波戸岡景太のレビュー一覧

  • スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想
    初めてソンタグの名前を知ったのは、予備校の時(1985年?)。確か、工作舎か何かの関係で京都に来ていたとか。その後、大学生になってからやその後でも、ほんの少し著作に手を出したけれど、文章のスタイルがかっこいいとか、その程度しかわかっていなかったと思います。この本を読んで、少し理解が深まった気がしまし...続きを読む
  • スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想
    スーザン・ソンタグは、小説は読んでないが、翻訳された批評集は多分全部読んでいると思う。

    ソンタグの言っていることは、時期によって論調が変わって、以前とは矛盾することを書いていたりするのだが、それも彼女が無理やりの自己一致の連続性を維持することよりも、自分の変化をそのまま表現する誠実さのようなものだ...続きを読む
  • スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想
    ソンタグの写真についての考え方を知りたいというきっかけで手に取った。

    ソンタグの生き方とその時々の思想を知るには有用な本だと思う。ただその思想を現代社会を批評する目的で援用できるかというと「?」と思ってしまった。マイナスの意味ではなく、彼女の思想を読めばなおさら。
    故人を過去に閉じ込めたまま借り物...続きを読む
  • スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想
    一番好きな批評家(思想家でもある?)

    自分の中にある複数のアイデンティティの間にある脆さに争う気持ちは少しわかる
  • スーザン・ソンタグ 「脆さ」にあらがう思想
    わかるようなわからないようなところが面白い。ディコンストラクションとかフェミニズムとか、ときどき自分の解毒のように読むのだが、同じようなものを感じた。ソンタグ、読んでみようかな。
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    ライトノベルと称される文芸ジャンルの作品群のなかにえがかれた「現代」のとらえかたを、文学研究者である著者が読み解く試みがなされています。

    「ラノベ的であることから限りなく遠い「大人」であろうとしていた」と述べる著者は、東浩紀の『ゲーム的リアリズムの誕生』(2007年、講談社現代新書)によって開かれ...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    大変面白かった。ラノベは覗き見的に2,3冊読んだ程度で「なんか軽いのがちょっと物足りないなー」と感じられ、個々の作品は熱心な読者ではなかったのだが、ジャンルとしては、これまでの小説とは違う価値観や今時の世相を色こく反映してそうなニオイを、何となく感じていて、ラノベ全体をメタ的に俯瞰・解説する本書は、...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    おもしろい。
    ラノベを読んだことのない人間だから楽しめたのかもしれない。
    詳しい人はまた別の評価に’なるのかも。
    ラノベから読み解く現代は、「おたく」が台頭し、だからこそ撤退する。大衆化した「おたく」はもはや初期の「おたく」ではないだろう。
    ラノベでは「ぼっち」。
    未来に期待できず、決して成長しない...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    「本書の考える「現代」とは、あくまでも、誰かのノスタルジアの産物として観測可能な事象だ」(183頁)というスタンスのもと、第二次大戦以降の日本において、各世代の人々の内的な過去の嫌悪/美化のパターンを描こうとしている。特に、ポップ世代として村上龍や村上春樹を据えながら、その後の村上隆や穂村弘との、さ...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    ラノベを通して現代日本を解釈しようとする哲学の書。
    まかり間違ってもオタ向けでもなければ、一般人向けでもない。

    やたらめったら内容は難しいが、ハルヒ世代の人間としてところどころに納得できる内容はある。
    アメリカとの対比をもって解釈しようとする昭和世代に対し、
    僕らにとってそれは所与のものであまり興...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    1980年代に小学生、90年代に中高生だった身にとってはうなずける所もあった。
    ポップ―オタク―ネオポップ―ぼっちの流れは理解できました。
    しかし、村上龍、春樹はラノベではないのでは?と疑問に思いながら読んだので後半身が入りませんでした。
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
     本書は決して「ラノベ」論ではない。本書が語るのはあくまでも、書名のとおり「ラノベのなかの現代日本」なのである。ライトノベル中に散らばる「現代日本」を知るヒントを拾い上げ、現代文芸の流れの中に組み込もうとする意欲的な評論だ。

     その結果見えてきたのは、従来の「オタク」とは違う「ぼっち」という生き方...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    バブル期以降に若者に受け入れられた、
    衒学的な虚像を題材にした小説。
    ぼっちが自由に、見えるらしい。
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    ラノベ世代の若者が抱く上の世代との感覚的断絶感の正体を、それぞれの世代の作家が作品に描く「現代日本」を抽出して比較しようとするもの。断絶感の概形には納得するけど、文学批評研究を読み慣れてないからか不安が残る。という意味で星3つ。
    こういう種類の本にありがちな「リア充」「DQN」みたいなワードに飛びつ...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    帰属感=ノスタルジア(四方田)
    ラノベ・・・自らを偽物に貶める態度=読者の態度
    ポップ・・・権威はコケにされ、ヒーローは大衆と愛を分かちあう。
    ⇔ラノベ(疎ましい)
    ライト=成熟したポップの上に成り立つ、本命ありきの浮気相手
    よりアメリカに近いのはどちらか
    田舎に張り付いたアメリカ・・原風景
    オタク...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    ラノベのなかと謳ってはいるけど半分くらいはW村上からの引用だし題名から想像すると肩透かし感じます。変にラノベから引用するのではなく学生さんと本読みあったと書いてあったからその子たちは自分たちをどう思ってるかとかそういう生の声があるともっとよかった気がします。結局「若いうちに旅をしろ」と言いたかったの...続きを読む
  • ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア
    W村上とラノベとの現代若者してんのずれに関する指摘はなかなか興味深かったけれど、結局結論として何が言いたかったんか半分も理解できんかった。