【感想・ネタバレ】アイミタガイのレビュー

あらすじ

毎朝同じ電車の同じ車両に乗る会社員の澄人、合格確実だった中学に落ちてしまった敦俊、トラブルメーカーのホームヘルパー範子、カメラマンの娘を事故で亡くした元学芸員の優作、そして9歳の時の両親の離婚が傷になり結婚に踏み切れない梓。彼らはみんな、人生の迷子になっています。傍目には平穏に過ごしているように見えても、それぞれの理由があって扉を開くことができず、一歩踏み出すにも踏み出せず、じっと立ち止まっているのです。でも、見知らぬ人の思いが巡り巡って、硬く閉ざされた扉を小さく叩き、彼らは進むべき道をたどりはじめます。気づかないほどのふれあいが誰かの心をそっとゆらし、それぞれの人生を大きく動かしていくのです。「定刻の王」「ハートブレイク・ライダー」「幸福の果実」「夏の終わり」の4つの物語が最後の「蔓草」で一つになる。心に沁み入る連作長編小説。

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Posted by ブクログ

知らない者同士の思いが巡って、それぞれの心をかすかに揺らして、彼らの人生は大きく動きだす。
それは少し彩りをもって、希望をもたらす。

5つの連作短編集、老若男女の思いをひしひしと感じられた。
人との出会いがきっかけで未来は変わるんだなぁとしみじみ思う。
どれも心に沁みる良いもので、寂しさや悲しさや辛さといった感情も何かがきっかけとなり、希望をもたらしてくれる。
その何かが出会う人だということに縁というものの深さを知ることになった。


「帝国の王」〜毎朝同じ電車に乗る会社員の澄人は、乗り過ごしてしまいそうになるおっさんに…

「ハートブレイク・ライダー」〜確実だと思っていたのに中学受験に落ちた敦俊が、ひったくりにあったおばちゃんと出会って…

「幸福の実」〜失敗続きのホームヘルパー範子が行った先は、90歳のピアニスト。

「夏の終わり」〜カメラマンの娘を事故で亡くした優作のもとに届いたのは娘宛の封筒で…

「蔓草」〜9歳のときに両親が離婚し、それが傷となり結婚に踏み切れない梓が、祖母宅へ行きそこで父の再婚相手の息子と会うことで…



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2024年10月06日

Posted by ブクログ

2013年初版。映像作品を先に観ました。とても良かったので、原作も読んでみました。とても良かった。映像作品は、原作を少し脚色されてはいますが良かった。原作も映像作品にない魅力がありました。読んでみて良かった。読み終わって良い気分になりました。

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2025年04月21日

Posted by ブクログ

映画を先に観てしまった、後からの読書。
大体本の方がよかったー、となるが、コレは映画も良かったかも。映画の方が泣ける。

小説は5つの短編がゆくる繋がり最後の蔓草で全てが重なり、アイミタガイ/相身互い
アイミタガイという言葉を知ってて見るのと、知らずに観るのの違いかとは思った…初めましての衝撃が強かったのかも。

受験に落ちた少年の話からキーホルダーが繋がり、自転車を直してもらった店からおばあちゃんに繋がり、最初の梓のことをずーっと好きでいてくれる、心が澄んでいる、澄人。
圭吾とはモンキーの絵本で繋がる。一つ一つつながる手法はよくある展開だから、知らずに読んだら感動ものかな。
映画はそれをうま〜く繋げていて、多少違う人物もいるが、話をわかりやすくまとめるためには必要な気がしたから、映画も良かった。
どちらも面白かった。
間違って覚えていた漢字や読み間違いもこの本で訂正できた!

アイミタガイ、貸し借りっていうか、恩に着せようっていう浅ましい言葉じゃないわねぇ。もっと広い視野での助け合い
誰からも何もしてもらわない人っているのかしら。この世のすべてが見通せてる人なんていない、知らないだけで、いろんな助け合いや思いがめぐって、きっと自分のところにも届いているのよ。 p. 256〜

袖触り合うも多生の縁 とは…多少だと信じていた、同時刻に居合わせる、ちょっとくらいの縁だと、多生が、前世からの結びつきをさす言葉だと教わってぞっとした。 p. 21

丁字路がある… p. 64

築は古きけれど、こういう家のことを普請/ふしんがよいというのだろう。贅沢すぎるほどの造りではないのに、這いつくばって掃除をしていると、新建材のわが家とはちがい、隅の隅までぴしっとして、床いたの一枚にしても拭いて研けば木の艶が光り出す。手間はかかるけれど、掃除をしたという手応えは爽快だった。
p. 111

漢は不埒になりやすいからまじめが肝心。女は気性が強くなりやすいから努めてやさしくってね。それが男と女の心がけだわね p. 258

「なにげない顔で訪れて、小さく私の扉を叩いたものを、直感でなくてどう見分けられましたでしょうかってね」 p. 263

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2024年12月29日

Posted by ブクログ

毎朝同じ電車の同じ車両に乗る会社員の澄人、合格確実だった中学に落ちてしまった敦俊、トラブルメーカーのホームヘルパー範子、カメラマンの娘を事故で亡くした元学芸員の優作、そして9歳の時の両親の離婚が傷になり結婚に踏み切れない梓。見知らぬ人の思いが巡り巡って、硬く閉ざされた心の扉を小さく叩いたとき、彼らにもたらされたものは…。

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2013年11月05日

Posted by ブクログ

“相見互い” の連作短編集。
何気ない事がどこか繋がって、お互い様!になっている。
話しのどこそかで登場人物が繋がっていて、あ~!と思わせられ面白い。
テーマの違う5編だがベースに相身互いが流れ心地良かった。
何かを返えしてもらおうなどと思わない事を幸せと思う、そんな5編の話しに胸が熱くなった。

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2013年09月17日

Posted by ブクログ

昨年映画を観たので原作読んでみた。短編がゆるく繋がる小説。小説では亡くなったカメラマンだった娘の話「夏の終わり」が良かった。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

【アイミタガイ】とは、この世は持ちつもたれつお互い様。巡り巡ってなんでも自分に返ってくるという意味。ずっと、なにかがどこかで繋がっている優しい物語。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

うーん…好きなタイプの話ではあるんだけど、どうしても心情的に納得できないところも多くて、ちょっともやもやが残る作品。私のおかれた環境とは違いすぎるから、同じような立場の人なら、分かる!となるのかもしれないけど、どうしても苛立ちの方が強くなってしまって、最後の一編以外は良かったんだけどなぁ。

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

2024年11月に黒木華主演の映画が公開されると云うので読んでみる。ちょっとずつ関係してるが、直接的な繋がりは薄い5つの短編。どの話もなかなかいい話で悪くない。特に90歳のピアニストの話は映画でもメインになるようだし、いい話だった

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2024年07月29日

Posted by ブクログ

少しだけつながっている連作短編集。2つだけ良い話しだった。
2015.1.22

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2015年01月22日

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