小川隆のレビュー一覧

  • ブラッド・ミュージック
    ヴァージルが主人公の間の展開は身震いする恐ろしさで、細胞が学習していくのが脅威だった。全て学習し尽くされたら乗っ取られるという恐怖に追い立てられる。
    パンデミック要素も、コロナ禍を経験している今は身に迫ってくる。ワクチンの注射だってそう。ウイルスはあっという間に国境を越えてしまうものだし、意志を持っ...続きを読む
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    イスラエルSF短編集。どの作品も面白かった。思ったより宗教色は薄め、それでもサイエンスよりはファンタジーよりのものが多い。 特によかったのは「完璧な娘」。触れると心が読める少女が遺体に触れ、その少女に共感してゆく。あとは「可能性世界」。未来を演算して書き換える。彼女を救える世界にすることで彼は死ん...続きを読む
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    読み応えあり過ぎで疲れるアンソロジー
    ジャンルなり、雰囲気で分けて数冊のシリーズで出してくれれば良かったな
  • ブラッド・ミュージック
    こんなに映画を見るようにイメージが思い浮かんだ読書ははじめて.... 缶詰を開けるには缶切りが必要!
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    イスラエルのSFシーンの中心人物2名によって、英語圏の読者向けに編まれたアンソロジー。ここでのSFは科学小説 Science fictionではなく思弁的小説 Speculative fictionを指しており、非リアリズム小説全般を覆う定義と考えると収録作の幅広さが納得できる。邦訳は英語からの重訳...続きを読む
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    ラヴィ・テイドハーを除けば、名前を聞いたことのある作家さえ一人もいないが、作品のレベルは概して高い。ユダヤ=イスラエル色を感じさせる作品も殆どないが、これは日本の現代SFを読んだ欧米人が、ゲイシャもハラキリも出てこないなんて言うようなもんだろうしね。個人的ベストは、そのユダヤ=イスラエル色を感じさせ...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    ベアのまだ初々しさがある長編秀作
    表紙   6点上原 徹
    展開   8点1985年著作
    文章   8点
    内容 770点
    合計 792点
  • ブラッド・ミュージック
    全然古臭くなくて面白かった。どきどきした。バイオテクノロジーで生まれた知性ある細胞群が、人体を、世界を侵食していく。
    初めは人体を自分のたちの住む世界としか考えていない彼らは、住処である人体を調べながら都合よく改変していく。このあたりはかなりグロテスクで怖く緊迫感がある。
    やがて人という存在を認識し...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    バイオ工学がもたらす壊滅的な宇宙の崩壊!SFならではの壮大な展開

    人生の50冊 SF編 ベスト1

    ヒューゴー&ネビュラのダブルクラウンですが、
    今では知る人ぞ知る傑作で、
    SF史上初めてバイオハザードが取り上げられた作品です。
    「考える細胞」というワン・アイディアを良くぞここまで論理的に展...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    去年話題を呼んだ「ジェノサイド」など「人類という種」の未来を語る小説は今でこそ珍しく無くなったが、その元祖はといえばクラークの「幼年期の終わり」ということになるだろう。
    初めて読んだとき、あまりのスケールの大きさに僕らは驚愕したものだった。
    そして、その驚愕を全く新しい形で、よりリアルに、より実感を...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    そして人類は、ミクロの彼岸へと旅立つ。

    人類の変容を壮大なビジョンで描き切ったSF、という点で、クラーク「幼年期の終わり」と同一テーマに属する作品。

    ただし、圧倒的なスケール感で拡散しまくる「幼年期の終わり」に比べ、こちらで提示されるビジョンは徹底的に内向きかつグロテスク。最終章で示される「救い...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    ヒューゴー・ネビュラ賞受賞の超名作。
    エヴァの元ネタとしても有名。人類補完はノーストリリアだけど
    群体から単体はこっち。
    何度読んでもおもしろい!
  • ブラッド・ミュージック
    『幼年期の終わり』は文明的進化と書いたけど、この本では「生命体としての進化の行き先」について考えさせらた。(妄想的に)
    そしてタイトルのとおり、血液がキーポイント。いつだったか再読の際に「開け!進化のモード!」と叫びそうになった記憶がw
  • ブラッド・ミュージック
    地元新聞の本紹介コラムにこの本を取り上げさせていただいた。もともとSF好きだけど、これでその嗜好を決定的なものにされたって感じ。
  • ブラッド・ミュージック
    ある科学者が開発したウィルスに感染し、人類全体に広がってしまうが…そのウィルスが実は新たな進化の可能性を目指していた。
    これもカナリ面白いSFです!
  • ブラッド・ミュージック
    1985年に発表された小説。企業に勤める遺伝子工学の天才が実験の中止を言い渡される。しかし、彼の研究はほぼ完成していた。実験結果をかんたんに持ち出せない中、彼は自らの体内に注射して持ち出すのだった。
    遺伝子操作で作られた細胞から、徐々に肉体が変化していく。人類の進化は、万人が望むような形ではないかも...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    北アメリカで起きたかなり物質的な(後半は精神的な)人類補完計画。てか元ネタこれ説もみかけた。
    序盤にヴァージルを殺しちゃった理由がいまいちつかみかねる。あの時点ではヌーサイトの脅威がどの程度のものか判明していないので、もったいなくないか?と。むしろその未知への危機感からなのかな。
    ヌーサイトが敵対存...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    「80年代の幼年期の終わり」という触れ込みもあり、期待値が上がってしまった。「幼年期の終わり」の方が好きかな。けど想像もつかない世界が展開。細胞全てが意識、知識を持つなんて!ゾクゾクするな。
  • ブラッド・ミュージック
    SF。バイオSF。
    人類のメタモルフォーゼ。80年代の『幼年期の終わり』とのこと。
    個人的な印象として、前半は瀬名秀明『パラサイト・イヴ』のようなバイオSF。中盤以降はパンデミックSFという感じ。
    今までSFというと、未来や宇宙に向かい外向きに広がるイメージを持っていたが、この作品は徹底的に内側へ深...続きを読む
  • ブラッド・ミュージック
    A brilliant but unorthodox researcher has exceeded ethical guidelines for genetic research to engineer blood cells that think for themselves. Once his...続きを読む