岡本貴也のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルからは意外だがゴーストものだった。
同じゴーストもので現在公開中の新垣結衣主演「ささらさや」、来年公開の深津絵里・浅野忠信主演「岸辺の旅」は既に読み終えたが、これは今週末公開の岡田将生・広末涼子「想いのこし」の原作だ。
3作の中では一番おもしろく、一気に読み終えた。
ほろっとさせるファンタジーコメディというところか。
上辺だけで刹那的に生きるチャラいガジロウが、金のために4人のユウレイ達の願いを叶えていくうちに、心の底から行動を始めるようになるのは清々しい。
母子家庭のユウコがひとり遺してしまった息子を思う気持ちや、息子が母ちゃんはいつかは帰ってくると言い張ったり、死んだ母親のストリッパーという職業を恥じ、恨む場面には、私自身息子を持つ母親なので、心が強く揺さぶられる。
北海道の教会での結婚式、夏の甲子園9回裏満塁、真っ赤なカブリオレに先導され薬品工場の化学火災へ向かう消防車の大行列、そしてニューヨーク仕込みのストリップショー。映像化のためにあるような物語だ。映画にも期待したい。 -
Posted by ブクログ
ダフ屋などの裏稼業で、贅沢な生活をしているホンダガジロウは、ある日、道で小さな車に撥ねられる。ガジロウが病院で目覚めたとき、自分の体はなんともなく、撥ねた車に乗っていたジョニー、ルカ、ケイ、そしてユウコのストリッパーとマネージャーの4人が突っ込んできたトラックに潰されて即死したことを知る。ところが、即死したはずの4人がガジロウの前に現れた。ガジロウは4人から慰謝料を巻き上げることを決意する。
幽霊とそれが見えるものという、面白い視点の小説である。また、幽霊が見えたり、声が聞こえたりというのは、当事者のガジロウ以外にいないため、幽霊のやりたいことなどをガジロウを通じて伝える必要があるというところがポイントであろう。
小説自体はガジロウとユウコ(幽霊)の視点を切り替えることで表現するという方法だが、片方の視点でさほど書くことがないため、投げやりになっている部分が多々見られた。最近読んだ別の本でも感じたやつだな。吉田修一『ひなた』か。自分でも小説を書いていて感じるが、最初に、こうやったら面白いんじゃない?とぶち上げたルールが足かせになることは、よくある。
小説は、4人死なせて4人ともの願いを聞いていくというパターンになる。小説全体を通じてのルールを明確にするため、序盤では軽く、後半になるほど難しくなっていくというストーリーの組み立ては理解できるが、最終的に、あれは必要だったのかなあ?という程度の疑問が感じられる部分もあった。
着想的にも、小説のルール設定も、伊坂幸太郎を意識した作品なのであろう。変に視点を切り替えず、長編を一人の視点で突っ走るほうが、この作家は面白くなるのかもしれないな。 -
Posted by ブクログ
ふと空港で手に取った一冊。
どうやら映画化されるそうですね。
あらすじを書いてしまうと、これから読む人に影響を与えそうなのであまり書きませんが、とりあえずタイトルは読者を引きつけるための伏線みたいなもので、全然物語はタイトル通りのイメージではないです。
物語が大きく3つあり、一つ一つがそれぞれ感動的なエンディングを迎えます。
ただ、ちょっとその感動のエンディングに深みが足りないかなという感があります。えらそうですが。もうちょっと捻りがあっても良いかなと。
さらっと2,3時間で読めるので、軽く読むのに適している一冊。
映画はどうな感じに仕上がるのでしょうか。