筒井紘一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
利休の懐石と銘打っているが、茶の湯が生まれてから現代に至るまでの茶会席を網羅している本。菓子が会席に付随するものだったのが薄茶を後で飲む方法が天文10年代に生まれ、それから茶に付随するようになったのではという菓子についての考察も。
紹鴎の師である十四屋宗伍の頃にはもう一汁三菜志向が堺町人にはあった。朱塗から真塗にしたのは利休という説。テーマ性のある茶菓子が生まれてくるのは元禄時代以降。水栗は遠州の後は近衛予楽院や遠藤元閑が使っているよう。三斎鱠。元和偃武前は遠州も一汁二菜など侘びた会席。現代の煮物椀が出てきたのは幕末で、八寸も後段付だったのが中段に取り込まれたもの。黒文字を記念に持って帰るのは