松原隆一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ちくま名著30シリーズを読んでみた。1冊目。
あまり経済学に馴染みのない自分にとって、読み進めるのに時間はかかったものの、あまり耳にすることのない経済学者の名前と、その著書を知ることができて読んでよかったと思う。
ナイト『リスク・不確実性および利潤』などは著者も著書もまったく知らない状態だったが、こうした知らなかった名著を通して経済や人々の営みを見通すという行為のおもしろさを感じる。またハイエクの名前は知っていても『科学による反革命』というあまり聞きなれない著書を取り上げている。単なる名所めぐりのような凡庸な内容ではなく、名著らしい名著とでもいうのか、その影響度だけではなく質の良さから30 -
Posted by ブクログ
この手の総論的な本の御多分に洩れず、ふんふんと納得できるところと、なんじゃそりゃ的なところが両方ある。
価値観の対立のない日本では二大政党制はそもそも無理だったという指摘は印象的。
牛の育て方は日米で自然観の違いを反映してるのに経済や規制緩和の問題にしてしまうのはおかしい。
これは光ってる。日本では牛は家族、アメリカでは征服すべき自然で、ずっと立たせたまま抗生物質を投与して育てると。
でも、東北の被災地を視察して長い時間海に黙礼する天皇に共感して、天皇制はいいものだ、みたいなのは、中学生でもわかるくらいの短絡ではないか。
海との共存を覚悟する姿が感動的なのは、それが天皇だからでは全くない -
Posted by ブクログ
経済学の名著30冊を、自説などに影響されずに客観的に紹介する本。
バイアスがかかっていないブックガイドは本当に少ないので助かると思う。
入門書ではないので、経済史の基本と流れがわかったうえで、より深く知りたい人が本を読む前に選ぶ時に参考にするような使い方が一番よいと思う。多くの経済学の原著・名著があるなかで、どのような本が読むに値するかを、先人に学び、書籍を選ぶ眼をもつことも大切だと思う。
しかし、評者は大学でも一般教養で経済学は学んでおらず、独学で経済学を学んでいて、本書の内容にはついていけない部分があった。ある程度の高度な素養をもつと、良い本にみえると思う。その意味では自分にとっては★