緒川千世のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
良い意味で、1人の作家さんが描いたとは思えない(笑) いろんな味わいが楽しめる短編集。前半読んでほわほわ幸せに浸っていると、後ろから脳天に飛びげり喰らうような目の覚める一撃がくるので要注意!
個人的には表題作が一番好き( *´艸`) 「これはBLじゃなくて、ラクダ(おじいちゃん)×ラクダ使いの話」というレビューを読んだけど、まさしくソレ! いゃBL要素もあるけどキレイな純愛で、そこに更に異種間の親愛が上乗せですよ。 サディーク(ラクダ)とカマルの、お互いを想い合う気持ちにめちゃめちゃ泣いた。
アラブものだから濃い~ぃラブに泣けるかと思っていたら予想の斜め上な感じだったけど、ちゃんとメイン2人も愛しくて、カマルの育ての親も良い夫婦で、とてもとても素敵な話だった。 これで一冊読みたかったなぁ~( ・3・)
収録作『溺れる魚』も緒川さんらしくて好きな作品♪ ホント、ひねくれたキャラを可愛らしく描ける天才だなぁ(笑) クールな受がどんどん可愛くなるのが堪らない。
ただ私、緒川さんのひねくれ加減はこのくらいが好きだな。いゃひねくれてるのは良い。 捻れてるというか、壊れてる系がイマイチ好きじゃないかも。痛いし怖い。
緒川さんも、ハッキリ陰と陽のある作家さん。私は断然陽の、優しくて愛に盲目な作品が大好き。
だから読む人を選ぶし、かなり好き嫌いがハッキリしそうな短編集だと思う。痛い系と近親モノが苦手な人は要注意★ -
Posted by ブクログ
作家買いです。
まったく毛色の違う短編が4つ収録されていて、色んな可能性を秘めていることを感じさせる作家さん。
まだ手探り状態で実験途中なのかもしれないけれど、幅広いジャンルにチャレンジしてくれていて楽しいです。
さらには美麗なカラーページが再録と描き下ろしもプラスされていて満足度が上がりました。
チャラ男×クール黒髪水泳部員の「溺れる魚」は、高校生らしいもやもやした気持ちと部活で発散する爽快な気持ちを、ダイレクトに感じることのできる学園モノ。
センセの作品の中では爽やか系で、宇佐美と岸がどちらもカッコよくて魅力的でした。
「ラクダ使いと王子の夜」はラクダ使いの少年が砂漠で王子のような男を助けたことから始まるおとぎ話のようなラブ。
HQ的な華やかな話ではなく、どこまでも続く砂漠のような日々を送ってきた男の子に甘く優しい幸せがやってくるけれど、そこには切なさ、さびしさも存在しています。
どの話もただ甘いだけ、エロいだけじゃないところがいいんですよね。
ヤンデレ系の弟×兄の「いびつな欠片」と、痛すぎるヤンデレ系父親×息子の「くさった螺旋」はどちらも近親相姦エロスでPINK GOLD掲載分。スパイスが効いていてかなり好き。なんかすごく生き生きとしている気がして、楽しんで描かれているんだなと思いました… -
Posted by ブクログ
うぁー…緒川千世さんの初コミックス。 2冊目のコメディがとても面白かったけど、シリアスも凄く良いなぁ…(*´Д`)
お屋敷に住んでいた元お坊ちゃんと世話係の、軽い再会監禁モノ。 少し病んでる空気はあるけど、緒川さんの生来の気質が陽だと思われるせいか、そんなに暗くないテイスト。
謙を閉じ込めて人形のように愛した岩瀬が切ない。 彼はちょっとおかしくなったふりをして、いつかまた謙がいなくなっても生きていけるように、ママゴトみたいな思い出を大切に作っていた。
謙がヨゴレてしまったのは、きっと誰か1人が悪いわけではない。 でも謙が悪くないわけではない。 そういうジレンマを抱えて自暴自棄に生きていた謙も、目が醒めたように真っ当になって良かった。
健やかな人間は、勤勉で優しい生き物だと思う。 適当に生きるより、誰かを気遣って過ごす人生はなんて豊かなんだろう。
収録作もちょっとおかしくなっちゃった高校生2人の話だったけど、病んでいても読後感が清々しい緒川作品はかなり癖になる(笑) できれば2作とも、もっとイチャイチャしてる姿が見たかったなぁ。 -
Posted by ブクログ
8年前かつて住んでいた屋敷を、自分の世話係だった岩瀬が買い取った事を知って訪ねた譲。元はかわいいお坊ちゃまだったのに、今では相当なワル。
ところが、まんまと岩瀬に捕らえられ監禁されてしまうハメに。
でも、岩瀬は昔と変わらず譲のお世話を尽くしまくってきて。
監禁ものだけど、ちょっと毛色が違っていて新鮮でした。
主従関係が逆転したり、鎖でつなげたり、好物な設定に溺愛がプラスされるとこんなにも見方が変わってしまうんだな~と思わせます。鬼畜度ゼロ。むしろ、岩瀬が健気だったりします。
両親と離別して、辛いこともあっただろうと推測できる譲です。そのせいか幼かった時とは別人のようにワルくなっています。でも、ただ強がっているだけなんだとわかるところがいいんですよね。譲はかなりいいツンです。
3話目でバタバタっとまとまってしまった気がしてちょっと残念だったけど、テンポがよくて中だるみなくて、全体的には面白かったです。
絵もすごくきれい。
同時収録の「断熱線上の鼓動」は、学園モノ。寮で同じ部屋同士の千歳と秋。秋が同じ部屋にいるにもかかわらず、女の子を引っ張り込んでイチャついている千歳。秋は千歳が「アキ」と女の子を呼ぶのが聞こえないように、ヘッドホンをしっかりつけていて。
ものすごい意地っ張り同士!!
