これは面白い。
まず、設定自体はよくある異世界転生もの。
本作は、「現世で死んで転生」と並んでメジャーな、「ゲームの世界に入り込む」というパターン。
ここまでならよくあるものだが、本作はそこからさらに話を膨らませている。
①ゲーム時にNPCだったキャラが実在しており、かつかつてゲームであったこ
...続きを読むとを認識している。
②ゲーム時より500年ほど経過しており、つまりは「生の世界」として500年存在している世界。
ゲーム時の強キャラクターは神に等しい扱いを受けている。
③ゲーム時のプレイヤーも他に転生しており、複数登場する。
これらの要素が今までなかったもので、非常に新鮮かつ、本作を特徴づけるものとなっている。
その範囲で設定はよく練られており、破綻もない。
絵は若干クセがあるものの、悪くないし、読みやすいレベル。
主人公を「主(あるじ)」と呼んだり、強くて美しいエルフの女性キャラが身近にいるところなど、「陰の実力者になりたくて!
」と設定が似ている点も個人的にはうれしい。
(もっとも、本作の方が陰実より5年ほど先に描かれ始めている)
ただ、全体を通して「陰実」「リゼロ」「転スラ」あたりに少し及ばないと感じるのは、登場キャラクターの個性が少し欠ける点だろうか?
(転スラとはキャラでは互角だが、設定の深みが違う?)
この辺り、「盾の勇者」同様、あと一押し足りないという印象はある。
それでもストーリー全般で好感が持てるし、斬新かつよく煮詰められた設定も素晴らしい。
「異世界転生もの」の名作の1つであると言え、アニメ化にも期待が持てる作品。