吉田一彦のレビュー一覧
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「軍人は一つ前の戦争に備える」と言うが、「平和運動も一つ前の戦争に備える」と言えよう。今の日本で平和教育の題材といえばもっぱら太平洋戦争だ。
しかし、第二次世界大戦-太平洋戦争はかなり特殊な戦争だったことは忘れてはいけない。この戦争を端的に表す言葉は「総力戦」と「無条件降伏」。
特に、過去に例がなかった枢軸側への無条件降伏要求は、あの戦争を過度に悲惨なものにした。本書はそこに焦点を当てて書かれている。
平和運動が目指すべきはこれから先の戦争の防止である。この場合、「総力戦」も「無条件降伏」も繰り返される可能性はかなり低いのではないか。
アメリカや欧州各国の先進国の軍事攻撃は、いまやハイ -
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「『日本書紀』は天皇の命令によって編纂された国家の歴史書である。(略)それは天皇の歴史を記す書物であり、それによって日本の天皇の政治思想を明らかにしようとする書物であった」
8世紀、編纂され完成に至ってから今日まで、日本書紀はその後のさまざまな歴史書や家牒、または歴史そのものへなど影響を及ぼし、日本書紀に倣うもの反発するものと、「歴史や政治の原点になる書物として君臨してきた」。
その影響をひとつひとつ解説し、存在感を確かめていく。
いかに日本書紀が、いまだに大きな歴史認識の壁となって立ちはだかっているのか。手軽に知ることができます。
まさにそれは日本書紀の呪縛。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
本書は、第二次大戦以降、水面下で繰り広げられた戦略、戦術の秘話を豊富な資料に基づき明かす。
「シンガポール陥落を決した奇襲作戦」「英国軍お得意の二重スパイ」「味方をも欺いたヒトラー」「CIAとKGBの攻防」「同盟国から脅迫された米大統領」…。
二十世紀の覇権地図を塗り変えた秘密のファイルをひもとく。
[ 目次 ]
第1章 戦争は騙し騙され―「欺瞞」という名の究極兵器(シンガポール陥落を決したパレンバン攻略作戦 石油資源獲得のための奇襲攻撃 ほか)
第2章 壮大なペテン―イギリスの「ダブルクロス」作戦(ドイツ軍を騙し抜いたダブルクロス ノルマンディ上陸作戦はなぜ成功したか ほか)