中條ていのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画化や撮影場所の紹介で知り興味を持ち読む。
期待以上。黒木華だから間違いないとは思ったけど。こんなすてきな本が11年も前に出ていなたんて。
最近よく読む青山美智子さんの感じに似ていた。心が温まり、つかながってる感じ。
読んでから映画予告を見たけどちょっと変えてあるなー。表紙を見ながら、誰がどの役かな?って想像も楽しんだ。
1.帝国の王
これはなんか軽い感じでサラッと読めたけどなんか薄い。続きを読み進めるうちに繋がりがわかり深さに気づく。
電車を乗り過ごしそうになる、いつも見かける人を起こすために本を落として気づかせていた。
2.幸福の実
ヘルパー先で出会った90歳の元ピアニストの卵をピアノを -
Posted by ブクログ
ネタバレ5話収録。1話完結の短編集に見えるんだけど、微妙に各話が繋がってるという内容でした(カバーには「長編小説」と書かれてる)。
先に同名タイトルの映画を観ました。悲しい出来事が軸になっているんだけど、お涙頂戴というものではなく、観終わった後穏やかで清々しい気持ちになる不思議な映画でした。そこで原作があることを知り、読むに至ってます。
映画の内容と似てはいるけど、大まかな流れだけ一緒って感じ。小説版は各話に主人公がそれぞれいて、その主人公の周りの人が別のお話の主人公になっていたり、少しだけ絡んでたり。
2話めの「夏の終わり」が良かった。映画でも同じ設定だったんだけど、施設のトイレの個室で写真展 -
Posted by ブクログ
知らない者同士の思いが巡って、それぞれの心をかすかに揺らして、彼らの人生は大きく動きだす。
それは少し彩りをもって、希望をもたらす。
5つの連作短編集、老若男女の思いをひしひしと感じられた。
人との出会いがきっかけで未来は変わるんだなぁとしみじみ思う。
どれも心に沁みる良いもので、寂しさや悲しさや辛さといった感情も何かがきっかけとなり、希望をもたらしてくれる。
その何かが出会う人だということに縁というものの深さを知ることになった。
「帝国の王」〜毎朝同じ電車に乗る会社員の澄人は、乗り過ごしてしまいそうになるおっさんに…
「ハートブレイク・ライダー」〜確実だと思っていたのに中学受験に落ち -
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2018.2.7
初めての作家さんやったけど、この感じ好きやなあ。さくさく一気読み。短編のようで実はつながってて。
『定刻の王』
毎日電車通勤してると、なんとなく覚える人が出てくるの分かる!おんなじ時間にみんな働きに出てるんやなあって。どこで何の仕事をしてるか勝手に想像してみたりして。
『ハートブレイク・ライダー』
中学受験って、それまで必死にやってきた小学生からするととても大きなことなんやろうな。朝早くとか遅くにでも、塾の鞄を背負った子供たちをよく見かける。ああ、なんて熾烈な闘いなんやろう。親も一緒に成長する機会なんやろうな。ここで転け方覚えなあかん、っていうおばさんのセリフが 耳に残っ -
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最高に良かったです!
もうね、大好きです。こういうお話。
登場人物がちょこっとリンクしてるんですが、
それも違和感なくて、見つけるのも楽しかったです。
#定刻の王
毎日通勤する電車で、同じ時間に乗り合わせる男性が妙に気になるサラリーマン・小山。
誰かにぶつかられても、つい「すいません」と言ってしまう小市民。
そんな彼が、ほんの少しの勇気を出したら…。
これすごくわかる~。私もつい「ごめんなさい」って言っちゃう。
で、「あれ、今のって私?…。まぁ、いいか。」となる。
はい!小市民です。(笑)
でも、どうして通勤電車って同じ場所に乗っちゃうんでしょうね?
#幸福の実
ピアニストになる夢を、 -
Posted by ブクログ
◾️サマリー
・お互い様、持ちつ持たれつがテーマ
・短編同士が繋がっている
・世間の狭さと温かさを感じさせる
◾️所感
『相身互い』をネットで調べて見た。
聞いたことはあるが、恥ずかしながら意味をよく理解できていなかった。
相身互いとは…
誰かを思ってした行為が巡り巡って自分に返ってきたり、見知らぬ誰かを救ったりすることを示し、「お互い様」という気持ちに近いニュアンスを持つ言葉。
私は『恩送り』という言葉が好きである。
誰かに良いことをしたら、その人が他の誰がに良いことをし、どんどん伝播していく。
それにとても近しい言葉であり、親近感を覚えた。
この小説は、5つの短編で構成されていて、そ -
Posted by ブクログ
映画を先に観てしまった、後からの読書。
大体本の方がよかったー、となるが、コレは映画も良かったかも。映画の方が泣ける。
小説は5つの短編がゆくる繋がり最後の蔓草で全てが重なり、アイミタガイ/相身互い
アイミタガイという言葉を知ってて見るのと、知らずに観るのの違いかとは思った…初めましての衝撃が強かったのかも。
受験に落ちた少年の話からキーホルダーが繋がり、自転車を直してもらった店からおばあちゃんに繋がり、最初の梓のことをずーっと好きでいてくれる、心が澄んでいる、澄人。
圭吾とはモンキーの絵本で繋がる。一つ一つつながる手法はよくある展開だから、知らずに読んだら感動ものかな。
映画はそれをうま