。彼らが仕出かす今も昔も変わらぬ男と女の色ごとの数々を10のエピソードにめでたくまとめて面白おかしく談じている。
第5編「ルイ11世陛下のご遊来」では、「糞は暖きを垂れ、酒は冷たきを飲み、固クソ(カタカナの部分は、バルザックが原文でラブレー風の言葉遊びをしている)そり立てて後、下方に萎えさせて已む」をもって人生の欠くべからざる四快事とみなされたこの帝王の逸話が紹介されている。
彼は宴会に招いた貴賓や美女たちにわざと悪いものを食べさせ、にわかに下痢をきざした彼らがとうとう豪華絢爛な衣装の中に排泄するさまを哄笑する悪趣味の持ち主であったが、一方では彼の命令に背いて別人を殺してしまった部下、そして本来は消してしまうはずだった人物を「吊る」さず、許してやる程度の寛大さも併せ持っていたのである。
美人のケイコチャンがおしっこやウンチをした便器がお庭に捨てられている 蝶人