しかも部屋の真ん中に白いテープで境界線が!
そこまで意固地になると、なんだか愛しくなってしまいます。
両ストーリーとも胸がキュンキュンしました。意固地で素直じゃないって、本音はどうなんだろう?と考えると、切なくて甘くてたまりません。単純にはいかない恋心を描くのが、とても上手いです。大注目の作家さん。
描きおろしは岩瀬と譲のその後です。
しっとりとしたムードかと思ったら…!やっぱ、主従関係まったく昔から変わってないじゃん、という二人で笑いました。
カバー下は、千歳と秋です。千歳って、すんごいヘタレだったのね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレワケあって実の親とは疎遠になっている春樹と
離婚して子供と離れ離れになっている灰田さんの
擬似親子する物語。
春樹は両親のことが大好きだったけど
理想の子供になれなかったことへの罪悪感と
大好き故にファザコンを拗らせてるように思える。
30歳という年齢で春樹が子供返りしてるところに
賛否はあるだろうけど、
春樹の胸の内を思うと…
あとあの楽しそうな春樹の顔見ると私は切なくて
胸がギュッとしてしまう。
愛とか好きとか「好意」の種類って色々あるから
情愛、性愛だけが恋愛ではないし、
なんとも表現しがたいお話だった。
BLとして読んだ人にはものすごく物足りないだろうけど
この中途半端で終わった感じは、私は嫌いじゃない。
関係や感情なんて単純なものでもないしね。
私にはちょっと切なく感じるお話だった。 -
匿名
ネタバレ 購入済み以前読み始めたときは一度読むのをやめたけど、今回は全8巻一気読みしました。教師も介入出来ない(というか知らぬふりの)カースト制度という名の、暴力、レイプ等、犯罪そのものが行われている学校で繰り広げられるストーリー、痛々しくて途中読みを挫折しました。でも今回、時を経て、内容がわかっていたので最後どうなったのだろうという好奇心で一気に読めたのだと思います。ほぼ学校内でのストーリーで8巻という長さですから、登場人物も多く、何カプも登場、それがまた皆病み揃いというのはまぁ不自然と言えば不自然、でも、ストーリーが単調ではないので飽きずに読めました。登場人物の多さも気になりませんでした。
こんな学校ある?教師は黙認、親も知らない(んなバレないわけないだろ)、こんな制度に皆が皆当たり前に従うなんてことある?誰一人おかしいと思わないなんてことある?廃部屋で乱行パーティーみたいなことやってても教師見て見ぬふりしてんの?ここからどうやったら恋愛になるの?等々、あまりの不自然さにモヤモヤする一方で、これは『物語おはなし』なんだからそこツッコんだらお門違いよ、自分!などと余計なこと思いながら読んでました。
そして、この最終巻についてですが、なんだか少し足早のようで、ちょ~っと尻つぼみ的というか、大きく上手くまとめた感が否めない。このハッピーエンドの部分をじっくりじんわりと、もっともっと味わいたかったですね。
最後の最後に、生徒の会話で、時代はまた繰り返されるのか、やはり始まりに回収されるのか、と匂わせる終わり方があるある過ぎて残念。もう一捻り欲しかったです。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。